ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

ORDINARY登場人物紹介

※登場人物はすべてフィクションです。

※こちらの記事は随時更新しています。
 
◯梁井 (はりい)
 
本稿の筆者。
名前の由来は高校時代の渾名とHNから。
1986年生まれ。埼玉県在住。
気の抜けたサイダーみたいな顔立ちをしている。外見上の特徴は眼鏡くらいしかないが、オープンカー乗りとなってから、私服時に帽子を着用するようになった(2015.4.29、日光宇都宮有料道路を走行中、風に吹き飛ばされて紛失しました)。
好きなものはビールとセブンコーヒー。趣味はギターと文章執筆とスナップ写真の撮影。
愛車はダイハツ・コペンローブ (5MT)。2014年に新車で購入。当時出ていたスポーツタイプの車の中で、一番気楽に運転できた車だったのが購入の決め手。エクステリアより運転感覚で選んでしまったため、気に入ってはいるもののかっこいいとは思っていない。次の車は絶対見た目で選んでやるなどとボヤきながら、乗るたびに「やっぱりコペンでいいや」と思い直す日々。
愛器は長年探し回って購入したJames Tyler ClassicLowden F-32Cなどなど。ギターアンサンブルの経験が長かったせいか、エレキもアコギも座って指で弾く。Tender Heart Craftworksの名義で宅録音源をサブスクリプション配信している。
東京の会社で息も絶え絶えに働きながら、サラリーマンの普遍的日常生活を楽しんでいる。
2022.8.6、紆余曲折を経てBMW ALPINA B3 Biturbo Limousine F30型に乗り換え。優美なエクステリアと走行性能に毎週末酔いしれるも、散発的に襲いかかってくる故障対応と闘う日々。
 
◯新山 (にいやま)
 
梁井の友人。
1987年生まれ。埼玉県在住。
三白眼でへの字口。大体いつも飲んだコーヒーが思ったより苦かったときのような顔をしている。
梁井とは中学のクラスメイト。双方地元にいるためよく連んでおり、本稿への登場回数も多い。
愛車は日産・シルビアS15オーテックバージョン。エンジンのフケが悪いとボヤきつつも、「1,000万円あったら何の車買う?」という梁井の質問に対し、「シルビアをいじる」と答えた筋金者。
所有バイクはホンダ・CB400SS(2017.8.11、ホンダ・Xelvisという本人曰く「珍車」に乗り換える)。
休日に遊びに行くと部屋からマーシャルの音が響いているか、車をいじっているか、遠くへ出かけているかのほぼ3択。
愛器は生まれ年製のFenderストラトキャスター、他多数。ジミヘンと木村カエラ奥田民生を愛する。
サンバーフーガサファリを経て、2022.8.6、BMW ALPINA B3 3.3 Limousine E46型 (6MT)を購入。夜な夜なDIY整備に精を出す日々。
 
◯土井 (どい)
 
梁井の会社の先輩。
1973年生まれ。愛媛出身。
広島で学生時代を過ごしたにも関わらずスバリストで、86を86と呼ぶとBRZと訂正してくる。ターボ好き。
彼の中で土曜日は出勤日となっており、朝になると普通に会社に現れ、夕方にはアイドルのライブを拝みに行くため知らぬ間に消え去っている。
愛車はスバル・インプレッサWRX。GDAだが、インタークーラーを載せ替えるなど、GDB仕様に改造済。通称ドイプレッサ。新車で買って総走行距離12万km超。「車検通しちゃったから乗るしかない」とボヤきつつ、さらりとミッションを載せ替えていたりするあたり、乗り潰す気満々の模様。
2020年、満を持して乗り換え。ホンダ・シビックハッチバック FK7型 (6MT)を購入。翌年には何と結婚を果たし、社内に激震を走らせた。
 
◯川崎 (かわさき)
 
梁井の会社の後輩。土井の部下。
1988年生まれ。八王子出身。下の名前は舞(まい)。
猫のような瞳とやたら長い手脚を持つ。
オンナ川崎、バイク川崎バイクなどと弄られるも、本人は車もバイクも然程興味なし。ただ、祖父母のいる高知まで実家の車を借りて帰るなど、運転そのものは嫌いではない模様。巨人軍とゲームセンターを愛する。
定時後、土井と梁井を弄って帰るのが日課。「土井さんドイプレッサ出してください!」「梁井さんまーた一人でツーリングですか!」
土井さんと同年の2021年に結婚。やはり社内に激震を走らせた。お幸せに。
 
◯安藤 (あんどう)
 
梁井の会社の後輩。川崎の同期。
1988年生まれ。東京出身。
細身で童顔、顔のまんま、控え目な性格の営業マン。
先輩に勧められるままアウディのディーラーに行き、勧められるままA7に試乗させられ、900万円オーバーの見積もりをもらって帰ってくるという、ヘタレなのか度胸があるのか何とも言い難い伝説を持つ。「なんで見積もりもらったの!」と尋ねると「いや、いい車だったんで…」と答える辺り、意外と大物なのかもしれない。なおアウディは気に入った模様。
どう考えても川崎に惚れているが、本人は頑なに否定している。
2015.7.19。念願叶ってアウディA3 Sportbackを購入。梁井の周囲では当時珍しかった外車オーナーとなる。
未婚であるがこいつもそろそろ結婚が近いものと思われる。

アルピナ、車検を受ける。

我が愛しのBMW ALPINA B3 biturboにも、とうとう車検の季節が到来しました。

 

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※車検の為にショップに持ち込まれたB3。心持ちか落ち着かない様子、かどうかはともかくとして、オーナーは当然にドッキドキである。


車としては9年目、走行距離89,482kmでの車検です。


先に結論から行きましょう。B3がウチの子になってから1発目、初年度登録から9年目の車検に掛かった費用は下記の通りです。


車検整備費用25,000円

ショートパーツ3,000円

代車費用7,000円 (代車BMWへのアップチャージ)

