ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

コペンローブ、北海道に行く。その6。

6日目。2016年の8/9(火)。曇りのち晴れ。


5:00起床。オーナーさんには朝早く出る旨を伝えておいたので、物音を立てないよう前日にまとめておいた荷物を持ち出し、洗顔歯磨きを済ませて出発します。

 

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早朝のモシリパ外観。


この日の目的地は宗谷岬。今回の旅行のハイライト、北海道の最東端です。


走行距離は385km。1日で走る距離としては許容範囲内ではありますが、網走で観光して稚内でキャンプ泊となると、わりと時間がありません。例によって寄り道を最小限に抑え突っ走ることにします。


なお、北海道ツーリングでしみじみ思い知りましたが、やっぱり早朝の出発は気持ちがいいです。霧の中、早朝の林間、海沿いの道、湿原の中を走り抜けます。

 

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濤沸湖(トウフツコ)。野鳥の聖地らしい。写真だけ撮って退散します。

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網走市に突入。滞在可能時間が2時間しかないのでダッシュで観光します。まずは一度は来てみたかったオホーツク流氷館。


流氷の時期というと1月~3月で、真冬の道東旅行となるとそれなりの覚悟と装備が必要ですが、ここに来れば真夏だろうがいつだろうがモノホンの流氷が保存されています。

 

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流氷体験コーナー。本物の流氷がゴロゴロと置かれています。中はマイナス15度とのこと。塗れたタオルを20回くらいぶんぶん振り回すと固まります。カチカチ体験とかそんな名前でタオルを配ってました。ちょっと感動。

 

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クリオネ。超小さい。もうちょっと大きいと思ってた。

 

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また来ます。

 

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同じく網走市観光ポイント、旧網走刑務所へ。

 

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当時の建物がそのままに、北海道開拓の歴史と受刑者たちの繋がりについて諸々の資料が展示されています。北海道旅行者なら、ここは一度は訪れるべきかと。感じ入るものがあります。

 

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北海道といえばホクレン。初ホクレン給油です。例のフラッグも購入。なお、兎にも角にも急いでいるので朝食と昼食はコンビニ飯です。この日は夕食のキャンプ飯に全てをかける所存。


ひたすら海沿いの国道238線を走り続けて約400km。宗谷郡に入り始めた夕方から、段々と晴れ間が見えてきました。


太陽がこれほど嬉しかった日は人生でも早々ありません。眼を細めながらひた走っていたら、いよいよ宗谷岬へのルート最強の道に突入しました。

 

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エサヌカ線。この世の風景とは思えない。

 

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日本で最も何もない道。記録の写真だけ撮ったら、後は心を空っぽにして走ります。生きている内でこんな時間が何度あるだろうと思いながら、コペンのアクセルをパーシャルで踏み続けます。至福の時間。まるで渾身の合奏が延々と続いているように。この感触は死ぬまで忘れません。

 

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2016年8月9日17:35、日本の最北端、宗谷岬に到着。


さして何があるわけでもないので、日本がっかりスポットの一つだとよく聞きますが、死ぬ気で走って息も絶え絶えたどり着いた場所なので、景色など良かろうが悪かろうが関係ありません。バイカ―がたくさんいましたが、夕日を見ながらしみじみと缶コーヒー飲んだりしてました。感無量です。

 

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梁井、はしゃぐ。

 

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日本最北端ガソリンスタンドで給油。安田石油店さん。同じく日本最北端給油証明書と、貝殻のキーホルダーをゲット。貝殻にはマジックで「交通安全」と書いてあります。

 

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もう7時です。近くのキャンプ場に急いでテントを張り、風呂へ。これまた最北端温泉、童夢へ。


入浴中、オタクめいた東京の学生さんらしい2人組と、どう見てもヤクザとしか思えない入れ墨バリバリの大阪人が談笑してました。謎空間。

 

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稚内市森林公園キャンプ場。

 

