ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れたとある会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

Mad Professor Sweet Honey Overdrive.

Mad Professor Sweet Honey Overdrive.

 

f:id:hurryharryhurryblog:20200120021123j:image


スウェーデン出身のビルダー、ビヨン・ユールが設計を担当するフィンランドのメーカー、Mad Professor社製のオーバードライブです。

 


Mad Professor Sweet Honey Overdrive.


ローゲイン、ナチュラル系の歪みペダルです。


ビヨン・ユールが奥さんと経営していたハンドメイドメーカー、BJFEブランドのHoney Bee Overdriveを元に、大量生産向けに作り直したのがこのモデルだそうで、元ネタのHoney Beeは「自分達が昔パンクバンドで使っていた『強くピッキングしないと歪まない小型アンプ』をイメージして作った」とThe Effector Book Vol.32のインタビューに載っています。


どうもその小型アンプというのがスプロらしく、実際こいつがスプロっぽいかどうかは分かりませんが、「小型アンプのボリュームをパンパンに上げたような音がする」ペダルという意味ではたしかだと思います。



発売は(調べた限り)2009年頃。以来売れに売れて、一時期人様のボードを見ればこれが置いてあるような状況でした。


大分遅れて手を出した私ですが、今や一番のお気に入りです。オーバードライブは、BD-2、ケンタ系のVoyager、TS2発、アンプ直とあれこれ試しましたが、結局これに落ち着いて、以来3年程使い続けています。手放せません。


常時オン、プリアンプ的に使ってます。


DRIVEはマックスまで上げてもあんまり歪みませんが、コンセプト通りアンプがパンパンになったような状態になるので、ピッキングで歪ませる感じが楽しいです。クリーンにするときはギター側のボリュームを絞り、元気を出したいときはボリュームアップ。こうするとちょっとだけ粘り気のある、アンプを爆音で鳴らしたようなクリーンが出せます。ガッツリ歪ませたいときはTSを踏んでブースト。いい感じのクランチになります。使い勝手が良いです。


FOCUSというツマミが特徴で、所謂トーン的に効くことは効くのですが、イコライザーというより「歪みがどの帯域によく効くか」が変化する印象です。Effector Book Vol.32でのビヨン・ユール曰く、「これを弄るときは激しい音楽を演奏してください」とのこと。おそらく上げるとハイがギャンギャン言い始めるので強めの音に合うぞということでしょう。私は12時を基準に、トーンのつもりで上げたり下げたりしています。


ちなみに複数バージョンがあって、①ハンドワイアード版、②プリント基板版、③BASSとTREBLEツマミが加わってゲインが上がったDeluxe版の3つが出ていますが、私のはおそらく一番一般的であろう②のプリント基板版です。好きなペダルなので、機会があったら①と③も入手したいと思っています。



エレキギターを始めてしばらく、歪みペダルを物色し始めた頃、しばらく借りて使ったことがあります。


漠然と印象はよかったのですが、数ヶ月使っての感想は「あんま歪まないなこれ」という身も蓋もないもので、そのうちゲイン幅の広いBD-2に移行するに至りました。思い返すと当時、「せっかく金払って買ったんだからゲイン低いのは損だよな」などと考えていた記憶があります。比較的クリーン派な私でしたが、それでもギター初心者小僧にはゲイン量は正義のようです。


が、しばらく経って、BD-2のゲインを上げたときのザラザラ感が気になってきて、もう少し透明度の高い歪みがいいなと思い始め、所謂『トランスペアレント系』に目を向け始めたところで思い出したのが、以前使っていたSweet Honey Overdriveナチュラルさでした。


一度だけFenderの15Wアンプのボリュームをマックスにして弾いたことがあるのですが、そのときの歪み方に似てたなあれ、と。


ゲインの低さは相変わらずですが、ボードを組み終えた後だったので、ゲインを上げたいときはTSでブースト、ディストーション的な音を出したいときはSL Driveを使えばよいと思い、池袋のイケベGET STOMPで新品特価品を発見、購入。以来延々とこいつを使い続けています。最近はファズを使うとき以外、ほぼオフにすることがありません。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20200120021127j:image

 

購入時についてきた謎の御守り。



とりたて好きなギタリストが使っているということはありませんでしたが、自分の求める音に合うペダルを自分で見つけて長く使っているということで、結構なお気に入りです。


…などと書いたところで、小原莉子のボードにFOCUSツマミマックスで入っていたことを思い出しました。おそらくブースター的に使ってるのではないかと思います(最近は2時くらいで落ち着いているようです)。

Martin 000-18 Standard.

Martin 000-18 Standard.


2018年製のマーチン、000-18のレギュラーモデルです。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191205120159j:image
f:id:hurryharryhurryblog:20191205120210j:image
f:id:hurryharryhurryblog:20191205120207j:image
f:id:hurryharryhurryblog:20191205120202j:image


歌のバックでガンガンに使えるギターを探しており、行き着いたところがこいつでした。サクサクしたアタック感のあるギターです。

 


トップ材はスプルース。サイドバックとネック材はマホガニー。指板材はエボニー。ボディーサイズがドレッドノートよりやや小さい点が特徴です。


ボディーサイズは、クラプトンがMTVアンプラグドで使った000-42や、ジョンメイヤーのシグネチャーモデルの基であるOM-28と同じ、000タイプです。000とOMの違いはネックスケールで、OMはドレッドノートと同じ645mm、000はそれより13mm短い632.4mm。一般に、000の方がテンションも音も柔らかめで、どちらかというとソロギター向きと言われています。なお、Martinのボディーサイズは1、0、00、000及びOM、Dの順で大きくなります。わかりやすいようなそうでもないような。