エンジンオイル2,000円×6.5L=13,000円

 (ワコーズプロステージS 10W-40)

オイルフィルター3,900円

 (マーレOX387D)

ブレーキフルード抜き替え2,900円

別途工賃9,100円


検査登録代行24,000円

テスター料4,800円

行政書士代4,200円


消費税9,690円


法定費用52,750円

(自賠責保険17,650円

重量税32,800円

印紙代2,300円)


合計 159,340円 也


電動ファンの修理費用より安かったです。見積もり完了の電話をもらったときは、安堵の余り膝から崩れ落ちそうになりました。


「ブレーキパッドもパッドセンサーもバッテリーもスパークプラグも、ミッションオイル周りまで前オーナーさんが換えてますし、本来であれば換えるところはしばらくないはずでして。チャージパイプと電動ファンは、ちょっと、その、たまたまというか…」

「ホイールも?」

「ホイールも、正直、たまたまとしか言いようがないというか…」

 

一応断っておきますがショップさんの言う通りだと思います。そんなところまでいちいち保証できません。予防保全っつっても限度があります。

 

イグニッションコイルはどうですかね? 10万km近くで寿命と聞きますが…」

「未交換ですけど、6発全部同時にいくことはないですから。1つ不具合が出て、1つ交換。2つ目に不具合が出て、また1つ交換。3つ目が死んで、じゃあこのタイミングで残り全部換えちゃおう、と、そんな流れがいいんじゃないかと」

 

調べた限り一本1万円前後だそうです。高くても6発で8万円しない。まあ何とでもなりそうです。だんだん感覚がおかしくなってきましたが。

 

そんなこんだで、ウチのB3は無事初の車検をクリアし、今現在も元気に走っています。

 

走行感覚は相変わらず甘露の如しで、エンジンの存在感がいい感じにデカいです。トルクは盛り盛り、低回転域の回転フィールもきめ細やかで、アクラポピッチマフラーの中域が効いた快音が、控えめに、程よく耳に届きます。

 

回しても、5,500rpmを超えた辺りからのもうひと伸びがあって大層気持ちがいいです。段差を乗り越えたときの感触も丸みがあって、心地良くさえあります。最近は偏愛が極まってきているのか、エアコンスイッチを押した時の感触や、ウィンカーレバーのクリック感まで愛おしく感じている次第です。この辺はアルピナ関係ありませんが…根本やっぱりF30が好きなのでしょう。

 

じわっと踏んだときのシフトアップ後の回転数である1,000〜1,200rpm辺りは、さすがに車重からするとトルクがスカスカなので、以前よりぶん回すようになってしまい、結果として一般道の燃費はやや悪化しています(7.0〜9.0km/l)。が、冬になって空気の密度が増せば少しは改善するでしょう。

 

夏の長期キャンプツーリングも無事にこなし、去年のトラウマを解消することもできました。今後も元気に乗っていきます。

 

……一点だけ不気味なのは、真夏のある日、窓を全開にしながらエアコンをかけていたところ、温風しか出なくなったことが2度ほどありました。

 

A/C MAXにすれば冷風が出たので、とりあえず気のせいということにしてエンジンを切り、飯を食ってから再始動したところ復活していました。これが2度ほど起きています。

 

3度目が起きたらショップに持ってこうと思っていますが、窓全開でエアコンを掛けることを避けるようになったので、今のところは来年の夏まで様子を見ることになりそうです。

 

調べてみたところ、A/C MAX時以外に冷房が効かなくなるのは、ヒーターレジスターの不具合ではないかと出ましたが……平時は問題ないので、結露や湿度によってレジスター(抵抗)が機能しなくなるか、センサーが効かなくなってるとか、そんなもんじゃなかろうかと予想します。

 

『高温多湿の外気導入し狂いながら冷房をかける』という、結露がヤバいことになりそうなことを避けていれば何とかなるでしょう。ちゃんと考えて、高負荷が掛かりそうなことは当たり前に避ける。ちぃ覚えた。

 

というわけでB3、どうか今後ともお手柔らかにお願いします。

 

王国民が語る田村ゆかり王姫の好きな曲ベスト10。

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あまり喧伝はしていませんが私は田村ゆかり王姫が統治されるゆかり王国の住民でありまして、車のナンバーは227、カップリング含めて大半の曲はソラで歌えるくらいの王国民です。数曲は弾けます。


大学5年時。おれこれちゃんと卒業出来るのか、出来なかったら首括るしかないぞと思いながら図書館で死ぬ気で卒論を書いていたあの頃。「なんかこう、癒しのあるボーカルが聴きたい」と、何となく手に取った田村ゆかりのアルバムにどハマりしまして、ちょっとずつiTunesにぶち込みながら、当時、生活のBGMとして延々と聴いてしました。


艶やかながら軽やかでもある歌声。多種多様な作曲陣による、バリエーション豊か、かつ今まであまり聴いたことのない、甘くクールな曲調たち。すべての状況を放棄して逃亡したくなるような単位地獄の中で、そっと寄り添いながら、ほんの少しだけ、軽く背中を押してくれるような歌詞の数々。


私、このたびライブにも参戦しまして、国民の皆様と好きな曲について大量のアルコールを摂取しながら語り狂ったのをきっかけに、ここに梁井の好きなゆかりん曲ベスト10を書き記します。


※好きな曲ベスト10を先行して挙げてくれた王国民のツイートは下記の通りです。

https://twitter.com/nippodachsdoll/status/1678560762271514625?s=46&t=gSkDdNJLW8HosGGU4SoOng


