ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

梁井、コペンローブを降りる。

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このたび、車を買い替えることになりました。


2015年の夏にコペンローブが納車されてから、約8年。走行距離は78,000kmちょい。思えばこの車で、北海道の宗谷岬から鹿児島の先っちょまで、あちこちよく走ったものです。その他、東北、北陸、信州、四国、山陰山陽と、車で行けるエリアは一通り走破したのではないでしょうか。


『乗り換え』の4文字がぼんやり頭に浮かび始めてから2年とちょっと。この間、私の周囲におけるマイカー事象は、それはもういろいろなことがありました。


AMG V8の虜になったライトウェイトスポーツ乗り。エアサスを入れて悦に入っている60年代旧車オーナー。楽器弾きだったものの楽器メーカーに就職した為か趣味の楽器から遠ざかり結果としてサーキットにハマり始めたRX-8乗りの若者。オープンカーに心奪われた水平対向の距離ガバ氏。ーーそして、この1年半で4台の車を買うに至った新山さん。


まだまだ知識はないものの、おかげで様々な刺激、車に対する考え方、車に対する多種多様なスタンスに触れることができまして、自分が次の車に何を求めれば満足できるのか、概ね固まってまいりました。各位には感謝しております。


というわけでこれからしばらく、自身の買い替えに至るまでの経緯を、記事として書き残していきたいと思います。『自身の』と言いながら、メインは新山さんの買い替え車にひたすら横乗りしていった所感になると思うのですが…。合わせて納車までの間、周囲の皆の愛車と、それぞれのスタンスと、私が感じた思いを振り返っていけたらいいなと思っております。

 

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初撃として、まずは8年乗った私のコペンを振り返らせていただきます。いやホント楽しい車だった…。


コペンローブ(2015年式5MT)

 

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エンジン:KF型 658cc 水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ

ボディサイズ:全長 3,395 × 全幅 1,475× 全高 1,280mm

ホイールベース:2,230mm

トレッド:前/後 1,310/1,295mm

タイヤサイズ:165/50/R16

車重:870kg

最高出力:64ps(47kW)/6400rpm

最大トルク:9.4kg・m(92N・m)/3,200rpm

変速比:(1~5/後退)3.181/1.842/1.250/0.916/0.750/3.142

最終減速比:5.545

最小回転半径4.6m


軽快で、ぶん回せる、元気で気の良い小型犬みたいな、パートナーとして最高のオープンカーでした。


買い替えの理由となった大きなポイントは、おもちゃのようなエクステリアと、『助手席に人を乗せる』という行為に向かないコペンの特性です。

 

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これはひとえに見栄の問題です。歳を取るごとに着ている服や身に付けているものが追いつかなくなって、趣味が変わるタイミングが30歳を過ぎるとあると思うのですが、アレと同じだと思います。


気の置けない友人を乗せる分には何の問題もありません。出来ればそいつの髪が風に煽られても特に支障がなく、車内の狭さを気にしない人間で、『シートからのロードインフォメーションは程よくあった方が助手席といえど車に乗っている感覚があって良い』と判断し得るタイプであれば、なお適していることでしょう。


仮に、仮にですけど、女性を駅まで迎えに行くことを想像してみてください。


この車を初めて見た第一声は大体「可愛い車に乗ってるね」で、彼女の手荷物が足元における小さなバッグのみであることに安堵しながら、助手席のドアを開け、車内に迎え入れます。ドリンクホルダーは後付けのものがエアコン吹き出し口のセンターに1つ。それ以上は体を捻って手を伸ばす必要のあるセンターコンソール後方に2つ。自身のコーヒーはすでにそちらに移動させてあります。「狭くない?」「大丈夫」などと会話を交わしながら、シフトチェンジの際に肘がぶつからないよう、普段の倍の慎重さで運転をスタート。「わあ低い!」「速く感じる!」という自身で運転していても定期的に思う感想を聞きながら、「…この車オープンカーなんだよね」「開けてみる?」という提案は、彼女の長い髪と、ウィンドウ越しの炎天下を目にした私の口からは、最後まで発せられることがないーー。


まあこれは、『じゃあ次に乗り換える車はこういうシチュエーションに極めて適合したものなのか』というと、機能的にはともあれ、一抹の不安はあるのですが…。


閑話休題。もう1つの理由として、遠出や峠登りに向かないコペンのローパワーです。

 

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100km/h巡航時のエンジン回転数は約4,000rpm。低い屋根の為、真夏なんかだとクローズドの状態でも、常に元気全開に走る小型犬を炎天下の中で散歩させている気分です。


長距離ツーリングになると大体時期は夏休みで、どうしても一番走行時間が長くなるのは、炎天下の日中なのです。コペンはここでゴリゴリと運転手の体力を削ってきます。


こればかりは、そんなこたぁ気にしないまま、高揚感のままにあちこち走り回れる、若いうちに乗ってよかったと、しみじみ思います。


 

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上記に漠然としたモヤモヤを覚えつつも、それでもコペンは最高の車でした。


夕方、買い物帰り。涼しくなった時間帯を、オープンにしてのんびりと走る。


軽快で、キビキビと走って、回転の吹け上がりには何の不満もなく、何なら乗る度にフィーリングが滑らかにさえなっていく。


シフトダウンして、カーブを曲がって、グイグイと伸びていく車速。視点が低くて喫水も浅いから、速度以上に気持ちがいい。移動する露天風呂に浸かっているような気分。


おそらくはこの先、いつもの街中をのんびり走るたびに「こういう何気ない道でコペンは本当に楽しかったな」とひたすらに思い返すことでしょう。


今でも覚えていますが、購入前の試乗で、さいたま新都心の坂のある街並みをパラパラと走ったとき、夕方の山手通りを流したとき、レンタカーでよく晴れた地元の田園地帯をぐいぐいと走ったときの爽快感と、これが日常で手に入るんだと思ったときの喜びと高揚感は、多分生涯忘れることはなくて、今でも思い返すたびに泣きそうになります。


実際、その喜びはこの8年間、常に私のすぐそばにあり続け、楽しいときだけでなく、苦しいときも、悲しいときも、変わることなく生活に彩りを与えてくれました。



じゃあなんで乗り換えるんだよという話は追って記事に書き記すとして、当記事は8年支えてくれた愛車への感謝で締めたいと思います。サンキューコペン。フォーエバコペン。あと1,2週間だけど、どうかよろしくお願いします。

 

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