コペンローブ、志賀高原で霧に襲われる、その1。
志賀高原に行ってきました。今回は暇を持て余した新山も同行しています。
現れた新山の格好は、つば広帽子、首筋にタオル、長袖シャツ、おまけにグラサンという完全防備でした。
「…何その格好」
「日焼け対策」
日に焼けると真っ赤になるので防御できるところは防御しておく、とのことでしたが、地黒のくせしやがってそこまでする必要があるのか私には疑問です。それなら屋根を閉めていくか、いっそシルビアにするかと聞いたところ、
「いや、それは負けた気がする」
彼なりに気合を入れているようなので、その意思を尊重して熱射の下のオープンドライブを敢行します。ちなみに私はこれを機に焼く気満々で、ここ最近は半袖Tシャツ一枚という軽装備であちこち走り回っています。
◇
途中、圏央道で逃げ水を見ました。
埼玉で逃げ水自体は珍しくもなんともない現象ですが、あんなにド派手な蜃気楼を見たのはずいぶん久しぶりな気がします。数百メートルの直線で、前に車が1台もおらず、しかも緩やかな登り坂、という条件がレアだったのかなと思っています。圏央道を白岡菖蒲方面で使ったのは初めてでしたが、よいものが見れました。
◇
もっとも見分けたのは私ではなく新山で、見たことのない古いスポーツセダンが走っていたので「なんだあれ?」と尋ねたところ、
「あれプリメーラ」
「あれが!? あんな形だったの!」
「初代は。結構かっこいいよね」
「よくこの距離で見分けるなあ…。ずいぶん派手なウィング付いてるけど、あれ純正?」
「オーテックのやつだね。純正は昔風の、よくある低いウィング」
「…結構飛ばしてくね」
「出た当時、速いって評判だったみたいだからね。901運動の末期に出た車だし。あれ多分SR20乗っけてるやつだし。まあ、あの当時の2.0Lクラス、大体あのエンジン積んでるんだけど」
「…ごめん、何運動だって?」
「901。あれで日産のシャシーとエンジン性能抜群に上がったんだよ。SRもRBもあの時代に出来たエンジン」
詳しい。
本人は頑なに否定しますが、こいつ絶対日産党だと思います。ただし90年代の。
◇
渋川伊香保で降りてからは、日本ロマンチック街道に向かいます。
中之条まで、国道353号線ではなく、群馬県道35号渋川東吾妻線、通称日陰道を使いました。名前の通り決して開けた道ではありませんが、緩やかなカーブと高低差、山と町を縫うように抜けていく、非常に気持ちいい道でした。ここはまた走りたいと思います。
ここまでは天気良かったんだけどなあ…。
「おまえと標高高いところ来ると、いつも曇る気がするんだけど」
「でもおれ一人で来るといつも晴れだよ」
「…………」
白根山からの絶景と湯釜の水色は、火山活動がおさまってからの楽しみに取っておくことにして、大人しく下山しました。
続きます。