ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

ORDINARY登場人物紹介

※登場人物はすべてフィクションです。

※こちらの記事は随時更新しています。

 
◯梁井 (はりい)
 
本稿の筆者。
名前の由来は高校時代の渾名とHNから。
1986年生まれ。埼玉県在住。
気の抜けたサイダーみたいな顔立ちをしている。外見上の特徴は眼鏡くらいしかないが、オープンカー乗りとなってから、私服時に帽子を着用するようになった(2015.4.29、日光宇都宮有料道路を走行中、風に吹き飛ばされて紛失しました)。
好きなものはビールとセブンコーヒー。趣味はギターと文章執筆とスナップ写真の撮影。
愛車はダイハツ・コペンローブ (5MT)。2014年に新車で購入。当時出ていたスポーツタイプの車の中で、一番気楽に運転できた車だったのが購入の決め手。エクステリアより運転感覚で選んでしまったため、気に入ってはいるもののかっこいいとは思っていない。次の車は絶対見た目で選んでやるなどとボヤきながら、乗るたびに「やっぱりコペンでいいや」と思い直す日々。
愛器は長年探し回って購入したJames Tyler ClassicとLowden F-32Cなどなど。ギターアンサンブルの経験が長かったせいか、エレキもアコギも座って指で弾く。Tender Heart Craftworksの名義で謎曲を宅録し各種サブスクリプションで配信している。
東京の会社で息も絶え絶えに働きながら、サラリーマンの普遍的日常生活を楽しんでいる。
2022.8.6、紆余曲折を経てBMW ALPINA B3 Biturbo Limousine F30型に乗り換え。優美なエクステリアと走行性能に毎週末酔いしれるも、散発的に襲いかかってくる故障対応と闘う日々。
 
所有楽器・他装備品一覧は左記リンクの通り。最近は靴やら時計やら革小物やらにハマっています。
 
◯新山 (にいやま)
 
梁井の友人。
1987年生まれ。埼玉県在住。
三白眼でへの字口。大体いつも飲んだコーヒーが思ったより苦かったときのような顔をしている。
梁井とは中学のクラスメイト。双方地元にいるためよく連んでおり、本稿への登場回数も多い。
愛車は日産・シルビアS15オーテックバージョン。エンジンのフケが悪いとボヤきつつも、「1,000万円あったら何の車買う?」という梁井の質問に対し、「シルビアをいじる」と答えた筋金者。
所有バイクはホンダ・CB400SS(2017.8.11、ホンダ・Xelvisという本人曰く「珍車」に乗り換える)。
休日に遊びに行くと部屋からマーシャルの音が響いているか、車をいじっているか、遠くへ出かけているかのほぼ3択。
愛器は生まれ年製のFenderストラトキャスター、他多数。ジミヘンと木村カエラと奥田民生を愛する。
サンバー→フーガ→サファリを経て、2022.8.6、BMW ALPINA B3 3.3 Limousine E46型 (6MT)を購入。夜な夜なDIY整備に精を出す日々。
2024.3.2、アルピナの故障がDIY整備で維持できるレベルを超えてきた為、満を持して日産に回帰。フーガハイブリットを購入し周囲の度肝を抜く。「維持費の安い車」と言いながら、車格も排気量もパワーも馬力もアルピナより上がっている。そこからさらにマジェスタ→サンバー(スーパーチャージャー仕様)と歴を積み重ねる。
海野さんという美人の彼女さんがいる。2024年7月から同棲を開始。いよいよ年貢の納め時かと思われる。
2025.9.6、結婚。ロックの日らしいです。おめでとうございます。
 
◯土井 (どい)
 
梁井の会社の先輩。
1973年生まれ。愛媛出身。
広島で学生時代を過ごしたにも関わらずスバリストで、86を86と呼ぶとBRZと訂正してくる。ターボ好き。
彼の中で土曜日は出勤日となっており、朝になると普通に会社に現れ、夕方にはアイドルのライブを拝みに行くため知らぬ間に消え去っている。
愛車はスバル・インプレッサWRX。GDAだが、インタークーラーを載せ替えるなど、GDB仕様に改造済。通称ドイプレッサ。新車で買って総走行距離12万km超。「車検通しちゃったから乗るしかない」とボヤきつつ、さらりとミッションを載せ替えていたりするあたり、乗り潰す気満々の模様。
2020年、満を持して乗り換え。ホンダ・シビックハッチバック FK7型 (6MT)を購入。翌年には何と結婚を果たし、社内に激震を走らせた。
 
