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※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

James Tyler Japan Studio Elite HD Custom Blue Shmear Edition #1.

James Tyler Japan Studio Elite HD Custom Blue Shmear Edition #1.


意地と気合いと憧れで手に入れたジェームズ・タイラー。日本製のスタジオエリートです。

 

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James Tyler Japan Studio Elite HD Custom Blue Shmear Edition #1.


一言でいうとじゃじゃ馬です。


クリーンはハイの成分が多いカキッとした音で、ミッドブーストをオンにするとさらにその傾向が増します。フェンダーギブソンのように程よい雑味と濁りがあるというより、クッキリハッキリとしたクリアな音で、かと言ってSuhrのようにまとまりのある音でもなく、高域が暴れる、言ってしまうとピーキーな音です。


リアの歪みも同様で、アルダーボディーのボルトオンギターのイメージ通り芯はあるものの、レスポールのように低域高域がよく出力される暴れん坊具合も目立ちます。


「暖かくて雑味のあるクリーントーン」が好きな自分にとっては正直扱いにくいギターなんですが、長年憧れだったJames Tylerなのでそんなこたあどうでもよく、手持ちのギターと明確にサウンドキャラクターが異なるタイラーはこれはこれで面白くて、たまに持ち出して使っています。お気に入りです。


使える使えないを理性の端に追いやって、憧れ一発で手に入れたギターです。

 


この手のギターを買ったのは初めてだったので、一通り弾いた後は即効バラしにかかりました。

 

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安定のタイラー弁当箱ザグリ。黒い部分はノイズ対策の導電塗料でしょうか。

 

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Studio Elite HDなのでハムキャンセル用のダミーコイルは入ってません。フロント・センターはノーマルのシングルコイルです。ピックガードの銅箔テープによるシールディングは電装部品の載っかってる箇所のみ。

 

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ボリュームポットはCTS500kΩのAカーブ、トーンポットはCTS250kΩのAカーブ。

 

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ネックジョイントプレートは二重になってます。ツイッターで聞いてみましたが、音響狙いというより単にネジ穴の保護が目的じゃないか、との意見が多かったです。

 

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ストリングガイドはありません。代わりにペグシャフトの高さでテンションを稼いでるようです。Suhrもそうですよね。ちなみに指板Rは11だそうです。

 

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購入時ブリッジはフローティング状態でしたが、買って半年程経ってからベタ付けに調整し直しました。ストラトのスプリングをRaw Vintageの5本張りに換えたときに余ったやつを2本追加。生鳴りの音量は増した気がします。フェンダーは購入以来ずっとベタ付けですが、タイラーは気分でフローティングに再調整しようかとも思ってます。

 

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上が購入時、下が調整後です。

 

ボディー材はアルダーです。出来れば噂のマムヨが欲しかったんですが、たまたま印象が良かった個体がアルダーだったので…。ただまあ塗りつぶし塗装ということもあって、ボディー材にはあんまりこだわりませんでした。

 

リアピックアップだけはその内ブラックのRetroにでも換えようかと画策中です。本当はリアハムは黒が好きなんですけど、これまた印象が良かった個体がこれだったので…。



James Tylerを初めて知ったのは2013年頃で、下記の動画の人が使い始めたのがきっかけでした。

 


Amagami SS OP i Love on guitar


すげーヘッドロゴ…。


元々フィンガーピックのソロギター野郎だった自分にとって、スタジオエリートに代表されるタイラーは本来縁遠いものでしたが、「クリーン主体のジャズ系の方がソロギターで使い始めた」ことはインパクトが多大であり、「エレキに行くならタイラーほしいな」はこの頃すでに刷り込まれていたことになります。


それから4年。


がっつりエレキを弾くようになり、苦手だったリアハムディストーションにもちょっとずつ手を出すようになってしばらく。「歪みの音はセットネックよりボルトオンギターの方が好み」ということに段々気づき始め、そうなると漠然とした憧れを保ち続けていたJames Tylerを楽器屋で見かけるたびに、以前に増して目で追うようになってきました。


さらに後押しがあったのは、年が明けた2019年。会社で上司から別室に呼ばれ、何だ何だと身構えていたら果たしてそれは昇格の内示で、そのとき私は職責が上がるプレッシャーを感じるより先に「4月にいくら給与が上がるか」の計算を始めており、部屋から出る頃には「これはいける」との確信を得ていました。現金なものです。