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この世でもっともうまいものの一つ、ウィンナーラーメン。北海道で食ったものでこれが一番うまかったです。日本の果てで食うラーメンがこんなにうまいとは。

 

焚き火の前でぼんやり佇みながら、そういえばこれが人生初のソロキャンプだったということに気づき、火が消えきったことを確認してからもぞもぞとテントに潜り込みます。

 

続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その5。

5日目。2016年の8/8(月)。曇り。この辺りから旅程がキャノンボールの様相を呈してきます。


10:00起床。ベッドと布団が気持ち良すぎた…。早起きして早朝の釧路湿原を走ろうと思っていたのにこのざまです。コンビニで適当に朝食を買い込み、そそくさと出発します。


国道38号線に戻り、しばらく市街地を走ります。帯広は流石にデカイ街で、こうして走っている限りは「これから道東に抜けていく」という果て感は薄いです。そのうち道が南に向かっていき、鉄道根室本線に並んだ海沿いの道に出ます。

 

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釧路に入った辺りから霧が出てきました。


写真は白糠町近辺。記念に撮っていた走行中の動画からの抜粋です。さすがに屋根は閉じていた模様。結構肌寒かったのを覚えてます。なお、全く知らない道でこの視界なので、前のバイクがやたらと心強かったです。

 

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道の駅厚岸グルメパーク。昼食がてら生牡蠣を食します。旨い。旨いのですが、段々「このペースで走ってたら周りに何もないところで夜になるんじゃないか」と気付き始め、焦りが出てきました。


ついでに平日となったせいか、会社の連中から近況を問うメールがちょこちょこ届くも、この日に関しては「霧でなんも見えないす」としか返信のしようがなく、土産を楽しみにせいと言い添えてさっさと出発することにします。


この日の目的地は北海道最東端、根室市納沙布岬です。


北海道最東端の最果て感は一度味わっておこうと設定した目的地ですが、いかんせん遠いです。加えて、次の日の目的地が北海道旅行のハイライト宗谷岬の為、せめてもうちょっと先まで進んでおこうと標津町のゲストハウスに予約までしてしまった為、途中で力尽きるわけにも行きません。天気も天気なので途中でキャンセルしてキャンプというのも無理です。はたまた車中泊というのも、人も少ない道東エリアの暗がりで行うのは、あまりに恐怖感が過ぎます。


そんな訳で霧の中をガンガンガンガン突き進みます。

 

海沿いの林の合間を、線路と並行して走る霧の道。前後に車はなし。景観は完全にサイレントヒルです。おまけにここがどこかといえば、日本の最東端エリア。思えば遠くまで来たもんだと感じ入りながら走っていると、気がつけば市街地に入っていました。北海道の最東端、根室市です。


わりと大きな街です。国道44号線から根室市に入ったのですが、役所の前の通りは結構賑わっています。が、市街地を抜け、根室半島線の南側ルートに入ると、建物も少しずつ減っていって最東端が近づいてきたのがわかります。

 

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日本最東端ガソリンスタンド、㈱ヒシサン歯舞SSさんで給油。日本最東端給油証明書をゲット。似たような輩がしょっちゅう来るのでしょう、店員さんが親切でした。

 

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日本最東端郵便局、珸瑤瑁(ごようまい)郵便局。ついでなので友人の結婚式の招待状をここから返信します。


霧の道を抜けて、納沙布岬に到着しました。

 

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この時点で夕方5時。岬のようですが、ごうごうと波しぶきの音がするだけで何も見えません。しかもここ、日本の東の果てです。超怖い。写真だけ取って逃げるように退散します。

 

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隣の公園にあった謎のオブジェクト。


すっかり日が暮れてしまいました。国道244号線、道東海沿いの道路をひた走ります。海沿いとはいえ真っ暗なので右手には底なしの闇しかなく、たまに林の間を抜けるので、いつ鹿やら熊やらが出るか分かったもんじゃありません。急ぐ気持ちを抑えて安全運転で進みます。