正直10じゃ効かない上に1位以外は大分変動するんですが……今度、王国民仲間の友人と遊ぶときの酒の肴にでもなってくれれば幸いです。


※古のオタクなのでキングレコード時代の曲が多いですが、Cana aria立ち上げ後の曲も当然にハチャメチャに好きです。



①MELODY /『星空のSpica』(2008年)収録


一番好きです。派手さのない、シングルのカップリングですが、並々ならぬ思い入れがあります。

軽やかで明るく、ちょっとだけ切なく聴こえる、いわゆる『IVM7ーIII7ーVIm7ーI7進行系の曲』です。が、よく聴くとパートパートで転調しまくってます。軽やかなのに思いの外テクニカルな曲。Fourplayみたいだ。

あまりに歌詞が美しく、美し過ぎて弾き語りのレパートリーにしているレベルです。性別問わず、口にして違和感のない歌詞というのは、なんかこう、完成されているようでとても好きです。

「空を眺め雲を見つめる そんな場面では 君の声も雑踏に流され 耳に届かない」という心的な閉塞感のある、しかしながら情景的には開放感のある、夕暮れの街並が浮かぶような歌い出しから、「この胸に流れてる 温かいメロディーを 刻み込んで僕は 明日を探すよ」と前向きに続く歌詞に背中を押され、死んでも卒業するんやと連日学校行って、閉め出されるまで卒論書いてました。

何よりも、この歌詞を軽やかな、伸びやかでどこまででも通る声で歌い上げるゆかりんのボーカルに、完膚なきまでに打ちのめされた曲です。

ラストの「遠回りでもいいから 未来の自分を誇れるように 辿り着く先でいつかこのメロディーを 響かせるから」という歌詞が、静かに前を見据えているようで昔から好きだったんですが、あれから10年後、仕事もわりと好きになれて、ずっと続けていた趣味も少しずつ身を結び、今わりと好きな生活が出来ています。

あの当時、何か一つでも諦めていたら私の人生全部終わっていたでしょう。ゆかりん、おれ、この曲聴き続けていたおかげで、ちょっとだけ前向けたよ…。

同じくカップリングのSensitive Venusも好きです。私が初めて弾いたボサノバはフェリシダージでもマシュケナダでもなくSensitive Venusです(圧)。

 


②Trust me, trust you / 『TRUE ROMANCE』(2003年)収録


メロディーがひたすらに美し過ぎる曲です。特にサビの「目を閉じて 心を開いたら」のところが、もう……。

これは弾きました。ストラトの良さが引き立つ曲だと思います。


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アレンジ面ですが、エレキギターはそんなに入ってないのに、要所のカッティングに存在感があって、アウトロでさらっと泣きのソロを入れてくる、なんかこう、大人かっこいい曲だなと当時から思ってました。バンドとソロギターばかり聴いていた大学時代、ゆかりんの曲で、演奏の幅が広がった感があります。

不思議と歌詞の印象が薄く、でも読んでみると素晴らしい、曲とメロディーに寄り添って前に出過ぎない、心地良くも素敵な歌詞だと思います。

歌詞もトラックも、主張し過ぎないのに華やかで美しいという、ポップスの権化のような曲です。堀江由衣とのユニット、やまとなでしこでの2001年のミニアルバムが初出だったと思います。あちらもハーモニー、ユニゾンが至上に美しくて好きです。

 

 

③虹の奇跡 / 『蒼空に揺れる蜜月の小舟。』(2003年)収録

 

「雨上がりの空を見てた」というAメロの歌い出しと、同じ言葉で締められるラスト。情景が浮かぶような曲です。

間奏のギターソロがあまりに美しく、これもコピーして弾きました。チョーキングしてないのに、フレーズとニュアンスで魅せる泣きのクリーンソロだと思います。


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改めて聴き返すと、この頃のゆかりんのバラードはコーラスワークが絶妙で、メロディーもあまり他で聴いたところがないような、特有の美しさがあると思います。

「虹でも出てくれれば」というキーになる歌詞を、音数が減って静かになるBメロでさらっと出してくるところがオシャレですよね。

 

 

④I DO 愛 / 『秘密の扉から会いにきて』(2014年)収録


元気が出ます。ファンシー系以外だと、わりと湿度の高い歌詞が多い印象のゆかりん曲の中で、この曲は飛び抜けて、何かを振り切ったように前向きです。

ゆかりんのボーカルも、歌詞のせいか、作曲者からのディレクションが入ったのか、弾けるような明るさがあって、初めて聴いたときハチャメチャに驚いた思い出があります。

レーベル移籍前でもあるし、作詞者さんからゆかりんへのメッセージなのかなとか思いながら聴いてます。「ときめきに 我儘な 君がいい」

 

 

④お散歩しようよ / 『眠れぬ夜につかまえて』(2003年)収録


アコギの跳ねたストロークが軽やかな、ミディアムテンポのバラードです。

「季節のページを めくる風の中」という歌い出しが綺麗で、日曜の夕暮れに、日常の幸せと週末を感じながらゆっくりと散歩をしたくなるような曲です。

ロディアスでコード展開もポップなので、これも弾き語りに合います。

また、Cメロでストリングスが入るまでは、録音が全体的に、ちょっとチープで平面的に感じます。使ってる音色も可愛めで、リバーブも控えめで。多分これ、狙ってこの感じにしてるんじゃ……。その分、1番2番までが家の近所みたいな安心感があって、ちょっとずつ感情が高まってドラマチックになっていく高揚感があります。情景が浮かぶのはそのせいかもしれません。

 

 

⑤Sweet Trap / 『恋は天使のチャイムから』(2018年)収録


2018年だからプライベートレーベル「Cana ariaカナリア)」立ち上げ後の曲ですね。

打ち込みトラックとギターのカッティングでグイグイと押す、スピード感あふれるトラックです。

初めて聴いたときに衝撃を覚えるタイプの曲と、だんだん好きになっていくスルメタイプの曲があると思いますが、この曲は前者です。買ったCDを車にぶち込んで、イントロの四つ打ちのキックの音色で一息に引き込まれました。

