ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

コペンローブ、北陸に行く。その2。

8:00過ぎに起床。今日は1日徒歩で金沢観光です。

 

コペン旅行記でありながらコペンに乗らない日があるのも何ですが、本人も本人で、同じ土地に連泊することがそうないので不思議な気分です。朝食がてら買ったコンビニパンをパクつきながら散策を開始します。

 

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金沢地方裁判所石川県立図書館

 

歴史のある街にしては建築がいちいち現代的です。景観が不思議だなあと思いながら歩いてましたが、調べてみるとどうも金沢は歴史的に戦火・空襲の影響を受けずにここまで来たらしく、他の都市に比べて江戸以前の街並みがそのまんまに残っているようです。

 

その為に、市がいち早く(1968年)伝統環境保存条例を制定して景観の保存に乗り出し、かつ市全域を「伝統環境保存区域」、「伝統環境調和区域」、「近代的都市景観創出区域」の3つに区分することで、古い街並みの保存と近代建築の呼び込みを、うまいこと両立させてここまで来た、というのが背景だそうです。市が超意図的に作り上げた景観と考えると、なかなか感じ入るものがあります。

 

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途中発見したビールスタンド。ヒューガルデンを一本いただきます。時刻は9:45。背徳的。外で飲むベルギービールが500円ってハイパー安いですね。

 


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今回一番の楽しみだった鈴木大拙館です。

 

出張の飛行機の中、ANAの機内誌『翼の王国』で特集されていたのを読んで以来、ずっと気になっていました。仏教と禅思想はせっかくなので理解しようと資料を読んだもののイマイチわかりませんでしたが、建物の在り方が好きで午前いっぱい居座ってしまいました。

 

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※あまりに印象的で思わず写真に残した2016年8月号『翼の王国

 

鈴木大拙(1870年11月11日〜1966年7月12日)。1800年代末からアメリカで禅を”ZEN”の横文字で広めた近代日本最大の仏教学者。奥さんもアメリカ人という、戦前からハイパーにグローバルな哲学・宗教学者です。1950年代にはコロンビア大学ジョン・ケージも講義を受けたとのこと。

 

仏教における禅を欧米に広めた第一人者とのことで、つまるところHermida Audio Technologyの名機オーバードライブ『Zen Drive』も、鈴木大拙がいなければ世に出ていない可能性もあるやもしれません。Zen Driveは弾いたことがありませんが、ロベン・フォードは大好きです。


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『水鏡の庭』に在る『思索空間棟』。ここでぽけっとするだけで1時間くらい使ってしまいました。


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鈴木大拙館に隣接する、加賀藩重臣・本多家由来の松風閣庭園。ここもふらつくのに静かでよかったです。


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ありがとう鈴木大拙大先生。

 


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11:30過ぎ。早めの昼食として、目に付いた蕎麦屋に駆け込みます。


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瓶ビールにざる蕎麦かつ丼セット。昼からこれをぶちかませる幸せ。


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夕飯に食おうと思っていた居酒屋は残念ながら休業中でした。よくよく考えりゃこの日盆明けなんですよね…。会社の後輩が前日ここに来ていたらしいのですが、「超おいしかったです!!!」とラインが来ていました。しかもあんにゃろう恋人と来てやがった。虚無。

 

気になっていた蛇之目寿司も休みでした。夜も海鮮丼だったので、金沢で寿司を食い損ねたことが唯一心残りです。また来たい。

 


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午後には大物を2つ残しています。まずは略称『まるびぃ』こと金沢21世紀美術館。写真撮影がOKな作品が多いのも嬉しいです。


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NASA(アメリカ航空宇宙局)にも勤務していたアメリカ出身の心理学・天文学者ジェームズ・タレルの作品『Blue Planet Sky』。通称『タレルの部屋』。常設作品の1つです。これまたぽけっとしているだけで時間が過ぎていく。


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アルゼンチンはブエノスアイレス出身、レアンドロ・エルリッヒの『スイミング・プール』。通称『レアンドロのプール』。ラルクのLinkのPVで有名ですね。

 

そのほか印象深かったのは、やくしまるえつこの曲が流れる展示と、インド出身アニッシュ・カプーアの『L'Origine du monde(世界の起源)』という展示です。

 

青い塗料をうまく使うことでどこからどう見ても立体感の掴めないひたすらに真っ暗な穴、という展示です。見ていて何ともいえない不気味さを感じつつ、不快でないという感覚がおもしろかったです。あれはまた見たい。

 

 

最後の観光は泣く子も黙る兼六園です。


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加賀藩によって、金沢城の外郭に造られた藩庭。回遊式庭園という、園内を歩き回って楽しむタイプの庭園です。ルーツは1600年代。代を経るごとに加賀藩主に整備されて愛されたとのこと。命名松平定信。池と噴水が特徴のようです。


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噴水。原理は極めて簡単で高所から低所に水を流すことで生まれる圧力が動力のようです。ポンプがない時代はどうやって高所に水を戻してたんだろう。普通に雨で溜まるのだろうか。


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松。兼六園に500本以上生えているようです。市ヶ谷有咲が喜びそう。


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霞ヶ池。

 

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街並みを臨む。

 

散歩してるだけで楽しかったです。兼六園、雪を纏った冬の景観が最高だと聞くので、冬に再訪したいと思います。

 


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歩き疲れて一度宿に帰り、夕飯の場所を探していたらあっという間に暗くなってしまいました。近江町(おうみちょう)市場で海鮮丼をかっ喰らい、宿に戻って風呂を済ませ、共同の台所エリアでビール片手に明日のルート決めをします。


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散策も良かったですが、旅行で一番楽しいのってリラックスしながら次の日のルート考えている時間だとこの日しみじみ思いました。

 

続きます。