コペンローブ、北海道に行く。その6。
6日目。2016年の8/9(火)。曇りのち晴れ。
5:00起床。オーナーさんには朝早く出る旨を伝えておいたので、物音を立てないよう前日にまとめておいた荷物を持ち出し、洗顔歯磨きを済ませて出発します。
早朝のモシリパ外観。
この日の目的地は宗谷岬。今回の旅行のハイライト、北海道の最東端です。
走行距離は385km。1日で走る距離としては許容範囲内ではありますが、網走で観光して稚内でキャンプ泊となると、わりと時間がありません。例によって寄り道を最小限に抑え突っ走ることにします。
なお、北海道ツーリングでしみじみ思い知りましたが、やっぱり早朝の出発は気持ちがいいです。霧の中、早朝の林間、海沿いの道、湿原の中を走り抜けます。
濤沸湖(トウフツコ)。野鳥の聖地らしい。写真だけ撮って退散します。
網走市に突入。滞在可能時間が2時間しかないのでダッシュで観光します。まずは一度は来てみたかったオホーツク流氷館。
流氷の時期というと1月~3月で、真冬の道東旅行となるとそれなりの覚悟と装備が必要ですが、ここに来れば真夏だろうがいつだろうがモノホンの流氷が保存されています。
流氷体験コーナー。本物の流氷がゴロゴロと置かれています。中はマイナス15度とのこと。塗れたタオルを20回くらいぶんぶん振り回すと固まります。カチカチ体験とかそんな名前でタオルを配ってました。ちょっと感動。
クリオネ。超小さい。もうちょっと大きいと思ってた。
また来ます。
同じく網走市観光ポイント、旧網走刑務所へ。
当時の建物がそのままに、北海道開拓の歴史と受刑者たちの繋がりについて諸々の資料が展示されています。北海道旅行者なら、ここは一度は訪れるべきかと。感じ入るものがあります。
北海道といえばホクレン。初ホクレン給油です。例のフラッグも購入。なお、兎にも角にも急いでいるので朝食と昼食はコンビニ飯です。この日は夕食のキャンプ飯に全てをかける所存。
ひたすら海沿いの国道238線を走り続けて約400km。宗谷郡に入り始めた夕方から、段々と晴れ間が見えてきました。
太陽がこれほど嬉しかった日は人生でも早々ありません。眼を細めながらひた走っていたら、いよいよ宗谷岬へのルート最強の道に突入しました。
エサヌカ線。この世の風景とは思えない。
日本で最も何もない道。記録の写真だけ撮ったら、後は心を空っぽにして走ります。生きている内でこんな時間が何度あるだろうと思いながら、コペンのアクセルをパーシャルで踏み続けます。至福の時間。まるで渾身の合奏が延々と続いているように。この感触は死ぬまで忘れません。
2016年8月9日17:35、日本の最北端、宗谷岬に到着。
さして何があるわけでもないので、日本がっかりスポットの一つだとよく聞きますが、死ぬ気で走って息も絶え絶えたどり着いた場所なので、景色など良かろうが悪かろうが関係ありません。バイカ―がたくさんいましたが、夕日を見ながらしみじみと缶コーヒー飲んだりしてました。感無量です。
梁井、はしゃぐ。
日本最北端ガソリンスタンドで給油。安田石油店さん。同じく日本最北端給油証明書と、貝殻のキーホルダーをゲット。貝殻にはマジックで「交通安全」と書いてあります。
もう7時です。近くのキャンプ場に急いでテントを張り、風呂へ。これまた最北端温泉、童夢へ。
入浴中、オタクめいた東京の学生さんらしい2人組と、どう見てもヤクザとしか思えない入れ墨バリバリの大阪人が談笑してました。謎空間。
稚内市森林公園キャンプ場。
この世でもっともうまいものの一つ、ウィンナーラーメン。北海道で食ったものでこれが一番うまかったです。日本の果てで食うラーメンがこんなにうまいとは。
焚き火の前でぼんやり佇みながら、そういえばこれが人生初のソロキャンプだったということに気づき、火が消えきったことを確認してからもぞもぞとテントに潜り込みます。
続きます。