ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

PRS Custom24 (Maple Neck).

Paul Reed Smith 2016 Limited Custom24 10Top 1-Piece Figured Top Slate Blue Stained Figured Maple Neck.

 


Paul Reed Smith 2016 Limited Custom24 10Top 1Piece Figured Top Slate Blue Stained Figured Maple Neck


ガッツリ歪みつつハイが抜ける2ハムを探し歩いて数ヶ月。辿り着いたのがこいつ、メイプルネックのPRS Custom24の2016年モデルです。

 

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スペックから言ってしまえば珍品です。我ながらよくまあこれを選んだなとも思いますが、紆余曲折がありつつも「今回こういう音のPRSがほしい」という志向にそれだけハマったんだろうと思います。

 

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怒りのメイプル1ピーストップです。


変な杢目してんなあと思って見ていたらまさかの継ぎ目なしでした。音に影響するかは不明ですがレア感はたしかにあって、買うときの決め手になったかと言われれば間違いなく一助にはなりました。思えばFullertoneのテレキャスターも1ピースボディーなので、私は思いのほか木材関係に惹かれるタチなのかもしれません。ついでに10TOPです。

 

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続いて、メイプルネック仕様です。


マホガニーボディーにメイプルネックのギターというのはこれが初めてだったのですが、「音抜けの良いPRS」を探していた自分にとってはこれがハマりました。音の傾向は後述しますが、通常のマホガニーネックのCustom24と弾き比べて悩んだ末にこちらを購入。それならCE24でいいじゃないかという話ですが、今回手持ちのギターとの差別化もあって『セットネックのマホガニーボディーの2ハムで、レスポールより歪ませたときに密度があるやつ』がコンセプトだったので通常のCustomに狙いを定めておりました (CEはボルトオンネック)。


それとPRS、ボリューム・トーンポッドの部分の木部加工が好きなんですよね。

 

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CEやSEはここがフラットです。加工コストの問題か。操作性にどう影響があるのかは比べてないので分かりませんが、見た目の好みの問題で落とし込み加工をしている方が私は好きです。

 

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ネック裏もゴリゴリに塗装されてます。


ツイッターかどなたかのブログで見かけた表現に準じて、私はこれを『メンヘラネック』と読んでいます。こいつの場合SLATEカラーのせいか実に不健康そうな色合いで、試奏中もこの派手なネックを受け入れられるかが懸念だったのですが、最終的に「いざとなったらショップに頼んでリフィニッシュすることも検討しよう」と割り切ることにしました。



音色の印象は、「クッキリハッキリした音が出るハイパワーな2ハムギター」です。


私がエレキに傾倒し始めてから「PRSって多分こういう音がするんじゃないか」と想像していた音がします。クリーンは雑味の少ないクリアな音、歪みはハイパワーで深く歪み、リードを弾くと伸びやかで太い。思ったよりリアの歪みにバイト感があったのは嬉しい誤算でありました。


というのも、私が触った個体に特殊仕様のものが多かったせいか、PRS、特にCustom24の音の印象に「抜けないモコモコしたマホガニー2ハムギター」というイメージがこびり付いておりまして……。PRSというと癖の少ないクリアな音と言われる世の印象と大分ギャップがありました。


さらにいうと、実のところ昔一本PRSを持っていたことがあります。

 

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人生最大級に仕事が炎上していた2017年。私生活でもロクなことがなく憂さ晴らしがてらに買った、Custom24-08です。完全に見た目に惹かれて買った衝動買いの一本です。ピックアップが58/15 MTという比較的ローパワーのモデルであり、そのせいなのか他2ハムギターとの差別化がイマイチ取れず、今のメインのストラトを買う際に手放してしまいました。

 

見た目は最強に好きだったのですが……。今だったら調整等で少しは扱い切れるのではと、中古で現れないかデジマートを眺める日々です。

 

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思えばこいつ、フロントピックアップが何故か逆に取り付けられてるんですよね。24フレットモデルだからピックアップの取り付け方で甘い音を、というなら通常位置のが有利なんじゃと思うのですが……。どういう狙いなんだろう。

 

 

それから2年経った2019年。この年の春から夏にかけて、私の脳内は完全にPRS一色でした。

 