 

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標津の浜の湯でさっと入浴。この時点で夜7時半。夜の北海道は二度と走るまいと決意します。

 

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20時半。とほ宿(安い相部屋宿)モシリバに命からがら到着しました。素泊まりで3,500円也。

 

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オーナーさんに遅くなった旨を謝罪し、リビングにて、途中のセイコーマートで買った夕食をかきこみます。安心のあまり写真がブレブレです。


食事中、毎年夏休みに泊まりに来ているというご家族と会話しました。小2の娘さんが「去年モンゴルで馬に乗ったよ」と言う剛の者で、北の果てで、幼女とモンゴルの馬の話をしているこのときが、今回の旅行で一番「遠いとこまで来たんだなあ」と感じ入った瞬間でした。

 

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熊が出たらどうしようかというテーマで談笑中。オーナーのおじいさん曰く、「基本にらめっこしながらゆっくり後ずさり。それでも熊が襲い掛かってきたら、亀のポーズで丸くなれ」「それ諦めろってことじゃないですか」


買ってきた缶ビールも飲み終え、10時過ぎには部屋に引き込むことに。一人客用の部屋に布団が三つ。先に寝支度を始めていたライダーさんに挨拶し、布団に潜り込んだらあっという間に眠りに落ちてしまいました。モンゴルっぽい夢を見たような気がします。


続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その4。

4日目。2016年の8/7(日)。快晴。

 

6時起床。のそのそとテントから這い出すと、新山が早くもインスタントコーヒーで一杯やってました。


基本朝が苦手な私ですが、キャンプだと気温の上昇と日の差し込みをテント越しに直接感じるので、否が応でも目が覚めます。早起きが苦手な人ほどキャンプ泊はオススメです。新山からお裾分けをいただいて目を覚まし、一服付けます。


コーヒーを飲み終えてから片付けを開始。この日は2日遅れで追っかけてきたインテグラ先輩の合流を待つ為、9時まで富良野で待機なのでゆっくり出来ます。


昨日の焚き火の灰をまとめて、テントを畳んで荷積みをしているとあっという間に8時になっていました。キャンプ時の時間経過のスピードは異常。スッキリした芝生の上に椅子だけ出してくっちゃべっていると、ガランガランとした独特の排気音が聴こえてきました。4気筒の音。インテグラ先輩のフェーザーのお出ましです。


「どうやって来たんすか」


「メールした通り。昨日の昼に新潟発のフェリーで、今日の4時に小樽着いてさ。そっから高速。三笠インターで降りてあとは山道。いやー空いてるね北海道、走りやすかった」


「朝の4時ならどこも一緒じゃないすか」


ここからインテ新山さんペアとは別行動。インテ組は留萌経由で稚内を目指す時計回りルート、私は帯広経由で道東に抜けて、網走経由で稚内を目指す反時計回りのルートです。長い北海道ツーリング、初日だけでも友人と回れたのは良い思い出となりました。基本互いに単独行しようとするからな…。

 

久しぶりの一人旅が始まります。


せっかく富良野まで来たので、帯広に抜ける前に午前中観光して回ることにしました。


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パッチワークの路。あまりの美しさに息を飲むも一番綺麗な花のエリアの写真を撮り忘れる失態。まあこういうのは走行中の心の中に留めとくのが一番美しいんですよ(適当)。

 

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ケンとメリーの木。


美瑛の丘陵地帯をふらつく中での何が何でも行きたかった目的地その1。別に当のスカイラインのCMを見たことはないのですが、ここまで来たら名物のこいつを見ないわけにもいかず。行ってみると想像以上にデカイのと、中国人観光客だらけで驚きました。2016年っつーとインバウンド需要最強年代だったせいか、中国での日産神話が活きてるのか…。

 

