ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

呑み屋紹介『信濃路 / 鶯谷』

歴史と文学とラブホの街、鶯谷

 

戦後の簡易宿に端を発するラブホテル街、完全予約制の激ウマ焼肉店である鶯谷園、奇書を揃える古書ドリス、正岡子規の子規庵などなど、JRと国道4号線に挟まれた狭いエリアに結構な謎スポットを有する、歴史と欲望の渦巻く小さな街です。

 

入谷界隈は土地価も手頃なので、私の友人知人も結構この辺りに住んでいます。音出しOKのマンションもあるのでDTMerも居を構える人が多いとか。

 

日比谷線入谷駅が帰り道ということもあり、呑み屋も多いので私もたまに降りているのですが、ここに泣く子も黙る24時間営業の居酒屋があります。

 

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信濃路。

 

年柄年中やっている大衆食堂兼居酒屋です。『鶯谷店』とあるので調べてみたら、蒲田と平和島にもあるようで、大森店は残念ながら閉店した模様。私はソングライター兼テレキャスターでいらっしゃるnemo asakura氏のツイッター投稿で知りました。

 

店名の由来は、東山道木曽路の別名でしょうか。信濃路、広義には『現在でいう長野界隈の道、またはそこに至る道』のことを指すようで、もしかしたら創業者がその辺りの出身なのかもしれません。そういえば、と思ってついでに調べてみましたが、新宿の信濃町も、江戸時代に信濃守の幕臣の屋敷があったことが地名の由来のようですね。


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写真一枚で説明するとこんな感じです。瓶ビール、もつ煮、ハムカツ。これで1,000円ちょっと。大正義。

 

カウンターフロアとテーブルフロアが完全に分かれているせいか、夜だろうが深夜だろうが明け方だろうが真昼間だろうが、いつでも程よい喧騒の中でちびちびと飲み食い出来ます。この辺りの独特な雰囲気と、『何頼んでも大体普通にうまい』という安定感と、メニューが豊富で何度来ても飽きが来ない点が魅力です。

 

どこかで飲んでいた時に珍しく隣のおっちゃんに話しかけられ、『普段はどこで飲んでるのか』『最近は鶯谷信濃路がお気に入り』と答えた際、『西村賢太のよく行く店じゃないか。読んだことない?芥川賞の』と言われたことをよく覚えています。調べたところこの作家さん、中学卒業後から鶯谷で一人暮らしをしていたという剛の者でいらっしゃり、『かけそばが150円で食えたのでとにかく通い詰めていた』とのことです。当時は飯メインの店だったんですね。

 

<メシ通 / ホットペッパーグルメ>

芥川賞作家・西村賢太が自身の半生で見てきた食風景と、消えない郷愁の味

https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/takahiro-iguchi/18-00472

 

 

私のこの店の第一印象は、『兎にも角にも入口がわかりづらい』です。

 

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メインの入口。信濃路の看板の真下は自販機が並び、『早い・安い・うまい』の看板の下に提灯と入口があります。最初『ここはホントに信濃路なのか?そばやじゃねーのか?』と不安になった記憶があります。


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結局最近は裏口らしいこっちから入店しています。『プランタン』という高坂穂乃果が所属してそうなラブホテルのある路地から入れます。


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最初のアテはスナップエンドウがオススメです。冷えており爽やか。結構な量があります。マヨネーズが添えてある。たまに売り切れていることがあるのが玉に瑕です。


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もつ煮。これもすぐ出ます。カウンターに座ると目の前に各種煮物系の鍋がズラリと並んでいるので食欲をそそります。


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揚げ物系は大体うまいです。ハムカツ。4枚出てくる。


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かぶのおしんこスナップエンドウがないときはこっちを頼みます。揚げ物と合わせて食うと良いです。


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最近の一推し、白身魚のフライ。

これは是非食べていただきたい。旨味がそのまま揚がってるレベル。どんぶりで食いたい。


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サワーは基本ハイサワーとナカで出てきます。ナカの量はわりと多め。


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瓶ビール→レモンサワー→青リンゴサワーのコンボで大体の敵は倒せます。

 


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以上、居酒屋メニューでしっぽり座って飲みたいときのファーストチョイスです。写真の右側は白菜のおしんこ。これも結構酒が持ちます。全体的に値段の割に量が多い気がしますね。

 

せっかくの24時間店なので、次行くときは朝やら昼やら、変な時間に行きたいですね。

 

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最後に。いつだか締めにラーメンを食ってみましたが、結構な酔いのせいでうまかった以外の味の記憶がありません。