木材は、アコースティックにおいてはスプルース・マホガニー、スプルース・ローズウッドのいずれかが主流ですが、Martinでは18モデルが前者、28モデル以上が後者です(15というオールマホガニーモデルもあり)。一般にマホガニーの方が中域に寄り、ローズウッドの方がレンジが広いと言われます。が、これは弾き手のタッチに寄る気もしています。


歌のバックならD-28やGibson J-45やJ-50のイメージが強いですが、ドレッドノートが自分にとってデカ過ぎたこと、もう一本持っているギターのサイドバックがローズウッドだったことから、最終的に000-18を選択しました。OMではなく000を選択したのは、テンションが柔らかい方が好みだったことと、後で書く通りJulian Lageへの憧れです。言うて、少々の音の傾向の違いは弾き方でコントロール出来るだろうという考えもありました。


ボディーも小振りで取り回しも良く、伴奏でアコギを弾くときには、アルペジオでもストロークでも、とりあえずこいつを使っています。


一番気に入っている点は、アタック感と音程感の程よいバランスです。


先に「もう一本持っているギター」という話をしましたが、000-18を買う前年、紆余曲折あってLowden F-32Cを購入しました。これがまた倍音が響きまくるピアノみたいな音でして、とにかく響いて鬼のようにサステインがあるという、バカ排気量のくせに上まで回るNAエンジンみたいなギターです。


ストラトや000-18みたいに「ピッキングで鳴らす」感覚ではなく、「弾けばびんびん響く」ギターであります。


ギター単体で考えれば超絶結構な話で、響きのきれいなソロギターなんて弾こうものならそれだけで日々のストレスが消えていくレベルなのですが、歌の伴奏に使うとなると、倍音なのか共振なのかがグワングワン響く印象でして、自分の中でコントロールし切れないこともあり、


「もうちょっとアタック感が先に来るアコギらしいアコギもほしい」


とはずっと考えていました。贅沢な話です。 


※伴奏でローデンを鬼のように操ってるギター弾きは結構おり、弾き手が上手く扱えれば基本どんなギターでもどうとでもなるものだとは思っています。どちらかというとイメージとロマンと物欲の問題です。


思うにアコースティックギターというのは、「響き重視のギター」と「アタック重視のギター」にタイプが分かれる気がするんですよね。前者がヨーロッパ系、後者がアメリカ系。後者の代表格がギブソンだと思っています。ザクザクと鳴る。


マーチンはこの辺りのバランス感が好きで、アタック寄りだけどイントネーションが綺麗というか、高域のキラキラが強過ぎないというか、イメージする「ちょうどよいアコギの音」が鳴ってくれます。特にマホガニーボディーの18モデルは。


なお高域のキラキラを突き詰めたギターがTaylorだと思っていますが、……このままだと話がどんどんズレるので本題に戻ります。000-18の話です。



歌の伴奏だ何だと言いながら、000-18を知ったきっかけは実のところJulian Lageです。

 


Julian Lage - "40's" | Fretboard Journal


ちょうどWorld’s Fairという、1938年製の000-18一本で弾き切ったソロアルバムを出した辺りで知ったので、私にとってジュリアンといえばリンダマンザーよりテレキャスターより000-18の人です。操り切っている…。


ジュリアンの化け物じみたコントロール力に依っているとは思いますが、一聴して感じた000-18の印象は先に述べたバランスの良さで、ソロを弾いていたにも関わらず「歌に合いそう」と思ったのをよく覚えています。実際クリス・エルドリッジとのデュオで使ってますし…。


その後、Collingsからジュリアンの愛機を基にしたシグネチャOM-1 JLが発売され、000-18モデルが再度注目を集め始めた辺りで私の物欲が爆発。具体的な出物を求めて物色を開始いたしました。



買うとなると、選択肢は大まかに下記の5つです。


①現行品の新品を買う

②近年モデルの中古を買う

③ビンテージを買う

④Collingsやプリウォーギター等のコピーモデルを買う

⑤000-18以外を買う


結論から述べると①を選んだわけですが、わりと早々に①か⑤までは絞り込みました。


まずビンテージは最初に選外へ。予算オーバーな上に、エレキでもマイナートラブルが出やすいビンテージを、ましては諸々繊細なアコギで手を出す勇気がありませんでした。電装系ならともかく木部にトラブルが出ると自分じゃ手が施せません。


続いて除外したのがハイエンドコピーモデル。Pre-War guitars、Collings共に000-18モデルを試奏させてもらい、どちらも印象は良かったんですが、同時に抱いた感想は「これが果たして必要なのか」ということでして。


今回の目的が「歌のバックでガンガンに使えるギター」であり、変に値段が高過ぎると使うときに遠慮が出るし、あまりに鳴り過ぎると主張が強過ぎて邪魔になるんじゃないかと思うに至ります。また、Pre-WarやCollingsは、強く弾いたときの反応がやたらと良いですが、弱く弾いたときの印象は現行品とほぼ同じという、閾値の広い、「最初から鳴る新品ギター」という印象でした。大体においてこの辺りの閾値は弾き込んでいくと広がっていく印象があるので、方向性が同じなら値段も安いレギュラーモデル買って弾きまくった方が楽しいんじゃないかと。