◯川崎 (かわさき)
 
梁井の会社の後輩。土井の部下。
1988年生まれ。八王子出身。下の名前は舞(まい)。
猫のような瞳とやたら長い手脚を持つ。
オンナ川崎、バイク川崎バイクなどと弄られるも、本人は車もバイクも然程興味なし。ただ、祖父母のいる高知まで実家の車を借りて帰るなど、運転そのものは嫌いではない模様。巨人軍とゲームセンターを愛する。
定時後、土井と梁井を弄って帰るのが日課。「土井さんドイプレッサ出してください!」「梁井さんまーた一人でツーリングですか!」
土井さんと同年の2021年に結婚。やはり社内に激震を走らせた。お幸せに。
 
◯安藤 (あんどう)
 
梁井の会社の後輩。川崎の同期。
1988年生まれ。東京出身。
細身で童顔、顔のまんま、控え目な性格の営業マン。
先輩に勧められるままアウディのディーラーに行き、勧められるままA7に試乗させられ、900万円オーバーの見積もりをもらって帰ってくるという、ヘタレなのか度胸があるのか何とも言い難い伝説を持つ。「なんで見積もりもらったの!」と尋ねると「いや、いい車だったんで…」と答える辺り、意外と大物なのかもしれない。なおアウディは気に入った模様。
どう考えても川崎に惚れているが、本人は頑なに否定している。
2015.7.19。念願叶ってアウディA3 Sportbackを購入。梁井の周囲では当時珍しかった外車オーナーとなる。
未婚であるがこいつもそろそろ結婚が近いものと思われる。
 
◯日暮里
 
日暮里数人(にっぽり・かずひと)。
通称にっぽりすと。転じて、にっぽりん、ぽりん、ぽりぽり等、多様に呼称される。
梁井とは飲み屋で遭遇。車好き・時計好きの王国民ということで意気投合し、知らぬ間に新山さんとまで仲良くなっていた。梁井・新山とは地元も近く、行動範囲が重なっている。
車仲間『227レーシング』の実質的中心人物。
ゴリゴリの理系エンジニアで、よくレキさん、新山、香椎くんと一緒に技術談義に花を咲かせているが、側で聞いている梁井は頷きながら半分も理解していない。
英語も堪能。アメリカ出張も多く、近年は転任辞令の可能性に震えながら鋭意活躍中。
愛車は、アバルト500→SLK55 AMG。日々のストレスをV8エンジンで吹き飛ばす日々。
2025年10月、フィアットパンダ4x4を増車。世にも珍しい『2気筒と8気筒の2台持ち』男となる。
旅ジャンキー。連休時は必ずグランドツーリングに出かけ、各地からツイートでレポートする。
 
◯矢田
 
矢田歴(やだ・れき)。
通称レキさん。
東北方面在住ながら、埼玉在住のメンバーと結構なペースで会っている。
ギター弾きのストラトキャスター使い。梁井とも音楽界隈Twitterを通じて繋がり、偶然にもにっぽりん氏の王国民仲間であったことが判明。車仲間として絡み始める。
株式会社終焉・フードソリューション事業部に所属する、超多忙会社員。仕事が忙しくなればなるほどツイートのキレが増す為、メンバーは爆笑しながら心配するという二律背反に苛まれる。
最近『草むしり検定5級』に合格。次は『お買い物検定』を受検予定とのこと。終焉の頂点に立つ日は近い。
愛車はスズキ アルト→スズキ スイフト→スバル WRX S4。通勤用としてダイハツ エッセ→ダイハツ ムーブを所有。ムーブはメンバーから『バトルマシン』と呼称される。
ポルシェ911とオメガ スピードマスターを目指し今日も一陣の風となる。
フェリーマニアの顔を持つ。最近「ひょっとしてレキさんはフェリーに乗るついでにツーリングに行ってるんじゃないか」との噂が立ち始めた。
 