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ジェットコースターの路。


美瑛の丘陵地帯をふらつく中での何が何でも行きたかった目的地その2。全くうまく写真には撮れませんでしたが、今までの人生で見たことのない光景でした。天まで届く路の二つ名は伊達じゃない。


しかしまあ結局諸々のスポットより、車走らせてる途中の景色が一番記憶に残ってます。綺麗なとこだったな…。

 ◇


国道38号線の山越えを経て、夕方前に帯広に到着しました。

 

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六花亭帯広本店。


帯広に寄った最大の目的地です。出立前、「口から垂れるクソの前と後にサーと付けないと命を取られる」タイプの先輩からお使いを頼まれており、せっかく六花亭に行くなら本店に寄ろうと、この日の宿を帯広に決定。先輩ご指定のマスキングテープを入手し、会社にお土産として六花亭新作バターサンドケーキを送りつけ、自分用に行くつか購入してパクつきながら体を休めました。

 

六花亭、どの店舗も外観がやたらと洒落ており、店舗に加えて喫茶室も備えているので、旅行者の立場からするとついつい訪れたくなります。どういう思想でこうも建物がお洒落なのか調べてみたところ、道外に進出しない地域密着経営の中で、「店舗の佇まいが地域の景観に入り込むように」というのが目的だそうです。なるほどなるほどと頷きながらバターサンドをお茶請けにコーヒーを啜るなどしていると、大分疲れも取れてきました。

 

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新製品バターサンド。チョコクリームが挟んであります。まいうーです。

 

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この日は帯広駅前のビジネスホテルに泊まることにし、チェックインを済ませてから夕飯と風呂に出かけました。帯広まで来たら豚丼だろうと、街をふらついていて目に付いたお店に突撃することにします。

 

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豚丼ぱんちょう。

 

かなり並んでましたが回転も早くて15分くらいで入れました。肉厚の豚肉がうまいです。バクバク食べてたら隣席の家族連れの幼女にガン見され、着丼待ちであろう彼女から「おいしーですか?」と尋ねられ、「めっちゃうまいよ」と返すなどしているうちにあっという間に食べ終わってしまいました。ご馳走様でした。なお、この後車で動くのでビールはなしです。

 

せっかくなので広い風呂に入りに行こうと、市内の温泉に繰り出すことに。

 

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温泉やよいの湯。広くて綺麗で快適でした。風呂では日ハムの試合が流れており、入浴客が皆揃ってテレビに見入っていたのが印象的でした。

 

風呂上がりにメロンソフトを食いながら帰路へ。日中の炎天下のオープンドライブが効いたのか、この日は宿について缶ビール一本飲んだらそのまま寝落ち。朝まで爆睡となりました。

 

続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その3。

3日目。2016年の8/6(土)。快晴。


セイコーマートで適当に朝食を調達し、弊社北海道支店のポストに東京土産をぶち込み、6:00に札幌を出発します。セイコーマート、北海道効果なのか何なのか、おそろしいことに何食ってもうまいです。おまけに値段も安い。100円パスタが種類も豊富でお気に入りです。


国道275号を北東方面へ。


石狩川にぶち当たったところで国道12号に合流し、あとはひたすら岩見沢市を目指します。


よく晴れた早朝、だだっ広い車線の、やたら真っ直ぐな国道を走っていると、ようやっと北海道に来たという実感が湧いて来ます。おもしろいことに北海道、本当に道と道の間に街が点在しています。「あ、街に入った」とわかる瞬間がある。完全にRPGのワールドマップです。


待ち合わせの8:00。道の駅みかさに到着します。

 

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おやつを食べながら待っていると、待ち合わせ時間を1時間ほど過ぎた9:00ちょっと、新山がやって来ました。ウチの地元では2時間までの遅刻は遅刻と呼ばないので、特に追求せず合流。遅刻の理由は聞いたけど忘れました。ツーリングマップルを開き、改めて道順を確認します。

 

ちょっと迷いましたが、新山を先行させて出発することにします。ダッシュ力のあるバイクに対し、コペンが前じゃ初速が出ずに詰まっちゃうので…。

 

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※荷物が満載の新山のCB400

 

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※休憩で寄った道の駅たきかわのりんごジュース

 

旭川から国道237号線を南下。

 

美瑛を経由して富良野に向かう、通称富良野国道は、息を飲むような美しさでした。

 

 

パッチワークのような丘を縫って走り、15:00頃に、上富良野、日の出キャンプ場に到着しました。

 

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※ここをキャンプ地とする!

