ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

小説「シンドローム」について

学生の頃から小説を書くのが好きで、今でも長編を一本つらつらと書き続けています。


シンドローム | hurryharryhurry #pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/1107266 


主人公は中学校の剣道部員で、「人の頭の上に雲が見える」「試合中稀に幽体離脱をする」という二つの妙な体質を持っているものの、特に気にせず、小さな頃から竹刀を振り続けてきました。


ある日、夏休みの直前にナツメという転入生がやってきます。


私立の強豪校からの転入生である彼女は剣道部に仮入部しますが、主人公はそこで、稽古中に彼女が「離脱」するところを目撃します。


以降、夏休みから二学期スタートまでの1ヶ月半で、主人公、ナツメ、そして小さな頃から剣道を続けてきた部員たちの間に、「変化」が少しずつ感染症のように広がっていく、という話です。


テーマは「続けること」と「やめること」と「考えること」。


書きたかったのは「文化部のような空気感を持つ運動部」、「学校の図書室という謎空間」、「中学二年の夏休み」です。


米澤穂信の「古典部シリーズ」の雰囲気で、恩田陸の学園モノみたいな話を、もうちょっと成長しきっていない登場人物でやりたかった、といえば何となくのイメージは伝わるのではないかと思います。


また、これ以前に書き上げた中編「彼女の空中散歩」にて、埼玉県と千葉県と東京都の中間に展開する仮想の街、「水保市、虹ヶ丘市、風森市の三市街」という舞台が出来上がったので、その場所のイメージを膨らましたかった、という動機もあります。


2019年または2019年度で完成させられればと思いながらつらつらつらつら書き続けているので、お時間のある方はご笑覧いただければ幸いです。

 

追記:

タイトルの「シンドローム」はGOING UNDER GROUND の曲名からです。好きな曲で、語幹もよく、主人公たちの間にあるものが感染症のように広まっていくところからちょうどよかろうと拝借しましたが、歌詞等との関係は特にありません。ありませんが、色合いというか、雰囲気は思いっきり影響を受けていることに今気づきました。登場人物がまだ幼い感じと、淡い色合いみたいなイメージが。

 


〈あらすじ〉


僕の中学二年の夏休みは、地区予選で恭介に負けたことから始まり、九月一日にナツメが転入してきたことで終わる。

転入生、ナツメの奇妙な不安定さは、僕らの間に、まるで感染症のように広まっていって――。

ちょっと不思議な剣道部の、いつもより賑やかだった夏休みで起こる、図書室と雲と幽体離脱の話。


シンドローム | hurryharryhurry #pixiv https://www.pixiv.net/novel/series/1107266