歌詞がちょっと不思議なんですよね。耳に残るキーワードは頻発するけど詳細が述べられてないので想像力に任せてくる感じ。私の中ではこれ、女子高生ゆかりんが好きになった相手が生き別れの兄貴で、そのことを自分だけ知っているという曲です。それをこんな四つ打ちハウスみたいな曲にぶち込んでくるという田村ゆかりチーム。ライブだとゆかりんが女子高生制服で踊ります。

これも弾きました。ストラトハーフトーンが合います。


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⑥虹色バルーン / 『Beautiful Amulet』(2007年)収録


ストリングスとアコースティックギターが軽やかな、リズミカルで可愛らしい曲。

「雨上がり smile me tender 虹色の風に歌い 笑いながら 君と踏むハッピーステップ」という歌い出しがまた良いです(語彙力)。

軽やかで可愛らしいのに、歌メロとコードのぶつけ方と、ゆかりんの歌い方のせいか、若干の憂いがある、なんかこう、異国のお祭りの夕暮れ感があるのが謎です。

間奏も、ストリングスとアコースティックギターのソロの掛け合いが聴きどころです。速い。

なお、同シングル収録、次曲のJellyfishは、ピアノをバックにしっとりと歌い上げるバラードで対比的ですが、こちらもピアノのフレーズはわりと跳ねた、フォルテの音色なので、全体的にリズミカルな曲の多いシングルだなと思います。

 

 

⑦les larmes de la Luna / 『花降り月夜と恋曜日。』(2002年)収録


淡々とリフレインするアコースティックギターのリフの上で、ゆかりんがメロディアスに、情感豊かに歌い上げるバラードです。

ぼくの地球を守って」から輪廻転生モノが流行りましたが、そんな裏設定をちょっとだけ匂わせる歌詞が見事です。うたた寝の中、異国の砂漠の夢を見て、郷愁を覚えている、という内容。

歌詞に出てくる『ジュラバ』というのはモロッコの民族衣装で、フードの付いているローブのようなものだそうです。ローブってちょっと何とも魔術師的でいいですよね。

les larmes de la Lunaはフランス語で「月の涙」。サビの歌い出しがそのままです。

je ne veux pas rentrerは「帰りたくない」という意味。

 

 

⑧ナルシスが嘘をつく / 『螺旋の果実』(2013年)収録


ギターはフュージョンギターの大御所、増崎孝司。なんかもう、そういう曲です。

歌詞はゆかりん艶やか曲によくある、道ならぬ恋の逢瀬を、少し冷めた目線でクールに歌い上げるタイプ。曲調は結構目まぐるしく激しいですが……。

ゆかりん、リズム感が鬼なので、こういうキメッキメのフュージョン歌謡みたいな曲もめちゃくちゃキレよく歌いこなしてくれます。

これも弾きました。フルでやろうと思いましたがソロで手一杯です。


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もしかしてですがこの曲、クリックなし、フリーテンポで録ってたりします…?

 

 

⑨Love parade / 『Love parade』(2002年)収録

 

みんな大好きラブパレード。Loveとparadeの間にはハートマークが入ります可愛い。

多幸感溢れるトラックに寄り添うようにして歌い上げるボーカルが、貴方を見知らぬ遠くに連れて行ってくれます。こう書くと怪しい薬みたいですが……。

生で聴いたことはありませんが、ライブDVDで、ピンクのサイリウムが波打つ中で歌い上げるゆかりんの映像は、歌詞のイメージの「遠い異国のお祭りのパレード」そのままでした。2番の歌詞で泣きながら、涙を振り切るように歌うゆかりんがエモかったです。

 


Little Wish / 『Little Wish 〜lyrical step〜』(2004年)収録


この曲が一番好きだという王国民は結構多いんじゃないでしょうか。言わずもがなの大名曲。サビのハーモニーが美しいです。

lyrical stepとfirst stepという2つのバージョンがあって、それぞれ2番の歌詞がかなり違います。

初出はアニメのエンディングになったlyrical stepで、2004年にシングルとして発売。その後アルバム収録されるにあたり(『琥珀の詩、ひとひら』2005年)、歌詞が変更されたようです。

どちらも良い歌詞ですが、ゆかりん本人は「first stepの方が好きだ」と何かのインタビューで話していた気がします。

予想ですが、元々デモとしてあった曲をアニメに採用するにあたり、アニメの内容に沿うように歌詞がlyrical stepに変更された→アルバム収録にあたって、ゆかりんも気に入っていた最初の歌詞に戻し、first stepと副題をつけた、という流れじゃないでしょうか。でないと「first step」とありながら後発である説明が付かないので。

エレキギターをちゃんと弾き始めたわりと最初の頃に弾きました。2017年くらいだったと思います。ちゃんと音を取ってフルでコピーし、iPhone一発録りとはいえちゃんと形にしたの、思えばこの曲が初めてな気がします。


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他にも、Sweet Darinのフラメンコギターも好きですし、天空で駆け回るような月のメロディーの軽やかさ、Fallin’into youのクールさ、新月のpollen、楽園巡礼、囀りのない部屋の神聖さ、だって×2 ウキウキでブギーまでこなしてしまう多彩さ、キャラメルやセルフィッシュの可愛らしさ、シレーヌの心音のギターのえげつなさ、Don’t wake me⭐︎UP、Shooting Star、Luminous Party、SUKI KIRAIのようなエレクトロニカチューンなど、baby blue skyの「最初から最後まで全部おれのギターソロ」感とか、好きな曲はアホほどあるのですが、というより好きじゃない曲がないのですが、キリがないのでここで終わります。王国民の皆さん、今度また飲みながら語りましょう。