◯香椎
 
香椎有斗(かしい・あると)。
通称かしいくん、あるふぉーとくん、など。
梁井とはTwitterの相互フォローであったものの、ある日、ギターのリペアショップにて偶然遭遇。James Tyler Classicをアッセンブル交換に持ち込んでいる眼鏡を見て、「このギターということはこいつが梁井か」と合点が入った模様。
その後交流が深まり、金欠の梁井からJames Tyler Japan Studio Elite HDを売り付けられる。
サーキットガチ勢。つくば、岡山国際、美浜サーキット、スパ西浦などに出没。コンマ1秒を縮める為に疾駆する日々。
就職を機に愛知県へ転居したが、サーキット通いの関係もあってかちょこちょこ帰ってきており、『227レーシング』の集まりや飲み会にも結構な頻度で顔を出してくれている。
ツーリングに初参加した際は、車のナンバーを『・227』にしているメンバーが多い中、自身の誕生日が2月27日だった為、事情を知るまで「一体こいつらは何なんだ」と恐怖していたというエピソードを持つ。
愛車はサーキット用にチューンされたマツダ RX-8。交換用のエンジンまで購入してしまったようで、まだまだ走る気満々の模様。
ファッションにも造詣が深く、身に付けている小物もスタイリッシュ。ジュリアスタートオプティカルの眼鏡とロエベの香水を愛用する。
 
◯八代
 
八代ひろむ(やしろ・ひろむ)。
通称しろーむさん。
愛車はMINI Cooper SD。メンバー中唯一のディーゼル乗り。
愛猫を買っており、散発的に何故かセンシティブ画像設定した猫の写真をツイッターに貼っている。
 
◯七瀬
 
七瀬冠(ななせ・かむり)。
通称7カムさん。
愛車はトヨタ カムリと、BMW 750Li(G12型)。泣く子も黙るセダン2台持ち。
中国地方在住ながら、片道800kmを結構な頻度で往復する剛の者。
 
◯大庭
 
大庭総一郎(おおば・そういちろう)。
通称おそばさん。
愛車はWRX STI(VAB型)と、足車としてトヨタ スペイド。関東在住で2台持ちを敢行する強者。
都心在住も相まってから、平日夜に大黒に出没することが多い。
 
◯山下
 
山下慎也(やました・しんや)。
通称パイセン。
レキさんの地元の同期。現在車は所持していないものの、ツーリングには同乗で参戦する。車は欲しいことは欲しいようで、メンバーからは50LSを輸送車として買わされそうになっている。
何故パイセンと呼ばれているのか、その理由を知るものはいない。メンバー随一の美声を持つ。

酒とは。

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好きな日本酒、飲みたい日本酒、ダチと女性声優が愛している日本酒のリストを本記事にまとめます。

 

◇

 

最近、旅先で日本酒を買うのにハマっています。理由は二つ。

 

①旅行から帰っても旅先気分が延長出来て得だから(1,2日分に余計に旅行をしていることになる。こんなに得なライフハックはない)

 

②旅行に出るモチベーションなる(流通してない酒でも、地場の酒屋さんか、酒蔵に突撃することで買える可能性がある。もちろん過度な期待は厳禁だが、旅行の目的としてはちょうど良い)

 

これにて、旅行の楽しさが数倍増すのではないか。

 

元々異常ドライブ友人勢と比べるとそこまで距離ガバでもなく、遠出も年1,2回程度でお腹いっぱいなのですが、今後人生を飽かない為に、日々楽しさを見つけることは肝要です。

 

そこで、最近居酒屋で適当に飲んだ日本酒が美味かったことを機に、都道府県別、買いたい日本酒リストを作成しました。

 

こんなものを一々をブログに掲載する理由としては、ダチへの共有と、掲載することで「これあそこに売ってたよ!」とダチから情報共有を集めることが目的です。基本、フルーティーな吟醸酒が好きなヌルい私ですが、いい酒が売ってたら教えてください(懇願)

 

なお、私が都内で好きな、日本酒の品揃えがよくツマミのうまい店を、ここに書き記すことでせめてもの見返りとします。末広町の藤海(ダントツ。ここの酒の品揃えはおかしい。魚のうまさもおかしい。マスターは寿司職人)と、秋葉原昭和口出口すぐの笑よし(リーズナブルかつ落ち着いていて総合力がバカ高い。ツマミも酒もとてもおいしい)です。

 

◇

 

北海道(捜索中)


田酒 / 青森(青森) 西田酒造店(うま過ぎ)

陸奥八仙 / 青森(八戸)八戸酒造(うま過ぎ)