かくして2019年初頭。真冬のSSHスーパーストラト探しの火蓋が、静かに切って落とされることとなりました。



仕様については、わりと早い段階で、James Tyler Studio Elite HD、ミッドブースター付、メイプル指板までは絞り込みが完了しました。


なんでかというと、あれこれ触った限りタイラーはどのモテルでも「音が硬めでハイがよく出る」という傾向がそんなに変わらなかったからです。


USAのClassic、3シングルでブースターなしのモデルでも、もっとフェンダーっぽいのかと思いきや所謂タイラーの音がしました。それならいっそタイラー独自のモデルであるStudio Eliteにした方が買う意味があると思うに至ります。ノーマルのSSHなら改造G&Lが手持ちにありますし。


そうなると今度は、フルオプション仕様であるStudio Eliteか、ミッドブースターのみの仕様であるStudio Elite HDか、ミッドブースターもオミットされたStudio Elite HD-Pか、はたまたBurning Waterと、どれにするかなんですが…


最初に試奏したタイラーが、よくわからないまま触ったフルオプションだったんですよね。正直ツマミが多過ぎて扱いきれる自信がなかったのと、フルオプション独自のクォーターパウンドポールピースのせいなのか、HDに比べて音が繊細な、言い方を悪くすれば細く感じました。かといってHD-P、ミッドブースターオミットの仕様も、「どうせタイラー買うならハーフトーンでクリスタルクリーン出したい」という思いから除外。結果的に、現行でスタンダードな仕様であるStudio Elite HDに狙いを定めるに至りました。

 

ちなみに、Suhrやトムアンにする選択肢は途中から消えていました。兎にも角にもタイラーが欲しかったようです。


あとはもう都内の個体を探し回るだけです。


他に迷った要素は、「キルトトップかシュミアーカラーか」「USAかJapanか」「ローズ指板かメイプル指板か」なんですが、結果的には全部後者に落ち着きました。


ブルーバーストのキルトトップには阿部学さんの影響で憧れがあったんですが、結局自分で抱えてるイメージが付かず断念。一点だけ、JapanのRear Routeのブルーバーストの個体が池袋のイケベに現れたときはかなり心が動きましたが、見にいったときは売約済みでした。この個体とは後々ツイッターで再会。どちゃしこすこえるてぃ氏、超かっこいいです。


ローズ指板かメイプル指板かは、手持ちのギターに貼りメイプルがなかったことから後者を選択。USAかJapanかは、最終的に値段で日本製に決めました。買うならいっそ本家とも思ったんですが、値段考えると、触った印象がどれだけ良くても踏ん切りがつかず…


思いのほか弾がないなあと思いつつ、都内を放浪して数ヶ月。


2019年3月上旬、渋谷のギターズステーション、池袋のイケベロックハウスに入荷したUSAのシュミアーカラーを試奏するも「100万かあ」と思うとどうしても踏ん切りがつかず、最後にもう一件と、渋谷ミュージックランドKey渋谷店に立ち寄り、しばらく在庫されていたシュミアーカラーのJapanを改めて見物。「あれ…?写真よりかっこいいな…」と思い、試奏を申し出て2秒後、購入を決意するに至りました。


こういうのは握って音出したときのファーストインプレッションが一番ですね…。

 

 

最後に。タイラーの特徴であるミッドブースターですが、フロントクリーンを使うときは基本オフにしてます。オンにすると張り過ぎた音になって扱いにくくなる印象がありますが、オフにするとニュアンスが出しやすくなるので「ちょっとクリアなストラト」くらいのイメージで使えて気に入ってます。

 

ディレイとコーラスを掛けまくった所謂クリスタルクリーンを出すときは、ミッドブースターもオンに。音の芯が増すので、線が細くなりがちなエフェクティブな音にはよく合います。

 

歪みの時は気分でオンオフにして使ってます。出来れば、リードを弾きながらボリュームを弄っていって、フルアップにしても足りないときにミッドブーストを上げていく粋な使い方をしたいもんです。

 

憧れ一発で手に入れたギターですが、おかげで少しは幅が広がった気がします。ブースターの使い方に慣れてきて、金銭的にも余裕が出ることがあれば、フルオプションのブルーバーストやら、SSHのClassic(ブースターなし)やら、ピックガードレスのRear Routeやらにも手を出してみたいと思います。

 

※追記になりますが、タイラージャパン、ケースがかっこいいんですよね。溢れ出るウェポン感

 

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