なお、ギター弾き情報でわりとどうでもいい話ですが、ゆかりんの曲、特にアルバム曲は半音下げが多いです。

3rd EP『miumiu - EP / Tender Heart Craftworks』

一年前の夏の終わり頃なので今更ですが、3枚目の音源が各所で配信されました。今回はLo-fi hiphopインストゥルメンタルビートです。

 

 

フェンダーローズの鍵盤の音色と、TR-808リムショットの上で、空間系・モジュレーション系を掛けまくったストラトキャスタークリーントーンを弾き狂っています。


ふわふわした気分の時には合うんじゃないかと存じます。よければぜひお聴きください。

 

↓各種配信ストアリンク

https://big-up.style/JRF4vZsm64


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ジャケットは適当に撮った虹の写真と近所に咲いてたハナトラノオです。夢想的で気に入ってます。

 

 

「鍵盤の音色でなんかいいやつないもんか」と探っていたら、Ableton Liveの内蔵音源にフェンダーローズを発見。リフが出来たので、合いそうなリズムをぶっ叩いてビートに仕立て上げました。

 

フェンダーローズの音色を初めて意識したのは、たしかINO HIDEFUMIスパルタカスのアレンジで、「何だこの柔らかいキーボードは!!!」と戦慄して、そこからBill EvansのFrom left to rightを聴いて意識的に好きになりました。

 

同じ電子ピアノとして、ウーリッツァーの音色をカーペンターズ新居昭乃の曲で聴き狂っていたのが大きかったんだと思います。好きな音としてインプットされていたんでしょうね。今でも全楽器で一番好きな音です。

 

加えて、「BIAS FX2の空間系・モジュレーション系エフェクターを可能な限り試してえ」という欲求から、リフとギターソロ(前半)がうっすらコーラス、ギターソロ(後半)がディレイマシマシのトラックと相成りました。

 

基本ギターのクリーントーンは「塩振り程度のリバーブと録音時はトラックに掛けるコンプとエンハンサー」のみが正義だと思っているのですが、今回のギターに関しては意識的にエフェクトを掛けました。その方がフワフワした感じになるのと、「宅録でてめーがギターにエフェクトを掛け狂うとこうなる」という試金石が欲しかったからです。

 

音色についてはハチャメチャに気に入っています。ピックアップポジションは、リフがセンター、ソロは前半も後半もフロントです。

 

ちなみにベースレスです。ローズの音色がわりと低域にいたのと、曲調からふわっとしていた方が合うかなと思い、数フレーズ試した結果入れないことにしました。代わりに後半ソロの時にシンセパッドの白玉を足してます。

 

最後に、付け合わせで弾いた2曲目は、toeトレモロアンドディレイのオマ、もとい超絶劣化オマージュです。バッキングはトレモロ、リードフレーズはディレイを掛けてます。

 

 

タイトルは、昔バカハマりしていたコンカフェ嬢にmiumiuの鞄やら財布やらをプレゼントしまくっていたことに由来します。おかげで今も私のGmailにはmiumiuの販促メールが届きます。懐かしい。

アルピナ、故障する。その4(パンク・ホイール破損)。

 

アルピナ故障記その4です。


連続故障のうち、自己最高額である35万円を叩き出した大物です。これをもって、しばらく故障の悩みから解放された生活を送りたいと心底願いながら本記事を掲載いたします。

 


BMW関連ショップでアルピナの購入を検討しているときに言われる言葉として、「Mと比べると特別パーツがそんなに使われていないので、ランニングコストは高くないですよ!」があると思います。


事実だと思います。大半はBMWノーマルモデルと共用です。が、各部をアルピナ社が改良・独自開発している以上、換えの効かないパーツは当然あって、オーナーの思いつく限り、それは下記の3箇所だと思います。


・サスペンション周り

・エンジン周り

・ホイール


今回私がやらかしたのは最後の1つ、ホイールであります。

 

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※悪魔のアルピナ純正ホイール。とてもそうは見えませんが、他ホイールと持ち比べると鬼のように軽いです。リム内部が空洞だからだと思われる。



2ヶ月の長期入院なら帰ってきて、現状エアコン異音も手を付けられるものではない(というより手の施しようがない)との診断を受け、安心し切ってアルピナを乗り回していた12月の土曜日の夜。


たしか年末に向けて、革靴を修理に出した帰りだったと思います。賞与も入ったタイミングです。オルタネーター交換必須と思ってた分の費用も浮いたことだし、「この際スタッドレスタイヤ買って、雪道ドライブにでも行こうかな」などと夢想しながら地元を走っていたところ、いきなりアルピナがパンクしました。

 

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※近くのコンビニ駐車場に駆け込み、凹んだタイヤを確認して途方に暮れる図


もう少し詳しく書きますと、道路の窪みを通過する際に、ホイールが衝撃を受け、クラックが入ってしまった形です。ガツン!!!と、今まで感じたことのない硬質な衝撃が、足回りにきました。


場所は、県道と国道が交わる、交通量の多い交差点です。後々意識してみると、ここはトラックが多く通るせいか路面に相当な陥没が起きていて、アスファルトの状態はガタガタです。


当たりどころが悪かったのか、陥没が悪化していたのか、とにかくとんでもない音がしました。下からハンマーで殴られたのかと思ったくらいです。


普通に法定速度内であったし、コペン時代にこの道を通ってもそんな衝撃を受けたことがなかったので、なんだなんだと目を向いているうちに、あの忌々しい警告音がコンソールから鳴り響きました。


「ポーンwww」


空気圧低下警告です。


すぐに路面感覚もゴリゴリしたものに変わり、これはマズイとすぐ近くのコンビニ駐車場に避難。車を停め、各タイヤを確認したところ、右フロントが完全に沈み切っています。

 