同様の理由で中古も除外。加えて、Martin本家の000-18が2014年からのモデルチェンジしたことが決め手でありました。


音がどうなのかは不明ですが、見た目でいうと、


・塗装が飴色のグロスフィニッシュに

・ピックガードが鼈甲柄に

・ペグがオープンバックのバタービーン


と、要するにビンテージスペックに変更された為、ジュリアンの1938年製を見て000-18に憧れた人にとっては嬉しい変更だと思います。


以上を踏まえた上で、クロサワ楽器御茶ノ水駅前店にてトップの杢目が比較的好みだった000-18を発見。試奏してみると、マホガニーのイメージ通り、レンジが独特で強めのピッキングが合う、ストロークが気持ちいいギターでした。ドレッドノートと比べて特に音量不足も感じず、Pre-WarやCollingsに比べるとパワー不足は感じましたがイメージは当然ながら近いものがあり、単純に印象も良かったので、試奏の勢いそのままに購入を決意しました。


まさか買う気とは思われていなかったのか、店員さんも「何本か取り寄せて弾き比べも出来ますが」と言ってくれましたが、球数がない時期だったこともあり辞退。十分にこれで良い旨を伝えてそのままお持ち帰りとなりました。



買って一年程使い倒しましたが、ネックも反らず特に不具合もなく、元気にガンガン鳴ってくれています。


強いて言うなれば、伴奏をやりまくっていた時期に「自分の好きな、歌と合わせたアコースティックギターの弾き手って、みんなギブソン弾いてたな」とふと思い出し、ギブソンに興味を持った時期がありまして(ex:James Taylor奥田民生佐橋佳幸、堀越信泰)。アホ程弾き込まれたJ-45の中古を弾いてみたところ、「強いピッキング」に対する反応が鬼のようによく、少し心がグラつきましたが、冷静になって帰宅後、000-18を同じように強めに弾いてみたところ、ほぼ同じ音がしました。音程感よりアタックが先に来るイメージ。


ので、000-18、J-45の音をイメージして弾くとJ-45っぽい音になるギターだと思います。振り幅が広い。

 


最後に。購入後、マーチンクラブとやらに登録をしたところ、マグカップが届きました。地味に嬉しいですよねこういうの。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191205120248j:image


会社で愛用してます。

Focusrite Scarlett 2i2 Studio.

2019年の年始、思い付きでマイクとオーディオインターフェースを購入しました。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113222510j:image


◯Focusrite Scarlett 2i2 Studio

オーディオインターフェースScarlett 2i2

コンデンサマイク…CM25

・ケーブル…XLRマイクケーブル(3m)

・ヘッドホン…HP60

DAWソフト…Pro Tools・Live

 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/263473/


インターフェース、マイク、ケーブル、ヘッドホンがセットになった、フォーカスライトのパッケージ商品。DAWソフトもバンドル版が付いてきます。あとはこれにマイクスタンドを追加で買えば、即録音編集が可能という便利な代物です。


ツイッターにて、毎週毎週ギターを弾いては上げ続けることを続けて2年。大分エレキにも慣れてきたのでそろそろちゃんとした録音を、と思い立ち、年始セールの続くイケベ楽器リボレ秋葉原店にふらりと出向いて購入。丸一日の悪戦苦闘を経てセットアップを終え、とりあえず音が録れることを確認してからしばらく放逐していたのですが……、これのおかげで、ギター入れのお誘いをもらったとき二つ返事で請け負うことができました。

 

3020 SOULS - The Light by ロンリーポップ.records on #SoundCloud

 

 


初録音となったThe Light (cover) / 3020 SOULS。ビートとピアノと歌のデモ音源の時点ですでにソウルフルであり「これに混ざるのか……」と戦慄したことを思い出します。なんやかんやアウトロのソロは会心の出来です。


これをきっかけに録音軍団・3020 SOULSにギター弾きとして参画させてもらい、録音環境が整ったおかげで狙っていたバンドにも入らせてもらうことにもなりました。思い付きでも何でも買ってみるもんです。



まずもって普段あまり行くことのないイケベのリボレ秋葉原に買いに行ったのは、楽器屋の中で知る限りあそこが一番マイク・インターフェースの品揃えが良かったからです。


宮地楽器神田店もDTM機材は強いと聞きますが、あそこはプロ御用達のようなので、「ダ、ダダDAWソフト…? ってやつが、ほ、ほほ、ほしいんですけどど」みたいな感じで行こうものなら取って食われるんじゃないかという恐怖もあり(当然にそんなことはないと思われる)、手頃な価格帯の機材が多かったように思えるリボレに行くことにしました。


結果的にこれが正解で、DTMコーナーにいた店員さんに尋ねたところ懇切丁寧に教えていただけました。


最初はコンデンサマイクオーディオテクニカのAT2020を、インターフェースにSteinbergのUR22mkIIと、とりあえず鉄板どころを買おうと思っていたところ、「0から揃えるならこっちのがいい」と店員さんが勧めてくれたのがフォーカスライトの入門セット。


「あ、でも僕ヘッドホンは持ってるんですよね」

「何持ってます?」

オーディオテクニカのATH-M50です」

「なるほど。それ、音はいいですけど、ずっと付けてると耳痛くなりません?」

「……言われてみれば」

「密閉型ですからね。これについてくるやつは開放型なので、付け続けてもかなり楽だと思いますよ。音も悪くないですし。録音時にこちら、リスニング時にオーディオテクニカ、と使い分けも出来るんじゃないかと」


これは本当に言われた通りでした。録音編集時は半日付けっぱもザラですが、全く痛くなりません。


「ただバンドルのソフトがちょっと。SteinbergCubaseで、FocusriteはPro ToolsかLiveですよね」

「です」

Cubaseは前にちょっとだけ弄ったことがあるので、出来ればCubaseの方が……」

「触ったことあるんですか?  それならお客さんの言う通り、経験あるソフトの方が始めやすいと思いますね。音が出なくて挫折した、なんて人の声も聞きますし。Cubaseは情報も多いから詰まる事も少ないですし。ーーまあ、私は好きですけどねフォーカスライト」