 

入場料500円のみのフリーサイト、近くにコンビニあり、設備もきれいという、北海道によくあるチートキャンプ場です。車で20分程山を登ったところに白銀荘という温泉もあるので、設営を終えて空になったコペンの助手席に新山を積載し、何の遠慮もなしに道路に飛び出してくるキツネにビビりながらワインディングを駆け上がり、入浴。帰りにコンビニで食材と酒をバカ買いし、待ちに待った宴を開始します。

 

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寝る前、芝生に直に寝っ転がって星空を眺めていると、流れ星がバンバンバンバン降ってきました。何かの冗談のような光景。

 

続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その2。

2日目。2016年の8/5(金)。


起きたら海の上でした。


昼頃に目が覚めます。寝てる間もずーっとゆらゆらゆらゆら揺れているんですが、揺れ具合がちょうどよいのかビールのおかげか、思ったより熟睡できました。ふらつきながらベッドを出て、歯磨きと朝風呂を済まし、デッキに出ます。

 

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※ボカボカと煙を吐くさんふらわあ・だいせつ


いい天気です。

 

向かって左手に陸地が見えます。基本、太平洋側を沿岸に沿って航行しているようで、このときはたしか岩手県辺りだったかと思います。ちなみに洋上なので電波はほとんど届きません。現在位置は船内の案内板で確認できます。


日向ぼっこがてらしばらく放心していると、同じく散策中だった新山と遭遇しました。ちょうどよいので、昼飯を食いながら上陸後のルートを練ることにします。

 

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※船内の自販機(拾い画像)


船内にはレストランが入っておらず、食事は基本この自販機から購入します。ご飯物があるのが嬉しい。適当に買って席に着き、ツーリングマップルを広げて、ちびちび飯を突きながら作戦会議を開始します。

 

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「何から決めますか」


「まず今日の宿だよね。新山さん、今日どこ泊まんの」


支笏湖のすぐ側のライダーハウス。苫小牧から北西に1時間くらいのとこ」


「着いてからキャンプ設営できる時間じゃないもんね。こっちも初日だけは札幌のビジネスホテル。出張で行き慣れてるし。予約してないけど」


「それなら、インテさんの空きが出た分ライダーハウスに泊まってもらおう…と思ってたんだけど、バイク乗りじゃないと泊まれないらしいんだよね、ここ。やっぱり次の日の朝、どっかで合流にするか」

 

「どこにしようか。次の日富良野でキャンプとなると…」


岩見沢とかどうかね。道の駅みかさで合流して、国道12号使って旭川まで北上。そこから国道452号使って富良野まで降りてくる。合流場所の名前がいいね。レールガン撃ってきそうで」

 

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※ルート図


「あーこれあれか。山のせいで東西に抜けられないのか」


「抜けられないこともなさそうだけどね。小道あるし。ただ、峠越えになるし、初北海道だし、2人組となると走りやすい道の方がいいかなって」


「南の道は? 千歳あたりで合流して、国道274号で東いって、占冠村から北上するルートもあるけど」


「そっちの方が近いんだけど、北側の美瑛通ってみたいんだよね。道きれいだって有名だし」


そんなこんだで大筋のルートが決定します。


初日から300km近い走行距離になる辺りが笑えますが、まあこんなもんでしょう。そのままツーリングマップルで昼飯場所やら道中の見所やらを探していると、あっという間に時間が過ぎていきます。18時間の乗船時間、思いの外持て余しません。まあ半分くらい寝てますしね。