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「…………またかあ」


という言葉しか出てきませんでした。天を仰いだのをよく覚えています。


時間は21:00過ぎ。ショップはもうやっていません。主治医への一報は明日に回して、まずは何よりレッカーの手配が必要です。気合いで正気を取り戻し、保険付帯のロードサービスに電話。届いたショートメールのURLにアクセスして、位置情報と状況を入力して送信。2回目なので慣れたものです。


続いて帰宅の手段ですが、

 

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「ーー迎えに来たおれも代車っていうのが今回のミソだね」


赤いプリウスで迎えに来ていただきました、新山さんです。こちらも先週エンジンセンサー類不調の為にレッカーされた身で、年明けまで代車生活のようです。アルピナブラザーズ、同一週に2台ともドナドナされる。


「にしても、パンクか……。心当たりは?」

「多分外環下の国道とぶつかる交差点の道路の陥没」

「あー……。まあ低扁平だと、ちょっとした窪みでやられることもあるみたいだからね。よくさ、高速道路とかで、パンクして路肩に停まってる車輌あるじゃん? あれ今度よく見てみるといいよ。結構な確率で、ホイールデカいのに替えて低扁平のうっすいタイヤ履いてるミニバンだから」

「天下のアルピナがそんな耐久性に問題のあるタイヤ選択を……?」

「してるとは思わないけど、リスクは間違いなく高まるかなと。運がなかったとしか言いようがないね。別にスピード出してなかったんでしょ?」

「全然」


普段信号で停まることの多い交差点が青だったので、普通に走り抜けはしましたが、法定速度以下だったはずです。


「高速の下を走ってる道路ってのもあって、暗くて窪みが見えなかったんだよね。普段だったら多少避けたりするんだけど……」

「今後もなるべく躱した方がいいだろうね。扁平率30っちゃ相当だもん」


そうこうしているうちにレッカーが到着。


地元ということで当然ショップのことも知っており、「営業時間外なんで一晩預かって、明日連絡してもらったタイミングで届けますんで」とのことでした。ありがたい(こういう場合保管費用が別途かかることもあるので要注意です)。一応ダメ元で、抜けたタイヤに空気充填を試してもらうも、


「入れた端から抜けていきますね。……レッカーに載せるとき自走するので、そのときホイールが傷付く可能性がどうしてもあるんですけど、どうしましょう?」

「他に方法ないんですもんね」

「残念ながら」

「じゃお願いします」

 

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アルピナゲーミングドナドナ


結果としてホイールは割れていたわけですが、衝撃の度合いからして、十中八九このときではなく先の道路の陥没が原因だと思います。仕方ありません。


ミシュランパイロットスポーツ4S……1本6,7万円……右フロントだけの交換でも大丈夫かな……」

「その前にホイールまで逝ってなければいいけどね」


という帰路の車中での新山さんの台詞が思い出されます。



入庫してからしばらく、ショップから掛かってきた電話の第一声、「梁井さーん……あのですね〜……」で私はすべてを察しました。


天を仰いで1秒。速やかに正気を取り戻して応答します。


「ダメでしたか」

「ダメでした。ホイール、クラックが入ってます。補修自体は出来ますが、経過の補償は出来ないというのがホイール屋の意見です」

 

ホイール屋ってのがあるんだ。知らなかった……。

 

「てことはやめといた方がいいんでしょうね」

車屋の立場からするとやはり……」


私としても、出先でエア漏れなんか起こしたら目も当てられないので嫌です。覚悟を決めます。


「これ保険効きます?」

「自損事故になるので効きます。その場合は当然、タイヤ含めて全額が保証されますね。……一応、道路の窪みが原因とのことなら、自治体や国交省に言うだけで言ってみるのも手だと思いますよ。それでもしダメなら、保険使うかどうするか、考えてみましょうか」


電話を切り、即市役所に電話。関係部署に繋いでいただいて事情を話し、陥没部の補修と、もし可能であれば補償みたいなものがあるのかと訊いてみたところ、ヤクザとしか思えない口調のおっちゃんが、しかしながら思いのほか丁寧に対応してくれました。ただしその結論は下記の通り。


「あの交差点とこかー。道路のどこ? 交差点侵入したところ? 中? てことは、そこ国道側だね。一応交差点の場合、上位の管理者に話してもらうことになってんだよ。悪いけど」


続いて国土交通省関東地方整備局。電話に出てくれた若そうなにーちゃんに同様の内容を伝えたところ、


「陥没の補修については承知しました。早急に手配します。が、保証については、もちろんしっかり精査させていただいた上でことになるので、半年か一年くらい色々やり取りをした上で決めさせていただくことになりまして……」


ネットで調べた上でも概ね半年ほど、補償されても数割という話だったので、諦めて大人しく保険対応とすることにしました。

 

 

運良く2週間で納品され、速攻タイヤ組み付けまで済ませていただいたおかげで12月24日(土)に無事回収。ちょっとしたクリスマスプレゼントになりました。

 

が、そのプレゼントにかかった費用は、全額保険対応とはいえ驚きの35万円。

 

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アルピナの純正ホイールタイヤセットは下記の値段なので、個別に買ったらそんくらいいくのでしょう。

 

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あまりにも恐ろしくなったので、その翌日、西新井大師まで行って車のお清めを依頼。

 

このときまで西新井大師を神社だと思っていたレベルで神仏に頓着していなかった私ですが、藁にもすがる心境かつ、「12月25日の朝イチにお清めに行くくらいの気合いを見せればちっとはご利益もあるだろう」との浅い考えで、5,000円を払って車の安全を祈念するのでした。

 