桃川 (うまいらしい。ロヂャースで売ってる)

 


No.6 / 秋田(秋田)新政酒造(伝説。バカレアバカ高。農民芸術概論はいつか飲みたい。何故、賢治を…)

 


南部美人 / 岩手(二戸)南部美人

(有名。大声優佐々木未来御用達。しもつまで売ってた)

 


楯野川 / 山形(酒田)楯の川酒造

(大正義声優青山吉能が好きらしい)

 


伯楽星 / 宮城(大崎)新澤醸造店(うまい)

日高見 / 宮城(石巻) 平孝酒造(うまかった気が)

ひめぜん / 宮城(大崎)一ノ蔵(うまいらしい)

勝山 / 仙台伊澤家勝山酒造(うまいらしい)

 


写楽 / 福島(会津若松) 宮泉銘醸(バカうま)

 


森嶋 / 茨城(日立)森島酒造(バカうま)

来福 / 茨城(筑西)来福酒造(気軽に買えてうまい)

 


鳳凰美田 / 栃木(小山)小林酒造(うまかった気が)

 


町田酒造 / 群馬(前橋)町田酒造店(うまいらしい)

 


福祝 / 千葉(君津)藤平酒造(テレキャスターの化身、nemo asakuraさん御用達)

 


花陽浴 / 埼玉(羽生)南陽醸造(バカうま)

秩父錦 / 埼玉(秩父)矢尾本店(上伊那ぼたん)

 


箱根山 / 神奈川(足利)井上酒造(うまいらしい)

 


磯自慢 / 静岡(焼津)磯自慢酒造(伝説)

 


大信州 / 長野(松本)大信州酒造(バカうま)

 


至 / 新潟(佐渡) 逸見酒造(バカうま)

北雪 / 新潟(佐渡) 北雪酒造(バカうま)

 


勝駒 / 富山(高岡) 清都酒造場(うまかった気が)

羽根屋 / 富山(富山)富美菊酒造(バカうま)

 


手取川 / 石川(白山)吉田酒造(うまいらしい)

常きげん / 石川(加賀)鹿野酒造(うまいらしい)

天狗舞 /石川(白山)車多酒造(ぽりんが好き)

 


梵 / 福井(鯖江)加藤吉平商店(うまいらしい)

 


津島屋 / 岐阜(美濃加茂)御代桜醸造

(津島屋外伝 Nordwind 発泡)(うまいらしい)

 


醸し人九平次 / 愛知(名古屋) 萬乗醸造(伝説)

 


澤屋まつもと / 京都(伏見)松本酒造(うまいらしい。笑よしにいつも置いてる)

 


風の森 / 奈良(御所)油長酒造(バカうま)

 


紀土 / 和歌山(海南)平和酒造(バカうま)

 


大阪(捜索中)

 


Kobe1717 / 兵庫県(神戸灘)沢の鶴(うまいらしい)

 


鳥取

島根

岡山(捜索中)

 


雨後の月 / 広島(呉) 相原酒造(うまいらしい)

賀茂金秀 / 広島(東広島) 金光酒造(うまいらしい)

 


東洋美人 壱番纏 / 山口(萩)澄川酒造場(うまいらしい)

獺祭 / 山口(岩国)旭酒造(世界中誰もがうまいという日本酒。好き)

 


香川

徳島

愛媛

文佳人リズール / 高知(香美)アリサワ(うまいらしい)

酔鯨 / 高知(高知)酔鯨酒造(スーパーで売ってて美味しい日本酒といえばこいつだと思う)

亀泉 / 高知(土佐) 亀泉酒造(うまいらしい)

 


福岡

大分

佐賀

熊本

宮崎

鹿児島(捜索中)

 


よこやま / 長崎(壱岐) 重家酒造(うまいらしい)

福海 / 長崎(平戸) 福田酒造(うまいらしい)

 


沖縄(捜索中)

サンバー、再び。

2025年9月6日、新山、結婚。ロックの日だそうです。超おめでとうございます。


そして。


2025年11月14日、サンバー、納車。

 

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◯ スバル・サンバーディアスワゴン(2008年式・タフパッケージ)

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エンジン: EN07Y型 658cc 水冷直列4気筒 SOHC "スーパーチャージャー" 8バルブ EMPi