日が暮れていきます。

 

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※夕暮れの船上

 

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※近く苫小牧港

 

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※テンションの上がる新山

 

上陸が近づくと、ドライバーは車中で待機するようアナウンスがかかります。新山とはここで別れ、次の日までの安全を祈って、コペンに乗り込み順番を待ちます。


ゴゴン、と音を立てて上陸。

 

 いや北海道かー、という感慨はあるようなないような。出張でちょこちょこと来てはいるものの、コペンで上陸と考えると趣深い思いもなくはありません。恣意的にテンションを上げ、道路脇に停めて屋根をオープン。関東よりやたら広めの道路を札幌に向けて北上します。

 

続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その1。

初日。2016年の8/4(木)夜。コペンの助手席にキャンプ道具を満載して出発します。


今回、晴れの日は基本キャンプ泊とします。幸い北海道、キャンプ場だけは鬼のようにあり、寝るところは困りそうにありません。ホテルや格安民宿に毎度泊まってたら金がいくらあっても足りないですもんね。ちなみに所謂ライダーハウスは、車だと泊まれないことがほとんどのようです。


オープンにする為に荷物はトランクに詰めず、必然的に助手席が埋まることになります。こういうとき、コペンはつくづく荷物が乗るバイクだなと思います。

 

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※出発前のコペン


1:45分発のフェリー目指して、いざ大洗へ。


夜出発のドライブはいつやっても良いものです。夏は夜風のおかげでオープンの涼しさが格別であります。


途中のサービスエリアでコーヒー休憩を取っていると、新山から着信がありました。


「うい」


「今どこ。まだ着いてないの?」


「あと30分くらいだよ。まだ3時間前じゃん」


「3時間前に乗船済ませろって書いてあったの見てないのかよ」 


血の気が引きましたが、実際は1時間前まで問題なく受け付けてくれるようです。重量バランス調整の為、三井商船側がかなりのバッファを取っているようでした。すみません次から遵守します。


「まあいいや。多分普通に乗れると思うから。…それより、着いたら悪い知らせがある」


さらに血の気が引きます。


「いや、梁井にはあんま関係ない、のかな…?とにかく、着いてから話すよ。乗船済ませたら連絡くれ。ロビーで待ってるから」



普段より飛ばし気味で大洗港に到着し、受付で予約したチケットを受け取り、指定された時間に合わせて車を乗船エリアに移動させます。

 

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※乗船待ち


エンジンを切って30分くらい時間を潰していると、誘導員のおっちゃんがゴーサインを出しました。誘導に従って乗船します。タラップを登って船内に入った時は、思わず「おおー」と感嘆の声が漏れてしまいました。こりゃおもしろい。ちょっとしたモビルスーツの着艦操縦気分です。

 

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※乗船したコペン


客室のベッドに荷物を置き、船内の探索も後回しにロビーで待つ新山のもとに向かいます。果たして奴は柿ピーと缶ビールで早くも一杯やっていました。


「一体なんだ!財布でも忘れたか?それともバイクがぶっ壊れでもしたか!?」


「勘がいいね。後者が正解。ただし、おれのじゃなくてインテさんのフェザーだけど」


話を聞くと、どうもこういうことらしいです。


仕事を早々に終え、帰宅。さっさと出発しようと愛車を暖気していた新山に、さっき職場で別れたばかりのインテグラ先輩から緊急の着信があったそうです。


「後輪の空気が抜けてる。パンクかもしれない」


パ  ン  ク  か  も  し  れ  な  い 。


即刻応急処置材を買いに走り、パンクの処置後に即出発できる状態を整え、インテグラ先輩んちに向かった新山。首尾よく処置を終え、いざ北海道! とはいかなかったようで、処置材をエアバルブからぶち込み、ガンガンに空気を入れるも、ぶち込んだ処置材もろとも空気が漏れる漏れる。どうもチューブが完全に死んでいるようです。