3020に加入して録音に凝り始めたこと、James Tyler Japanを手に入れて苦手だったディストーションに取っ付き始めたことに加えて、好きなギター弾きがやたらめったらPRSを使い始めたことが原因です。

 

John MayerBAND-MAIDの遠乃歌波、声優の大塚紗英、ラブリーマイエンジェル工藤晴香、果てにはセクシー女優の高橋しょう子に、girlghostのテレキャスターことnemo asakura氏まで。

 

ツイッターを眺めているだけで雪崩れ込んでくるPRSの情報に脳みそを侵食された私は、「昇格して給与も増えたし、少しは弾けるようにもなってきたし、もう一本くらい歪み用の竿があってもいいんじゃないか」とふらふらと楽器屋を彷徨うようになりました。

 

この辺りの紆余曲折はそのうち別に書こうと思いますが、PRS捜索時、下記のようにかなり志向が変遷しました。

 

①Custom24→定番だしもう一度と思い試すも、フロントクリーンの「音質はクリアなのに音色がモコモコな印象」がどうしても拭えず保留。「Custom24も、エボニー指板だったりメイプルネックだったりコリーナボディーだったりいろいろあるんで、クリーンの抜け感が気になるなら木材で試すのもいいかもですね」との店員さん談が頭に残る。

 

②Mccarty→ふと目に付いたコリーナモデルを試奏したところ印象が激烈に良くてPRSに対するイメージが変わる。クリーンなのにピッキングに食い付く印象。ここから「PRSは22フレットが本質なんじゃないか」とか思い始める。3020でフロントハムのクリーンを多用するようになったこともあり、「レスポールよりクリーンの抜け感のある22フレットのPRS」を求めるようになる。

 

③Modern Eagle→「22フレットのPRSを探している」と話したことから勧められ、ホイホイ試奏。打ちのめされる。過去弾いたギターの中で最強に印象が良かった。ハカランダネックの恐ろしさ。すべてを張り切って買う直前までいったものの、狙いを定めていた個体が売れてしまい喪失感の中ふと冷静になる。

 

狙っていたモダンイーグルが残っていたら、またはコリーナバックのマッカーティーが好みの色だったら、その時点で決着が付いていた可能性がありますが、幸か不幸かモダンイーグルを買い損ねたことで方向転換の機となりました。

 

22フレットのPRSはたしかに印象が良かったものの、レスポールがある以上、同じ方向性のギターじゃどちらか一本弾かなくなるのは目に見えていおり、代わりに少しでもタイプの違うギターは、近年録音で重宝する為に定期的に触る傾向にあります。

 

となると、今回の「PRSがほしい」という物欲に理性で折り合いをつけるなら、下記のようになるんじゃないかと決心しました。

 

「手持ちにない24フレット仕様で、レスポールとは明確にサウンドキャラクターが異なり、ガッツリ歪ませたときに深く歪む上に帯域のバランスの良いギター」

 

 

そうともなればあとは簡単で、Custom24で好みの色と木材仕様のブツを見つけ次第試して比較検討するしかありません。最終的に、マホガニーボディーマホガニーネックのノーマルタイプか、コリーナボディーコリーナネックのモデルか、マホガニーボディーメイプルネックのこやつかの3本に絞り、悩みに悩んだ挙句にこやつに決定しました。

 

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同行いただいた新山氏撮影。新山さんはマホガニーの通常タイプの方が低域にガッツがあって好みと話していましたが、「鳴らす環境にも依るし、あとはもう好みの問題だよね。どっちも良い音鳴らせてると思うよ」と言ってもらえたことで決意。無事お買い上げと相成りました。

 

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購入時のブリッジのセッティング。フローティングかつ結構低めの弦高です。最近アームをグリングリンやっていたら「ガキン!」と音がしてセッティングが狂ってしまったので適当に直しましたが、不安になってきたので近々調整に里帰りさせようかと思っています。


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スプリングはデフォルトで4本。バネの力はやや弱めな気がします。


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配線。バイパスが付いてるのかな…?


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PRSはボディーバックのマホガニーが良いです。


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バインディング。メイプルの杢目がきれいです。

 

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最後に、PRSは新品購入してユーザー登録をすませるとハンガーとハンコが送られてきます。木の触り心地がよいのでどちらも会社で愛用しています。