「何故ですか?」

「お客さんファイブスター物語って知ってます?」

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113222644j:image

 

脳裏をよぎるコマ。


「やっぱりフォーカスライトにします」

「マイクプリを買うことがあればニーヴ系をオススメしますよ。それじゃレジまで」


なんか聞き覚えがあるなこのメーカー、と思ってたんだ。永野護、こんなところからと名前取ってたんですね……。


もちろん決め手はこれだけではなく、友人のエレクトロニカ好きがライブ時にAbleton Liveでループを操りながらギターを弾いている、と話していたことを思い出したからです。


エレキに移行してからひたすらルーパーと付き合ってきた人間からすると、Liveは合うんじゃないかと思うに至ります。たしかねごとの沙田瑞紀女史も使っていたような。


 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223605j:image


Ableton Live Liteは、デモ版らしくオーディオトラック数こそ8までと制限があるものの、インターフェースが性に合っていたのか操作に迷うこともなく、カーソルを合わせると左下にオートでヘルプメッセージが出る、右側にデフォルト表示されているヘルプメニューが分かりやすいと、想像以上に使いやすかったです。


立ち上げて最初に表示されるのが、アレンジメントビューではなく、Liveの特色であるセッションビューなので、この画面から何をどうすれば普通のDAWソフトっぽい画面に行くのか、というところさえ突破できればあとは直感で行けると思います。ちなみにビューモードの切り替えは右上の三本線のボタンです。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223222j:image


周りがギター弾きよりビートメーカーの方だらけになって来たので、今後何とかセッションビューをうまく使っていきたいと思います。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223300j:image


マイクは、アンプのやや右端寄りを20cm程度離して狙っています。


柔らかめのクリーントーンを録ることが多いのでこの位置に落ち着きましたが、今後歪みが増してきたり音抜けを狙うときには、買い足したダイナミックマイクのSM57をアンプ真ん前で試してみようと思います。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223339j:image
f:id:hurryharryhurryblog:20191113223334j:image


アコギ、ガットを録るときに、適切なスタンドがないので、JC-22を移動させてスタンド代わりに使っています。狙いはサウンドホールの距離30cmくらい。こちらも「12フレットあたりを狙うと低音がダブ付かず抜けが良い」と聞きましたが、ボサノバの伴奏だったり歌とギターだけになる部分だったりを録ることが多いので、今のところ空気感が録れるサウンドホール狙いを多用してます。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223417j:image

 

あまり機会はないですが声を入れるときはこんな感じです。フレキシブルなスタンドを机の端に固定し、風防をクリップで付けてます。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191113223547j:image


最後に。フォーカスライトのセットに合わせ、MIDIキーボードとしてKORGのMICROKEY-25を購入し即席のDTM環境を整えたはいいものの、Live Light内蔵のソフトシンセとドラム音源が鳴らせることを確認し、1分程度の何とも適当なデモを録って「すげーすげー」と感動してからはろくすっぽ使っていません。マイクとインターフェースとDAWソフトのみの、完全なギター録り道具になっています。今後はもう少しDTMツールとして使っていきたいところです。

小説「シンドローム」について

学生の頃から小説を書くのが好きで、今でも長編を一本つらつらと書き続けています。


シンドローム | hurryharryhurry #pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/1107266 


主人公は中学校の剣道部員で、「人の頭の上に雲が見える」「試合中稀に幽体離脱をする」という二つの妙な体質を持っているものの、特に気にせず、小さな頃から竹刀を振り続けてきました。


ある日、夏休みの直前にナツメという転入生がやってきます。


私立の強豪校からの転入生である彼女は剣道部に仮入部しますが、主人公はそこで、稽古中に彼女が「離脱」するところを目撃します。


以降、夏休みから二学期スタートまでの1ヶ月半で、主人公、ナツメ、そして小さな頃から剣道を続けてきた部員たちの間に、「変化」が少しずつ感染症のように広がっていく、という話です。


テーマは「続けること」と「やめること」と「考えること」。


書きたかったのは「文化部のような空気感を持つ運動部」、「学校の図書室という謎空間」、「中学二年の夏休み」です。


米澤穂信の「古典部シリーズ」の雰囲気で、恩田陸の学園モノみたいな話を、もうちょっと成長しきっていない登場人物でやりたかった、といえば何となくのイメージは伝わるのではないかと思います。


また、これ以前に書き上げた中編「彼女の空中散歩」にて、埼玉県と千葉県と東京都の中間に展開する仮想の街、「水保市、虹ヶ丘市、風森市の三市街」という舞台が出来上がったので、その場所のイメージを膨らましたかった、という動機もあります。


2019年または2019年度で完成させられればと思いながらつらつらつらつら書き続けているので、お時間のある方はご笑覧いただければ幸いです。

 

追記:

タイトルの「シンドローム」はGOING UNDER GROUND の曲名からです。好きな曲で、語幹もよく、主人公たちの間にあるものが感染症のように広まっていくところからちょうどよかろうと拝借しましたが、歌詞等との関係は特にありません。ありませんが、色合いというか、雰囲気は思いっきり影響を受けていることに今気づきました。登場人物がまだ幼い感じと、淡い色合いみたいなイメージが。

 


