ライン録りの相棒、Positive Grid社のギタープロセッサーソフトウェア。エフェクター・アンプ・キャビネットの統合シミュレーターソフトです。
購入以来大変に重宝しており、アコースティック以外の大半はこれで録ってます。ライン録りはクリーントーンがカリカリするイメージが強かったのですが、ちゃんと設定すれば十分に野太いクリーントーンが出ます。
夜中だろうが何だろうが、自宅で爆音の歪みをガン鳴らし出来るのはどう考えても最高です。ストレスがすっ飛んでいきます。
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詰まる所がマルチエフェクター・アンプシミュレーターの統合ソフトです。
単体でも起動しますが、メインの使い方はDAWソフト上でプラグインとして使い、録音・プレイバック時のドライ音に都度掛けていく形です。
グレードは、使用できるエフェクト数・アンプ数に応じて、Standard、Professional、Eliteの三段階。私はセールに託けてEliteを買いました。149ドル。日本円で16,000円くらいだった気がします。
ギタープロセッサー関係、周囲でHX Stompが流行り始めていた時期だったので、ハード機材であるそちらも検討しましたが、BIASは値段が安かったことと、サナトリウムさんはじめ周囲に使用者が多くオススメもされていたこと、ハードと違って録り音に対しエフェクト・アンプが変更できること、外に持ち歩く場合は今のところ然程デカすぎもしないペダルボードでいいだろうとの考えで、ソフトでの購入を決意。デモ版でテストは完了していたので、2020年の年始にEliteへのアップグレードを敢行しました。
あれこれ試した結果、音作りの肝はブースターと、キャビネットに立てるマイクの位置のようです。
通常のマイク録音と同じっちゃ同じですが下記の設定で録ったのが冒頭のYoutube動画の音です。
<クリーントーン設定>
ブースター、アンプ、キャビネット(及びマイク)、ディレイ、リバーブの順。
これに、クランチの時にはケンタウロスモデルのオーバードライブに、気分でTSモデルのブースターを追加。
ディストーションのときにはオリジナルのディストーションペダルを追加しています。
この辺のことをよく分からず、デモ版インストール直後、アンプ直・キャビネットをデフォルトの設定(マイクSM58をキャビネット真っ正面最接近)のまんまで録った音が下記の通りです。
BIAS FXのデモ版をインストールしまして、クリーンの音を試してみました。
— 梁井 (@hurryharryhurry) 2019年7月28日
これでもギター側のトーン5です。例によってレスポールのフロントですが、ストラトだと思って弾けばかなり使える音がします。 pic.twitter.com/PLDfFUz6bx
これでもフロントでトーンを3まで絞ってます。ストラトみたいな音だと自分では思います。
次に、手前にブースターをかましてディレイを掛けた音。マイクは変わらずキャビネットの真正面真ん前です。
BIAS FX2でジムホールとパットメセニーのアルバムにこんなのあったよな的なソロフレーズを弾いてみました。音作りに苦戦してます pic.twitter.com/rZZ7hTwN8I
— 梁井 (@hurryharryhurry) 2020年1月21日
最後に、キャビネットに対しコーンの端を狙ってやや距離を取ったコンデンサマイクの音を足したのが下のやつです。
出張帰りにジムホール聴いてたので。レスポールのクリーンのライン録りテストです
— 梁井 (@hurryharryhurry) 2020年2月27日
You'd Be So Nice To Come Home To / Jazz Standard pic.twitter.com/LYI9LauDVr
通常のマイク録り同様、兎にも角にもマイクを立てる位置で音が激変します。ギターを持ち替えたんじゃないかと思うくらい。クリーンは少しキャビネットから離してあげて、ややコーンの端を狙った方がエアー感のある柔らかい音になって好きです。
ギター側のボリュームに対する歪みの追随性も全般的に高いので、この辺り本当に良くできているとしみじみ感じます。普段アンプで鳴らして音を録っているのと同じ操作感で扱えます。
なお、気分でペダルボードをかまして、Sweet Honey Overdriveだけプリアンプ的にオンにした状態でオーディオインターフェースにぶち込むこともあります。冒頭のYoutube動画の最初、酒とバラの日々を弾いているストラトの音がそうです。良くも悪くも野太いアナログな音になりますね…。
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気になる方はデモ版が無料でインストールできますので下記からぜひ。定期的にビープ音がなるので本録音じゃ使えませんが、私のようなソフトウェア音痴の「ちゃんと音が出るとこまで辿り着けるだろうか」という不安は解消できます。上の方のツイッター動画はデモ版で録ったやつです。
※記憶の限りでは、インストール時に自動的にプラグインフォルダが指定され、インストール後にDAWソフト上でプラグインフォルダの読み込みを行えば使えるようになるはずです。直接ファイルを読みに行けばスタンドアローンでも使えます。
私が音を出すまでに詰まった点は2つ。
1つ目は、BIASじゃなくてDAWソフトの問題ですが、トラックにプラグインをかました後、そのトラックの録音選択ボタンを押さないと音が鳴らないこと。当たり前の話ですが15分くらい音が出ねー出ねーと唸ってました。
2つ目は、製品版にアップグレードした際、インストール後に一度トーンクラウドにアクセスしてFX2自体をネットに繋げる必要があったこと。一向に使えるエフェクトが増えないのでビビって2回インストールしてしまったという。
そういえば、トーンクラウドにアップロードされているプロのセッティングはまだ試していないのと、ストラトの音をレスポールに変えることが出来るというギターマッチシステムはまだ使っていません。今後の楽しみに取っておきます。
また、一部歪みでノイズが発生しています。これは多分私の問題で、BIAS側のビットレート設定だろうと指摘されていますが、今のところ好みのエフェクトではノイズが出ないので確認せずにそのままにしています。当面はクリーンとクランチとディストーションが出ればとりあえずそれでいいやと考えている節があります。