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これ以降、アルピナに修理費の発生する不具合は起きておりません。出尽くしたのか、乗り手がめちゃくちゃ気をつけてなるようになったせいなのか、はたまた仏のご利益か。

 

一度だけ、坂道で加速したときに再び空気圧警告が鳴ったことがあります。

 

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※忌々しい空気圧低下警告。

 

速攻でガソリンスタンドに駆け込んで4輪の空気圧を測ったところ異常なし。何かが刺さっているのも発見できず、半泣きでネットを調べたところ、「BMWの空気圧警告はRPA方式という各ホイールの回転数の差によって、タイヤの外径が変化した=空気圧が変化したと判断する方式を取っている為、例えば道路の継ぎ目部分などタイヤが一瞬滑ったときに、ABS誤作動と同じ理屈で警告がなるときがある」的な記述を発見しました。

 

何度測っても空気が抜けていない以上は誤作動と判断するしかなく、リセットをかけて帰路へ。道中ヒヤヒヤしながら走り、翌日再度測ってやはり空気が抜けていないことを確認し、今回の警告は誤報と改めて判断するに至りました。


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※異常なし、じゃないんですよね異常なし、じゃ、

 

2023年6月24日(土)現在、アルピナは異常なく走っています。頼むから今後もこうあって欲しいものです。

 

ちなみに来月車検です(震え声)。

アルピナ、故障する。その3(エアコン謎異音)。

アルピナ故障記その3、今回は短いです。

 

というのも、今回のこの『エアコンからの謎異音』問題、今に至っても解消されておらず、ショップの言葉を借りるに「故障というより解決方法がないに等しい不具合」といえるからです。

 

いわゆる『持病』というやつでしょうか。たしかに、ショップの代車で乗った同じF30型の320iでも同様の音が鳴ってました。ここまでデカくはなかったですが……。

 

百聞は何とやらと言いますし、ご興味がおありの方は、是非下記のツイートの動画を再生の上、音声をお聴きください。


 

お分かりいただけたでしょうか?(CV.中村義洋)

 

エンジンの回転数上昇に合わせて「ウィーン」というモーターの駆動音みたいな音がします。

 

しかもこの音、エアコンを消すと消えます。

 

難しいのは、A/Cをオフにすると、消えるときの消えないときがあることです。送風含めて完全にオフにすると、100%消えます。

 

となると、『エンジン回転に連動するエアコン関係の部品』から出ているとしか判断しようがありません。

 

20万円近い冷却系の修理から帰ってきたと思ったらこれか。副作用か? この車はおれを殺す気なのか? 上等だおれはおまえを貯金が尽きるまで直し狂ってやると、いろんな方に泣き言をぶちまけた上で決意(この時点でレスポールを売却)。「エンジンオーバーホール以外は全部直す」と意気込んでショップに乗り込んだ結果、

 

ショップ曰く「現状では修理不要、正確にいうと修理不可」だそうです。

 

「絶対にオルタネーターのベアリングだと思ったんですけど……」

「違いましたね」

「コンプレッサーでもない?」

「違います。音の出所がエンジンルームじゃないんです。これ冷媒ガスの回る音ですね」

 

冷媒ガスの循環がエンジン回転に連動する理屈を聞いておけばよかったですが、エンジン動力とプーリーで繋がっている以上、まあ連動するのでしょう。

 

「F30で結構事例のある症状なんです。気持ちのいいものではないので、対策としてエバポレーター換えたりとか、色々された方もいるんですけど、それでも消えなかったことがほとんどでして……」

「配管の取り回しとかなんですかね。なんかこう、管楽器的な」

「かもしれません」

「冷媒ガスの循環音だとしたら、ACを消してコンプレッサーを停めても、音が鳴ることがある理由は?」

「そこがミソです。仕組み上、ACを切っても冷媒ガスは一定回っちゃうんですよ。だから音がするときとしないときがあるんですね」

 

後日ネットで確認したところ、一件だけ同様と思われる症状を確認できました。これだけなら疑問符が残るところですが、BMW専門ショップの工場長の言です。調べ狂った上で否定できる材料がなければ信頼するのが正義です。

 

 

結果として修理費は発生しなかったものの、『都合2ヶ月の入院を経て帰ってきたら謎の異音が発生していたことに気づく』のは中々気が狂うイベントで、最も乗り換えを考えたのがこのタイミングでした。

 

が、結果的に修理不要(修理不可)、死ぬまでは修理すると決心したそのタイミングでの肩透かし。これにより私は、次の故障に対する心理的障壁を形成し、魔の4発目故障に対しても躊躇なく手を打つことが出来る心の強さを得るのでした。

 

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画像がないので、エアコン吹き出し口周りの写真を貼って終わります。インテリアデザイナー曰く、「レイヤーを重ねるような広がり感のあるデザインを心掛けた」とのインタビュー発言があるように、この辺りの内装デザイン好きなんですよね。

 

続きます。次は泣く子も黙る35万円が発生します。

アルピナ、故障する。その2(電動ファン)。

アルピナ故障記その2です。

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※写真は新潟の田園地帯に悠然と佇むB3。このときの私は知る由もありませんが、この時点ですでに電動ファンが故障しています。


というわけで今回のトラブルは車の鬼門、冷却系です。


ゴリゴリに高出力・大トルク化されたF30型B3のエンジンは、油温の上昇もバカにならないらしく、ラジエーターファンには日本未導入である直列6気筒ディーゼルターボ仕様、335d (!)用の大容量電動ファンが付いています。いつの間にかぶっ壊れていたこいつを本国から取り寄せる関係上、ウチのアルピナは都合2ヶ月の長期入院となりました。未確認ですが、おそらくチャージパイプが吹き飛んだときに合わせてやられたんじゃないかと思っています。


事が起きたのは、2022年9月18日(日)。連休を使って新潟へキャンプに出掛けたその旅中でした。

 