ボディサイズ:全長 3,395 × 全幅 1,475 × 全高 1,900 mm

ホイールベース: 1,885mm

トレッド:前/後 1,280/1,280mm

タイヤサイズ:165/70R13

車重:1,010kg

最高出力:58ps/6,000rpm

最大トルク:7.5kg-m(74N・m)/4,000rpm

※ビスカス式フルタイム4WD(スタンバイ式)


◇

 

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「車、買い足したって思われてたんだって?」

「そう。『増車おめでとうございます』ってリプライDMが、ツイッターに超来てた。嬉しかったけど、マジェスタに乗ってる状態で『サンバー買った』って言ったら、普通そうなのかもね……。残念ながらそんな余裕はない。乗り換えです」


春にマジェスタが納車されて、『4WDの雪上性能が楽しみだ』なんて話していたのが、すでに遠い昔のようです。


「嫁さんキレ散らかしてない?大丈夫?」

「大丈夫。というか、今回は妻と相談した上での買い替えです。仮にだけど、妻からの外圧ーーいや、この場合は内圧かな? それがなければ、あのままマジェスタに乗ってたと思う」


結論からいきましょう。問題は『燃費』です。

 

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「サファリかな?」

「それよりはマシだけど。一応ベストはこの後に更新してて、11.2km/l。ベストでこの数字だぜ」


ちなみにサファリはベストが7.7km/l。平均は5.9km/l。ワーストは3.3km/lでした。直6の燃費ではない。


「サファリは2トン超えてたからね。……マジェスタの最低燃費だと、リッター175円と仮定して、月に2,000km走って、ガソリン代は74,489円になる。平均燃費でも46,666円。家計簿チェックのとき、そりゃ金も貯まらないよねって話になりまして」


普通は月2,000kmも乗らないと思います。


「走行距離を抑えればいいんじゃ……」

「出来ると思う?」

「…………」


ここで笑えるのは、奥さんも同じ結論に至っているということです。マグロは泳ぎを止めれば溺れるしかなく、この男は車に乗らなければ正気を保てない。流石によく見ています。


「となると、家計を見直す現実的な解決策は、もう『燃費を改善する』しかないわけ。燃費が半分にでもなれば、それだけで月に2万3万浮く。ーーそうと決まれば、次のタマは速攻で探す必要がある。1日経つごとに出費は増えていくわけだから」


その晩早速、すっかりご無沙汰であったカーセンサーを開いた新山さん。やったね、たえちゃん!新しい車が買えるよ!


「何それ?……とにかく今回の買い替えだけは、絶対に間違えられない。今度こそ数年単位で乗り換えられないんだから。となると、乗り味の分からない車は、流石に怖い。GP型のインプレッサとかもいいなと思ってたんだけどね。ーーしかしながら、燃費がそこそこ良くて、四駆で、間違いなく走りが楽しい車を、おれは1台知っているわけですよ」

 

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スバル / サンバーディアスワゴン。


RRレイアウトによる室内空間と、走行性能と、一眼でそれと分かる謎のプロポーション。"農道のポルシェ"の異名を持つ、ダイハツOEMモデルと化す前の、『富士重工製の』サンバー。


新山さんがシルビアの次に購入した、今を以ってしても『一番楽しかった』と明言する名車です。

 

<過去記事>

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「フーガもそうだったけど、まさか買い直すとは……」

「スーチャー仕様だから、またちょっと違うけどね。NAは流石に遅すぎたので。……まあ、やっぱり名車だよ、サンバー。運転しててホント楽しいし、味わい深いし、軽バンと思えないガッシリ感がある」


代わりのないその乗り味については後述するとして、燃費の話に戻ります。

 

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「これが前乗ってたNAのサンバーの燃費。……続きまして」


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「これがスーパーチャージャー付き、今回のサンバーの燃費。このときまだ長距離一発目だから、平均燃費とか高いままだけど……。NAに比べても、意外と下がらなそうだね。ベスト数値は今後に期待するとして、これなら及第点だよ」


奥さんとの検討の結果、『燃費が14km/l前後で、100万円前後で購入可能な四駆の車』というのが選定基準だったそうです。3年で元を取る計算の模様。


「元を取るって言っても、イニシャルコストは掛かるわけじゃん。よく買い換えに振り切ったよね」

「……正直、『またサンバーに乗れる』と思い至ったのは、ちょっとあるかな。あとは、妻の決断力が効いてたかもしんない。で、最終的に2人で意見が一致して、それならすぐにでも買おうと相なりまして」