〈あらすじ〉


僕の中学二年の夏休みは、地区予選で恭介に負けたことから始まり、九月一日にナツメが転入してきたことで終わる。

転入生、ナツメの奇妙な不安定さは、僕らの間に、まるで感染症のように広まっていって――。

ちょっと不思議な剣道部の、いつもより賑やかだった夏休みで起こる、図書室と雲と幽体離脱の話。


シンドローム | hurryharryhurry #pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/1107266 

エフェクターボード(2019年10月時点)

ギター弾きのエゴと浪漫と欲望の結晶体、

エフェクターボード。


こんなに人間のエゴが詰まったもの、この世に数多溢れる演奏ツールの中でもそうそうないと思います。足元に並ぶカラフルなペダル。歪みの選択やツマミの位置で、弾き手が何をやろうとしているのか見る側に想像させてしまう異様な情報提示力。魅力です。


アンプ直のどダイレクトさも好きですし、最近は足元にHX Stomp一発という人も多くて、大体においてそういう人の方がどストレートに良い音を鳴らしてる気もするのですが、私は未だにアナログペダルが並んだ人様のボードを眺めるのが好きです。


エレキギターを本格的に弾き始めて4年。エフェクターが増えてボードに並べて以来、宅録時もバンド時も練習時もほぼほぼこのラインナップなので、わりと最初の頃から方向性は間違っていなかったのだろうと思い、これを機にまとめておこうと思います。


 

f:id:hurryharryhurryblog:20191029211046j:image


①TS808 / Ibanez (オーバードライブ)

②Sweet Honey Overdrive / Mad Professor 

(オーバードライブ)

③Fishing is as Fun as Fuzz / Ninevolt Pedals (ファズ)

④Aqua Puss Mk 2 / Way Huge (ディレイ)

⑤SCH-Z / Arion (コーラス) 

⑥TR-2 / BOSS (トレモロ)

⑦Bluesky / Strymon (リバーブ)

⑧RC-1 / BOSS  (ルーパー)


◯ボード…EBB1-L / Music Works

◯電源…AC/DC Station 4 / Custom Audio Japan

◯パッチケーブル…SL-8(Nickel) / Free the Tone

◯ギター…主にストラトタイプ (たまに気分でレスポールなどなど)


漢の直列8発です。


※速いディストーションの曲を弾くときには、③ファズをディストーション (SL drive / Xotic)に変更してTSでブーストします。


※カッティングで押し切るような曲をやるときには、①TSをコンプ (Home Run King Comp / Ninevolt Pedals)に変えてます。

 

※音はストラトの紹介記事掲載のYouTube動画あたりをご覧ください。


 

コンセプトは『クリーン主体。後は大体これで出せる』です。


基本はSweet Honey Overdriveをプリアンプ的にかけっぱ、ボリュームとトーンを若干絞ってフロントクリーンを出してます。


装飾音を入れるときにはディレイ・コーラス・トレモロを気分でオン。ビル・フリーゼルみたいな音を出して遊んでます。


歪ませるときとテンションがぶち上がったときは、TSでブースト。John Mayerの音を狙ってます(出るとは言ってない)。


バーブは、全ツマミマックスでキルドライ、ボリューム奏法でストリングスみたいなロングトーンを出すのに使ってます。ノーマルの残響リバーブは基本アンプ側かDAWソフト上でかけてます。

 

元々はルーパーで遊ぶ為に作ったボードなのですが、どこまでも使い勝手が良く、重宝してます。飽きないです。



使用頻度は低いですが、肝はTSとリバーブだと思います。


TSはホント一家に一台レベルで便利です。ゲインを上げて単体で使ってもおもしろいですが、一番はやっぱりブースター使用です。TSの鼻づまり感解消のためトーンは上げ目、ボリュームマックス、ゲインは最小レベルで、前段の歪みをブーストすると抜けます。超抜けます。なんでこいつは単体で使うとミッド命の何とも言えない音がするのに、ブースター使いすると抜けてくるのか意味がわかりません。

 

TS独特のコンプ感にも最近慣れてきました。TSオン時は普段より強めに弾いて、ピッキングでゲインを上げてやるのがコツだと思います。ハイの歪み成分が出て音が抜けてくる気がする。


続いてリバーブ。ルーパーで遊んでると、こいつが一番楽しいです。ギタリストの憧れる音は、サスティンが延々と伸びるクリーントーンだと思うんですよね。それが出来ないから世のギタリストはゲインを上げてきたわけで。


キルドライ及びボリューム奏法のリバーブは、このカタルシスを一撃で解決します。一小節分のループに、適当な和音のボリューム奏法を加えるだけで世界観が一変します。トム・ミッシュっぽいことをやりたくて使っている奏法です。まあエレハモのフリーズ買えって話なんですが……。


最後はルーパーです。「人と合わせられない間のリハビリ相手」として買ったルーパーですが、これのおかげで毎日ギターを触るのが楽しくなり、リードだけじゃなくオブリを練習するきっかけにもなりました。DTMに憧れるギター弾きはインターフェースやDAWソフトを買うより扱いやすいルーパーを一台買うのが一番じゃないかと思います。もれなく展開が苦手になりますが…。


※近年展開の苦手さは、端からルーパーにコード・リズム展開のあるフレーズを吹き込むことで解消を試みています


 

以上、個々のエフェクターは時間のあるときに題材にしようと思いますが、エフェクターボード全体に関するまとめです。

 

クラプトン、ジョン・メイヤー、トム・ミッシュが好きな私ですが、片鱗は感じるでしょうか。Aqua Pussをど真ん中に据えているところでメイヤー熱が伝われば幸いです。

 

