Sweet Honey Overdrive / Mad Professor
Mad Professor Sweet Honey Overdrive.
スウェーデン出身のビルダー、ビヨン・ユールが設計を担当するフィンランドのメーカー、Mad Professor社製のオーバードライブです。
Mad Professor Sweet Honey Overdrive.
ローゲイン、ナチュラル系の歪みペダルです。
ビヨン・ユールが奥さんと経営していたハンドメイドメーカー、BJFEブランドのHoney Bee Overdriveを元に、大量生産向けに作り直したのがこのモデルだそうで、元ネタのHoney Beeは「自分達が昔パンクバンドで使っていた『強くピッキングしないと歪まない小型アンプ』をイメージして作った」とThe Effector Book Vol.32のインタビューに載っています。
どうもその小型アンプというのがスプロらしく、実際こいつがスプロっぽいかどうかは分かりませんが、「小型アンプのボリュームをパンパンに上げたような音がする」ペダルという意味ではたしかだと思います。
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発売は(調べた限り)2009年頃。以来売れに売れて、一時期人様のボードを見ればこれが置いてあるような状況でした。
大分遅れて手を出した私ですが、今や一番のお気に入りです。オーバードライブは、BD-2、ケンタ系のVoyager、TS2発、アンプ直とあれこれ試しましたが、結局これに落ち着いて、以来3年程使い続けています。手放せません。
常時オン、プリアンプ的に使ってます。
DRIVEはマックスまで上げてもあんまり歪みませんが、コンセプト通りアンプがパンパンになったような状態になるので、ピッキングで歪ませる感じが楽しいです。クリーンにするときはギター側のボリュームを絞り、元気を出したいときはボリュームアップ。こうするとちょっとだけ粘り気のある、アンプを爆音で鳴らしたようなクリーンが出せます。ガッツリ歪ませたいときはTSを踏んでブースト。いい感じのクランチになります。使い勝手が良いです。
FOCUSというツマミが特徴で、所謂トーン的に効くことは効くのですが、イコライザーというより「歪みがどの帯域によく効くか」が変化する印象です。Effector Book Vol.32でのビヨン・ユール曰く、「これを弄るときは激しい音楽を演奏してください」とのこと。おそらく上げるとハイがギャンギャン言い始めるので強めの音に合うぞということでしょう。私は12時を基準に、トーンのつもりで上げたり下げたりしています。
ちなみに複数バージョンがあって、①ハンドワイアード版、②プリント基板版、③BASSとTREBLEツマミが加わってゲインが上がったDeluxe版の3つが出ていますが、私のはおそらく一番一般的であろう②のプリント基板版です。好きなペダルなので、機会があったら①と③も入手したいと思っています。
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エレキギターを始めてしばらく、歪みペダルを物色し始めた頃、しばらく借りて使ったことがあります。
漠然と印象はよかったのですが、数ヶ月使っての感想は「あんま歪まないなこれ」という身も蓋もないもので、そのうちゲイン幅の広いBD-2に移行するに至りました。思い返すと当時、「せっかく金払って買ったんだからゲイン低いのは損だよな」などと考えていた記憶があります。比較的クリーン派な私でしたが、それでもギター初心者小僧にはゲイン量は正義のようです。
が、しばらく経って、BD-2のゲインを上げたときのザラザラ感が気になってきて、もう少し透明度の高い歪みがいいなと思い始め、所謂『トランスペアレント系』に目を向け始めたところで思い出したのが、以前使っていたSweet Honey Overdriveのナチュラルさでした。
一度だけFenderの15Wアンプのボリュームをマックスにして弾いたことがあるのですが、そのときの歪み方に似てたなあれ、と。
ゲインの低さは相変わらずですが、ボードを組み終えた後だったので、ゲインを上げたいときはTSでブースト、ディストーション的な音を出したいときはSL Driveを使えばよいと思い、池袋のイケベGET STOMPで新品特価品を発見、購入。以来延々とこいつを使い続けています。最近はファズを使うとき以外、ほぼオフにすることがありません。
購入時についてきた謎の御守り。
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とりたて好きなギタリストが使っているということはありませんでしたが、自分の求める音に合うペダルを自分で見つけて長く使っているということで、結構なお気に入りです。
…などと書いたところで、小原莉子のボードにFOCUSツマミマックスで入っていたことを思い出しました。おそらくブースター的に使ってるのではないかと思います(最近は2時くらいで落ち着いているようです)。