この時、時刻はすでに19:30。最寄りのバイク用品店は20:00閉店で、どう急いでも30分では辿り着けない。


インテさんは呟いたそうです。


「試される大地、北海道…」


こうして新山は1人大洗に向かったのでした。

 


「なんで出発前から試されてんだよ…」


「いやどうすんのインテさん。諦めんの北海道」


「明日朝イチでバイク屋行って、チューブ変えてもらってから出るってさ。ただし、予約し直せた一番早い便が、明後日昼の新潟発→小樽着で、北海道上陸は明々後日の未明だって。4時っつってたかな」


「おれたちが明日の夜着だから、2日遅れか…。もったいねー」


「まあでも、北海道の何もないとこでやらかさなくてよかったのかもね。ちゃんと直してから行けるわけだし。周りに何もないところでパンクなんかしたら目も当てられないよ」


ちなみに。嘘のような本当の話ですが、私のコペンも出発の一週間前に右前輪がパンクしています。

 

正確に言うとパンクではなく、ド派手な切り傷が入っただけですが…。


ディーラーにオイル交換に行ったとき、メカニックさんが気づいてくれたときは血の気が引きました。コペンローブはタイヤサイズが特殊で(165/50の16インチ)、すぐに替えタイヤが入ってくるか、問い合わせの回答を待たないと分かりません。スケジュール的にギリギリで、みるみる青くなっていく私に、ディーラーの営業さんは「いざとなったら試乗車のタイヤをホイールごと貸してやる」とまで言ってくれました。結果的に前日に納品されて間に合いましたが…。あの言葉には感謝しかありません。帰郷後はお土産持ってお礼に行きました。


「ともあれさ。おれとインテさん、上陸したら、そのまま道東方面に向かって、網走から宗谷岬行って、オロロンライン下って帰ってこようと思ってたんだけど、明後日はインテさんが小樽から向かえるくらいの位置に泊まって、明々後日の午前中に合流できるように、予定変えようと思ってるんだよね。梁井さ、最初は富良野でキャンプする予定って言ってたじゃん」


「言ったね。ジェットコースターの道走って、ケンメリの木見にいくつもりだったけど」


 「小樽から富良野って3,4時間くらいで、ちょうどいいんだよ。というわけで明日明後日同行させてくれ」



地元仲間の気楽さ故、関東近辺はあちこち走り回った新山と私ですが、まさかこんなところまで道連れになるとは。

 

1:45、出発のアナウンスと共に船体がゆらゆら揺れ始めます。

 

取り急ぎインテグラ先輩に概要を報告。8/7(日)に富良野のキャンプ場辺りで待つ旨を伝え、ビールで乾杯します。

 

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 ※さらば大洗

 

インテグラ先輩からは「ヤケ酒中」との返信あり。無事出発できたことをしみじみ感謝しながら就寝します。到着予定は明日19:45。都合18時間の船旅です。時間を考えず、ゆっくり寝ることにします。

 

続きます。

コペンローブ、北海道に行く。その0。

 

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ある夏の日、会社の冷蔵庫を見ると、海ブドウとジーマーミ豆腐が大量に入っていました。このフロアの冷蔵庫に変なものをぶち込む奴は1人しか思い当たりません。


「川崎ー!!」


「ああ、見ました? あれ梁井さんにお土産です。沖縄土産」

 
毎度カレーだのパスタソースだの残業用のデザートだの、冷蔵庫を侵食している奴に説教をぶちかますつもりが、肩透かしを食らってしまいました。

 
「嬉しいけど、またエラいナマモノを…。これ大丈夫なの?」


「保冷パックで持ってきたんで大丈夫ですよ。今日中に持って帰って欲しいですけど」

 
「しばらく休んでるなと思ったら沖縄行ってたんだ」


「夏休み、早めにとって行って来たんです。よかったですよ、沖縄。青い海、青い空、おいしいお酒とクセのあるオツマミ!いやー!やっぱりほら、夏の旅行って言ったら本州から抜け出さないと!梁井さんもダメですよー近場ばっかりウロチョロしてないで、パーっと遠く行かないと!沖縄行きましょう沖縄」