このレベルなら持ち運びも便利なので、しばらくはこの編成であっちやこっちや出張っていこうと思います。

 

 

追記:

 

ボードをMUSICWORKSのEBBにしたのは、固定方式がマジックテープであったからです。

 

当時すでに使うエフェクターは固定されてきており、メインで使うペダルを売ることはそうそうなかろうと、筐体の裏にマジックテープを貼ることに抵抗はありませんでした。マジックテープ固定なら気分で入れ替えるのも楽そうだとも思いましたし、それは実際その通りでした。たまにTS808をTS-9にしたりして遊んでいます。

 

なお、持ち歩くときにペダルのズレを防ぐ為にクッションで固定する人が多いと聞き、今のところ下記のように対応しています。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191030234256j:image

 

これを、


f:id:hurryharryhurryblog:20191030234259j:image

 

こうして、


f:id:hurryharryhurryblog:20191030234252j:image

 

こうです。これでぶん回してもそうそうペダルはズレません。

 

澪ちゃんのぬいぐるみは遥か昔にゲーセンでゲット。Roseliaのクッションは最近秋葉原ラムタラメディアワールドで購入しました。買ったときはノリノリでしたが、先日新しいバンドの初練習に持ち込んだときはさすがに羞恥心が生じまして、さっと出してさっと仕舞い事なきを得ました。ちなみに私は紗夜さん推しです。くどはる可愛いよくどはる。

新山、シルビアのターボに乗る。その2。

首都高6号線から小菅、堀切ジャンクションを経由してC2に入り、湾岸道路を目指します。


即位礼正殿の儀の当日でC1が封鎖されており、交通量がどうかという心配していましたが、幸いなことにスッカスカです。こういう日はかえってみんな上を使わないのか。快走路のC2を、Spec-Rがタービンの回転音をキーンと響かせながら走っていきます。


「それにしても速いね」

「速い。てか、前に出てほしいタイミングでのダッシュ力があるから、結果的に速く感じるんだよね」


そういえば新山さん、コペンに初めて乗ったときも「速い」と言っていました。いつだったか、ボクスター乗り(タイプ986・NA)に運転してもらったときにも、出てきた感想は「思ったより速い」でした。排気量はそれぞれ2.0と2.6。コペン何倍あるんだって話です。


よくよく考えればこういうときにいう『速さ』とは速度のことではなく、踏んだときの加速力のことを指すことが多いんだろうと、今更ながらに実感しました。そもそもこのときも普通に法定速度で巡航中です。普段何気なく口にしてる言葉って、意外とイメージが曖昧なまま使ってたりするもんですね……。


「ちょっと無理やりだけどさ」

「何すか」

「ターボがハムバッカーで、NAがシングルコイルって感じがする」

「……そりゃまた思い切った喩えだね。ああ、でも分かる気がするな」


ギターのピックアップの話です。新山さんは基本フェンダー系シングルコイルのギターを愛用していますが、私はわりとレスポールストラトを取っ替え引っ替えする方なので、新山さんの喩えは思いのほかしっくり来ました。


「踏んだときのダッシュ力って意味でパワーがあるターボと、踏んだときも抜いたときもアクセルの反応が機敏なNA。ピックアップの出力が高くて纏まった音が出るハムと、ピッキングに気を使わないと良い音が鳴りにくいシングル。ーーなるほど、ちょっと似てる気がするね」

フライホイールの件があるから、ターボとNAっていうよりオーテックバージョンとSpec-Rの比較の面が強いけどね。ーーただこれ、全開走行になると多分ターボの方が手強いのかな?  トルクがある分、下手な踏み方をしたら空転しかねない気がする。それでも、サーキットとか行かずに普通に走る分には、楽なのはターボ、楽しいのはNAって感じだね」



大黒パーキングに到着。


夜は閉鎖されてばっかりなので、来るのは久しぶりです。車を停めると、新山さんはダッシュボードを開けて、いそいそと車検証を取り出します。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027230319j:image


「……レンタカー借りて車検証とメンテナンス簿読み出すやつ、そうそういないと思うんだけど」

「そう?  某ブラックバードさんも『車検証見れば大体のことがわかる』って言ってたじゃん」

「ありゃ車の大きさと前後重量配分の話でしょ。これどっちも同じじゃん」

「いやまあそうなんだけどさ……。どっちかというとメンテナンス簿が気になって。結構マメにメンテされてる感じがしたから、どんなもんかと思って」


言われてみれば、ボディーはやたらとキレイだし、ワックス掛けもされているようで手触りもよかったし、窓はやたらと雨を弾きます。レンタカーで酷使されているにしては、やれた感じがありません。


「……7月のメーター記録があった。すげえ、3ヶ月で10,000km以上走ってる。結構乗られてるんだなこの車」

「さすがに人気だねシルビア。それと、今気づいたんだけど、随分遠くから来たんだねこの車」


車検証入れを見ると、本州の端っこ辺りの日産ディーラーの名前が入っていました。


「うわホントだ。おれのは関東圏内で乗られてた個体だけど、こうして見るとなんか感慨深いな。初年度登録は……、平成11年か。最初期型だこれ」


しばらく内装外装をあちこち調べていきます。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027230350j:image


「お、バニティーミラー付いてんだね」

「そうなんだよ。シルビアのバニティーミラー、途中の年式からオミットされてるんだよね。おれの後期仕様だから付いてないんだよ」

「え。何それ。普通、内装仕様って増えてくもんでしょ。減ることなんてあるの?」

「要はコストダウンだよね。日産車、2000年に入ってからこういう地味なところの仕様が消えていくんだよ。ちょうどゴーンさんが入った時期だし、当時の経営状況を偲ばせるよね。ーーあとこれ、この音」