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※納車2週間後の初遠出、道中で過給が効かなくなり、佐久平パーキングで途方に暮れていたことを思い出しながら同じ場所で休憩するB3


初遠出・初故障のトラウマを克服する為には、同じルートを辿って今度こそ旅程を無事に走破するしかないと思い至った私は、3連休中日の朝、ノープランで地元を出発しました。


トラウマの佐久平PAを無事に越え、第一の目的地たる上越に到着。ライダー御用達のラーメン屋、ニューハルピンラーメンにてラーメンを平らげ、

 

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※名物・チョースケ。これとは別のノーマルラーメンの場合、スープまで完飲すると、丼に『別腹』『食べたら疾走れ』の文字が現れる


この後どうするかとTwitterを開いたところで、東北を周遊していた新山氏から一報。会津若松市辺りにいるとのことです。

 

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※新山の旅程。太平洋側を攻めていた模様


どうせなら中間地点の三条辺りで合流し、久しぶりのキャンプ泊とすることにして、集合地のダム地を彷徨っているその最中でした。


『ポーンwww』


と鳴り響く、例のトラウマ警告音。今度は何だとディスプレイを見ると、なんとオーバーヒート警告です。


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後から知りましたが、冷却系はBMWターボモデルの泣き所とされているらしく(BMWのターボモデル弱点だらけじゃないかとは思う)、冷却水が漏れてんじゃないかと思うレベルで、油温がガンガンに上昇するようです。事実私の車も、走行中の油温は110℃がデフォルトで、後日ショップに問い合わせたところ「規定数値内です」との回答が返ってきました。


「油温系が右っ側に振れなければまあ大丈夫ですよ」とのことでしたが、このときの油温は120℃オーバー。普通に右に振れています。水温計は付いていませんが、警告が出たということは、当然に100℃は超えているものと思われます。

 

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※平時のB3の油温。これでも低い方


真夏の、しかも高低差のある山道を、道に迷ったせいで低速で走ったり後退したりしていた状況です。熱がこもりやすいシチュエーションではありました。しかもこのとき、私のスマホは圏外。周囲に人影はなし。焦る梁井。


一応オーバーヒート『警告』であって、表示文章も『速度を抑えて走行』『繰り返し表示されるならディーラーへ』とのことだったので、とりあえずボンネットを開けて放置。自然に冷却されてくれることを祈りながらエンジンルームと下回りを覗くも、冷却水が漏れているようには見えないし、ラジエーターファンの状況は角度的に視認できません。


悩んだ挙句エンジンを切り、4,5分頭を空っぽにしてから再始動。するとありがたいことに、油温は多少下がっています。こりゃ今のうちだと車を発進させ、命カラガラ、何とかキャンプ場まで辿り着きました。

 

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「……なんだろうね。冷却水が漏れてるんじゃないとしたら、何かの理由でファンが回らなかったのかな? 走行風が当たって油温が下がったなら、一旦は大丈夫なんじゃないかと思うけど」

 

キャンプ場でビールをやりながら新山さんに状況を伝えるも、原因はそれくらいしか出てきません。あとはそれが機械的な問題なのか電気的な問題なのか。とりあえずは「再発したら主治医に一報、または最寄りのディーラーに駆け込む」として、帰り道は油温計に気を配りながら走ることとなりました。

 

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※腹いせにガンガンに燃やされる焚火


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※新山氏の寝床。「最近テント張るのもめんどくさい」と、タープにベッドを展開して完全野外で寝ているようです。キャンプというよりもはや野宿。


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※翌朝。朝露とB3。


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※来た時よりも美しく。


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※三条から魚沼に下る県道のどっかにて。新潟の道は絶景でした。また走りたい。

 

 

とまあ帰るまではよかったのですが、この翌週、地元を走っていたときに案の定オーバーヒート警告が再発しました。しかも今度はエアコンが効かないという謎症状も併発。どれだけ壊れるんだこの車。

 

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翌日ショップに持ち込んだところ、「電動ファンが物理的に壊れている」とのことでした。

※エアコン不良と油温上昇がファン故障で併発するということは、B3、ラジエーターファンとエアコンコンデンサーファンが兼用タイプのようです。F30型はすべからくそうなんだろうか。

 

納期と値段が分かり次第連絡との話を受け、ファンなんか国内在庫があるだろうからどうせすぐ返ってくるだろうと、代車も依頼せずに歩いて帰宅。数日後に電話を受けて私は絶望しました。

 

前述の通り、ファンは国内未導入タイプを流用した高出力仕様。当然のように国内在庫なし。納期は不明。部品代と工賃税込で、お値段なんと180,000円とのことです。シャンパンボトルじゃねーんだぞ。

 

ヤフオクで中古品を探すも、335d用なんてレアな代物がそうそう転がっていようはずもなく、一点、ショップに教えてもらった型式と適合する出品を発見するも、「動作未確認、一切の保証なし、元車両の情報も走行距離等含め一切不明」という紛うことなきジャンク品だった為、断念。届いて不良だった場合は時間の無駄に終わるだけなので、大人しく正規品を正攻法で発注してもらうことになりました。


あとはもう、「待てど暮らせど来ぬ人を」状態です。気がついたらほぼ2ヶ月が経過し、私の駐車場にB3が帰ってきたのは、冬の訪れも間近な11月中頃のことでした。


この頃が一番精神的に疲弊していたと思います。酒席を共にした方々にはご迷惑をおかけしました。今はもう元気です(白目)。

 

「年式も新しいしそうは壊れんだろう」と思って買ったアルピナB3。この時点でウチの駐車場よりショップに入院していた時間の方が長い計算になりますが、これで終わらないのがこの車の恐ろしい所です。故障編、まだあと2回の更新を残しています。

 

続きます(震え声)。