「車じゃ行けないからやだよ。でも、言われると遊びで行ったことないんだよな沖縄」


「え?行ったことない?遅れてるー!」


おまえも今回初めて行ったんだろうが。


ちなみに私は出張で数回沖縄に行っています。旅行で行ったことはないですが。1日レンタカーのオンボロアルトで走り回ったところ、米兵さん達の乗る90年代国産スポーツカーが異様に多かったです。大体ランエボかインプでした。



上記のように盛大にディスられたからというわけではありませんが、この際せっかくの夏休み、コペンで思いっ切り遠くに行くことに決めました。車で沖縄上陸はハードルが高く、どうするかなと思っていたとき、ふと思い出しました。


北海道。


ツーリングの聖地。涼しい気候、雄大な景色、何を食ってもうまい飯。どこまでも続くアホみたいな直線道路。


オープンカーを買ったときから、いつか車で走りたいと思っていましたが、ド派手な夏休みなどそうそう毎年取れるもんじゃありません。機会があればと思ってはいましたが、思い立ったが吉日の精神で、これはもう無理にでも行った方がいいんじゃないか。ふとカレンダーを見てみると、仕事の予定が一切入っていない週が、お盆前にぽつんと予定を空けています。


家で海ブドウをツマミに一杯やりながら、私は決心しました。


今年の夏はコペンで北海道に行こう。



何においてもまずやるべきは、仕事の調整とフェリーの手配です。


上司部下の休みの予定の確認と、大きな仕事のスケジュールを調整し、仮日程を算出。その日程の北海道行きのフェリーに空きがあるか確認します。


そう、フェリー。


ツーリングの聖地、北海道には車で直接は入れません。マイカーで北海道を走り回りたければ、さんふらわあに車乗っけて行くしかありません。東京からだと大洗港発、苫小牧港着のさんふらわあが良いでしょう。どこぞの戦車アニメの劇場版で出てきたので馴染みがある方もいると思います。北海道まで18時間の船旅です。


かくして、フェリーは空いていました。


が、少しだけ迷います。行きの便、これだと新山と同じになるんですよね。


あやつはあやつで職場のインテグラ先輩と北海道行きを企画しており、「いつ行くの?」「この週」「マジで?あーじゃあ向こうで会うかもねー」なんて話をしていたところ、まさかの行きの便までだだ被り。向こうはバイク2人、こちらはコペンでの単独行。予定ルートも違うので現地では別行動となるのに、フェリーだけ一緒にしても悪いかなあと思ったのですが…。


こっちもフルで北海道を回れる便はこれしかありません。背に腹は変えられず、これも何かの縁だと思い予約しました。


「というわけで、いいすかね行きだけ日程被っても」


「大丈夫でしょ。インテさんも別にいいって。せっかくだから初日くらい一緒に回ろうかってさ」


ありがたい。1人旅は気楽で好きですが、一週間丸々1人で回るよりは気分転換になりそうです。


しかし、これがまさかあんなことになるとは…。



そんなわけで2016年の8/4から8/14まで、土日祝日と代休と夏季休暇をフル動員し、北海道大体一周ツーリングを敢行してきました。総日程9日間、総走行距離2,926km。ルートは下記の通り。


大洗→苫小牧→札幌→旭川→美瑛・富良野→帯広→釧路・根室・標津→網走→稚内→留萌→小樽→ニセコ→函館→青森から東北道南下→帰宅

 

苫小牧から反時計回りに北海道外周を走り、最東端と最北端をクリアして函館に抜けるルートです。


中々ない経験だったので、写真付きでブログにまとめておきます。これを読んで北海道に行きたくなっていただければ幸いです。