鍵を刺したままドアを開けると、キー抜き忘れの警告音が鳴ります。


「あ、音が違う」

「昔はこの音なんだよね。ポーン、ポーンって。今のはピピピピ、ピピピピ。この時期に変更されてるんだよ」


詳し過ぎます。

 

一体どこでこういう情報を得るのか。いつぞや、圏央道で遠方を走るプリメーラのウイング形状から「ありゃオーテックのだね」と判別した辺りから薄々感じてはいましたが、やっぱりこいつ、筋金入りの日産党だと思います。本人は頑なに認めませんが。


 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027230418j:image


大黒パーキングの名所、ベイサイドレストランにて、名物のサンマーメン辛味噌炒めラーメンを食い散らかし、のんびりと帰路につきます。ここのラーメン、量がやたら多くて味も旨くて好きです。

 


「いやーおもしろかった。どうですか、NAとターボ比べてみて。ターボ狂になった?」

「最初危うくなりそうだったけどね。……そうだなあ、やっぱりNAでよかったかなあ」


しみじみと語る新山氏。


「街乗りが楽なのは間違いなくこっちで、高速乗ってても6速巡行から加速できるし、踏めばやたら速いし、かなり印象はよかったんだけど。ーーここまで速くなくていいなってのが一番の感想かな。安楽さはこっちの方が上だけど、安楽さを求めるなら、別にシルビアじゃなくても良い気がするし。NAはやっぱり、ナチュラルでバランスがいいっていうのがよく分かった。いや乗ってよかったよ」

「乗り換え考えてたのに、まーたオーテックに愛着湧いちゃいそうだね。まあホントのかったね。……あとさ、今気づいたんだけど、おれ、この車ちょっと酔いそう」

「あ、やっぱり?」


高速巡行中、ふらふらと視線がブレる感覚があります。


「直進安定性はおれのやつの方がいい気がするな。おれのシルビア、サスペンションNISMOのに換えたり、ゴムブッシュ新しくしたり、剛性上げるためにあれやこれや試してたんだけど、あれは改悪になってなかったんだな。今回それが分かったのもよかったよ」


 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027230908j:image

 

無事愛車の元に辿り着いた新山氏。大変に楽しかったです。おれも今度またロードスターでも借りようかな…。

 

 

今回のオチとしては、これで少しは新山さんの乗り換え欲も治るかなと思いきや、それとこれとは話が別だったということです。最近は満足のいく出物もないようですが、果たしてどうなることやら……。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027231802j:image

 

終わります。

新山、ターボのシルビアに乗る。その1。

何度か書き記している通り、地元の友人新山の愛車であるシルビアS15は、オーテックバージョンという比較的珍しいモデルです。


日産の特装車製造を手掛けるオーテックジャパンによるカスタムモデルで、車検証にも「GF-S15『改』」とバッチリ刻まれている、言ってみればお上の認めた改造車です。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191026055840j:image


※車検証の型式番号にバッチリと刻まれている『改』の文字


その最大の特徴は、一般的なシルビアのイメージに反する『NAチューンドモデル』であること。


つまるところ新山の愛車は、「高回転までぶん回して楽しい車」として開発されており、「高回転域での伸びにギア比を振っている」ということは、逆に「低速トルクを大なり小なり犠牲にしている」ことも意味し、この特性が新山を「次乗る車は街乗りと高速巡行が安楽な車」という思考に向かわせている一旦であると私は思います。


となると、「じゃあ逆にターボモデルはどうなのか」という話になってきます。新山曰く、


オーテックバージョンについて改めて調べてみたら、やっぱりターボのSpec-Rと比較されてることが多くてさ。読んでて気づいたんだけど、おれターボ車ほとんど乗ったことないんだよ。それこそ梁井のコペンと、先輩の34Rをちょろっと動かしたくらいで。ーー同じ車で、同排気量のNAとターボを乗り比べる機会なんて早々ないと思うんだけど、……よくよく考えたら、シルビアはそれが出来るんだよね」


おもしろレンタカー。

https://www.omoren.com


千葉県野田市に本店を構えるスポーツカー・MTカーに注力したレンタカー屋で、それこそRB26エンジンのGT-R三世代からアルトワークスまで、おもしろいところだとジムニーからガヤルドまで、「気になるけどなかなかじっくり乗る機会がない」車のラインナップが魅力です。私が車選びの出発点にNCロードスターを借りたのも、86を借りたのも、購入前の決心の為にコペンを借りたのも全部ここです。大変お世話になりました。


S15も当然のようにラインナップされており、グレードもやはりというべきか一番人気のSpec-Rです。


「というわけで、シルビアに乗り続けるにせよ乗り換えるにせよ、『ターボがどんなものなのか』はちゃんと知っときたいと思いまして。ふと見たら次の休みの予約が空いてたんで、6時間コースで借りてみることにしました。暇なら大黒あたりまで一緒にどうすか」


以上が、シルビア(NA)に乗ってシルビア(ターボ)を借りにいくという、珍行動の経緯となります。


同排気量で、違いはターボの有無とそれに伴うチューニングのみ、という二車の比較は中々に出来ない体験だと思いますし、せっかくなので書き残しておこうと思います。



おもしろレンタカー野田店。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191026002640j:image


