ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

録音後記『The Light (Cover) / 3020 SOULS』

ライナーノーツ的な何かです。

 


2019年6月の録音。マイク録り。CommonのThe Lightのカバーですが、カバーにしてはメンバーの色が濃く出た演奏だと思います。


マイクはFocusrite Scarlett CM25、インターフェースはFocusrite Scarlett 2i2、アンプはFender Super Champ X2、ギターは、サビだけストラトのフロント、それ以外は全部レスポールのフロントです。


ギター録音の段階ですでにビート、ピアノ、rucaさんのボーカルが入っていて、この時点ですでに形が出来ていた上にやたらとグルーヴィーだったので、「これにどう混ざれってんだ」と頭を抱えた記憶があります。


悩んだ結果、コードに色を付け足すような感覚で、バースは単音カッティング、サビは和音とアルペジオもどきを弾きました。最初は全部ストラトで弾いていたんですが、曲調がマリーナ・ショウのFeel Like Makin’ Loveみたいだったので「もうちょっとソウルっぽく音を濁した方が馴染むんじゃないか」と思い、レスポールのフロントをSweet Honey Overdriveでちょっとだけ持ち上げ、ギター側のボリュームで調整して弾きました。程よく引いてくれたんじゃないかと思っています。


思いのほか苦戦したのはバースの単音カッティングのノリ方です。


いざ録ってみると走る走る。聴き直しては「もう少し後ろ」と試行錯誤しながら弾いていました。聴き返すとギターのノリだけちょっと浮いてしまっている気もしますが、兎にも角にも、単音カッティングの難しさを痛感した良い経験でありました。


アウトロソロは、こういうのもなんですが自分としては会心の出来です。


リズムが一部よれてるんですが、好みのフレーズが弾けました。この時点ではLanc3さんのラップは未録音でしたが、原曲のリリックがリリックだったので気持ちをそっちに寄せて弾きました。追想と感謝と怒りと怨念がこもっております。


サビのアレンジはrucaさんによるもので、毎度カバーをやるときのアレンジセンスがさすがだなと思います。jamjamaさんのハイハットの寄り添うようなリズムと、デリック・ホッジみたいな音のベース、Lanc3さんのリアリズム溢れる優しいリリックが魅力です。


アレンジで嬉しかったのは大サビの繰り返し前、3:07辺りのデヴィッド・T・ウォーカーパクリフレーズにJamjamaさんがディレイを後がけしてくれたこと。あそこ気に入ってるので多謝であります。


 

事の始まりは今でもよく覚えていて、ツイッターでギター入れの誘いをもらったことがきっかけです。

 

2019年5月。新宿で一仕事を終え、どっかで一杯引っ掛けて帰るかーなどと考えながらビルを出てツイッターを開いたところ、相互フォローであったjamjamaさんからDMが届いていました。

 

この方、ジャミロクワイのベース演奏動画を見てフォローさせてもらったのですが、メインの活動分野はヒップホップのビートメイクだったようで、その辺りを全く通っていなかった私にとってはサウンドクラウドに上がる新曲が毎度新鮮であり、聴いては「こういうのも楽しそうだな」などと思っていました。

 

向こうは向こうで、ルーパーを使ったクリーントーンの動画をよく上げていた私と肌感覚が合うと感じてもらえたのか、声をかけるタイミングを伺ってくれていたようです。曰く、「サンプリングではなく楽器演奏を主体にしたビートをやりたいのでギターで参加してみないか」とのこと。

 

本格的にエレキギターに移行してから2年程。そろそろ何かやりたいなあと、バンドのギター募集に応募したり録音機材を買いそろえたりと、あれこれしていた時期だったので、二つ返事で了承。呑みにいく予定を返上して即帰宅し、久しぶりにインターフェースとDAWソフトを起動して録音準備を開始しました。

 

一週間ほど経った休日、再びDMが届き、確認したところjamjamaさんからで、バッキングトラックが完成した旨と曲構成が書かれていました。出先だったので「帰宅後確認する」旨を返信、帰路につきましたが、ふと一文に違和感を感じて再度スマホをオン、よくよく文面を読み返してみました。

 

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……6小節?

 

帰って音源を聴いてみたところ、果たして曲構成は書いてある通りで、「いやーマジかー」と天井を仰ぐはめになりました。

 

サビの6小節アレンジ、フックが聴いてて激烈にかっこいいです。かっこいいんですが、それに混ざるのは他でもない自分です。どう合わせればいいのかさっぱりわかりません。

 

仕方がないので、一先ずコードだけ取ってからバースの単音カッティングを録り、そのままの勢いでサビに突入したところ、何とかあの謎アルペジオが出てきてくれました。実のところデータ提出後、「サビはもう何パターンかほしい」と言われたのですが、「これ以上思いつきません勘弁してください」と泣きついた思い出があります。引き出しを広げたい。

 

ソロは、思いつくままに適当に弾いた仮録音を車の中で聴き直し、翌日本チャンを録る形で完成しました。恐る恐るリーダーに投げ返したところ、OKの返事。初録音だったので死ぬほど不安だったこともあり、冗談抜きで膝から崩れ落ちました。

 

 

何とかこいつが形になったおかげで、正式に『3020 SOULS』という、曲によって参加メンバーを流動的に変化する録音集団が立ち上がり、以降メンバーがそれぞれ声を掛け合っていろんな曲を作ったりカバーしたりするようになりました。

 

リーダーのjamjamaさんとしては「ソウルクエリアンズみたいにしたい」との考えがあったようで、私もこれをきっかけに、90〜00年代のネオソウルを聴き漁るようになりました。この年になって聴くものの幅が広がったのがありがたい…。

 

各メンバー、それぞれ散発的にユニットを組んで曲を作っている状態で、まだ大人数参加曲がこれしかないので、近々みんなでやる曲を増やそうとネタをこねくり回している今日この頃です。皆さん今後ともよろしくお願いします。当面、2月の飲み会が楽しみであります。