「大黒パーキングかな?」

「変な笑いがこみ上げてくるね、この車の並び」

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191026003444j:image


しれっと置かれているランボルギーニガヤルド。異彩を放っています。


スタッフのおねーさんが案内してくれます。シルビアに乗ってシルビアに乗りに来た新山に特に突っ込むことはなく、ただちらっと新山のオーテックに目をやっては「私の15とホイール一緒です」なんてことを話しており、「やっぱそういう人が働いてるとこなんだなあ」としみじみ感じ入ります。

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191027230654j:image
f:id:hurryharryhurryblog:20191027230649j:image


「こちらですね。操作方法は…、多分大丈夫ですよね」

「まあ同じですからね。ETCの場所だけ教えてもらえます?」

「運転席側右手、ブースト計の下です。あとは、バックミラーのところにドラレコが付いてますので、そちらには触らないようにお願いします。雨が降ってますのでアクセルは急に開けないようにしてください。ターボですし、ガバッと開けると空転することもありますから。それではお気をつけて」


……


野田店は住宅街の真っ只中にあるので、通りに出るまでは細い路地を抜けていきます。微速前進しながらファーストインプレを話し合う新山とナビシートの私。


「こうして徐行に毛が生えたレベルで動かしてる限りじゃ、特に何も変わらないね」

「まあね。でも普段と同じ車ってのは、こういうとき助かるな。車両感覚も同じだし、エアコンの操作とかもブラインドで出来るから運転に集中できる」

「欲かいてGT-Rとかにしなくてよかったよね……。にしても、運転席はステアリング違ったりシフトレバー変えてたりするから諸々違うんだろうけど、助手席の光景はあまりにいつも通り過ぎて不思議な感じ」

 

f:id:hurryharryhurryblog:20191026003554j:image


いつもの光景。


「運転席は、あとシートの違いがデカイ。おれのレカロに換えてるから、久しぶりの純正シートなんだけど……、うわ、後方確認がしやすい」

バケットシートってやっぱり後ろ見にくいの?」

「ちょっとね。こうして久しぶりに戻ると、違いが分かるくらいのレベル。あとは、膝が余る。体制が崩れるから長く運転してると腰か背中にきそう。改めて比べると、レカロってしっかり固定されてたんだなあ」


そうこうしてるうちに大通りに出ました。右折して加速します。


「すごい! 前に進む!!」


身も蓋もないインプレです。

 

「このくらいの速度域だと助手席じゃよくわからないんだけど、違うもんなの?」

「違う。3,000~4,000rpm弱でシフトアップしても、普段より前に出る。このくらいだとまだターボの影響じゃないだろうけど……、うわー、そうかー、こんな感じかー」


往路にて、「今日1日でターボ狂になって『NAのシルビアなんてシルビアじゃないでごわす』みたいに言い出す人間になっちゃったらどうしよう」と戦々恐々としていた新山さんですが、最初の感触は上々のようです。へー、ほー、と声を上げながら一般道を進んでいきます。


「気に入ったみたいだけど、ネガの方はどうなの?  ターボはアクセル操作の反応、ワンテンポ遅れるっていうけど……」

「立ち上がりが遅れる感覚はたしかにあるね。踏み込んだときも、アクセルを抜いたときの反応もシルビアより遅いと思う。ーーただこれ、オーテックバージョンがわりとタイトだってのはあると思う。オーテックは軽量フライホイール入ってるから」

フライホイール?」

「クランクシャフトの回転を安定させる為の緩衝材円盤みたいなもん。これを軽くすると、まあ間違いなくエンジン回転数に対する反応はタイトになるわけですよ。梁井のコペン、アクセルの反応遅いって感じある?」

「特別には感じたことないね」

「それはターボの挙動が穏やかだからだと思う。シルビアも比較的穏やかなターボとは言われるんだけど、おれの場合、やたら軽いフライホイールが入ってる車に四六時中乗ってるから、尚更に『反応が遅い』って感じるのかな、と思うね」

「ははあ。じゃあ、やっぱりNAの方が扱いやすいのかね?」

「それがそうも言えなくてさ。少なくともおれが感じた限りだと、一般道で流す限りはこっちの方が楽だと思う。アクセルの反応が鈍いってことは、それだけダルな操作しても挙動が安定してるってことでさ。車の動きががギクシャクしないんだよ。疲れてるときなんか、アクセル操作が雑にならざるを得ないときとかあるじゃない。それこそ長距離ランの帰りの一般道とか……、そういうときは、絶対こっちの方が楽だと思うよ」


野田店から一番近いインター、常磐道の首都高寄り、流山インターに入ります。


「入ったね。安全運転でお願いしゃす」

「はいよ。加速しまーす」


キュイーン。


「おお」

「おおおおおおおお」


合流。さらに流れを見て追越車線に入り、何台かをやり過ごして、走行車線に戻ります。


「ち、違うね」

「うん、ただ、これはなんとも……」


運転席も助手席も感じたことは近しいようで、互いの感想を交換します。


ダッシュ力は間違いなくこっちのが上だわ。超速い。ただ……」

「2速でリミットまでぶん回したときの加速感はオーテックのが上だよね」

「だと思う。いやー、一般に言われてることの感覚が分かったわ」


曰く、


「トルクバンド問題だよね。比較的低回転からガバッと立ち上がるのがターボで、回転が上がってからの盛り上がりはNAの方が上。だから、上まで回した時の気持ち良さはNAだっていう」

「だと思う。最初のダッシュ力はびっくりしたけど、5,000rpm後半からの加速が伸びないから、総合的なダッシュ力はオーテックに比べてダルく感じた」

「単純だけど、よく書かれてる通りなんだね。ターボは中回転域からのダッシュ力、NAは回したときのリニアな反応かー。なるほどねー」


続きます。