我々のような刹那主義・目先の快楽野郎どもの場合、『イニシャルが発生しても数年でプラスに転じるから早いとこ買い換えよう』という発想が生まれるかどうか、甚だ疑問です。もしかして、世の異常独身男性は、『結婚によってまともな思考能力を取り戻そう』と考えて、相手を探し彷徨うのではないか。最近、そんなことを勝手に思っています。

 

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※本人のツイッターアカウントを画像検索するとこの並びになる。日付にご注目。夫婦協議の上の買い換えとはいえ、狂気を感じるスピード感です


「……一般的には、燃費性能ってライトユーザーが気にしそうなポイントで、車好きは燃費なんて全然気にしてないイメージがあると思うけど。実際には、車好きの距離ガバ勢であればあるほど、燃費性能がお財布に効いてくる。ーー皮肉なもんだよね」


『悪党の血の方が綺麗な花が咲く』などと幽遊白書みたいなことを言っていますが、今回、そのレベルまで差が出る乗り換えだったと言うことです。平均燃費がほぼ半分という。


◇


年が明けて、2026年1月現在。サンバーはすでに、日光、新潟、東北北部と、雪道ツーリングに複数回投入されており、その性能を遺憾なく発揮しています。

 

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※本人曰く「二駆では走破出来なかったと思う」とのこと


「よく『サンバーはGTカーだ』ってツイートしてるの見るけど、長距離得意なの?」

「あれはまあ……相対的な話でして……。トルクはないし、ブレーキ気を使わないとノーズダイブするし、ストップ&ゴーがとにかく苦手でね。それに比べれば、長距離巡行の方がまだ楽って話。ただ、一度速度に乗れば楽だよ。左車線を90km/h弱で淡々と走ってる」


横風には弱いけどね、とのこと。


2,000mmを切るショートホイールベースによる踏ん張りの効かなさと、現代ハイトワゴンと比べてもなお高い1,900mmという全高から、横Gが掛かったときの怖さは、中々のものがあります。


「ただ、直進安定性そのものは悪くないんだよね。風さえ受けなければ、ぐいーっと真っ直ぐに走っていく。四駆ってのがやっぱり強いんだろうな」

「ぽりんも言ってたね。『SLKより四駆のパンダの方が安定してる』って」


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「天下のフルタイム4WD。雪道でも凍結路でも、破綻する気配が一切ないです。FRみたいに、挙動を感じる楽しさはないけど、安心して走れる良さが勝るよね。……サファリと違って、絶対的に軽いもんだから、下り坂でも停まってくれるし。サファリは下り坂マジで停まらなかったからな」

 

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「エンジンは? 前乗ってたNAと、今回のスーパーチャージャーだと、やっぱ違うわけ?」

「あんまり変わらないかな……。パワー感も、燃費に関しても。高回転の伸びに関しては、NAの方が気持ちいいまである。ただ、過給かかったときの『ミャーン』って音は、やっぱり気持ちがいいよね」


ちなみにギア比も違うようで、2速発進をしていたNAのときと違って、発進は普通に1速のようです。中域を過給で増強してる分、ギア比は比較的ハイギアードなのか。


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「総じてどうですか。シルビア・サンバーの2台体制から、フーガ→サファリ→B3→フーガ→マジェスタと、そこそこデカい車を乗り継いできて、久しぶりのサンバー。軽バンの四駆MTと来たけれど。ギャップもあるんじゃない?」

「いや、気に入ってるよ。これでいい。いや、これがいい」


この遠出頻度を見ればそりゃそうでしょう。


「なんていうか、ドライビングプレジャーがあるんだよね。回すとやる気のある音するし、運転中のフィードバックにも、謎のガッシリ感がある。プリミティブというか、ダイレクトというか……。フィーリングに『すっからかん感』がない。軽バンを運転してる感じがしないんだよ。『車を運転する楽しさって、本来こういうのだよな』って最近しみじみ思ってる」


これだけ多様な車に乗っておいてこの感想です。解脱でもしてしまった感があります。


「ストレートに『よく出来た車』ってことですかね?」

「と思うよ。今のところ、そのフィーリングの理由は言語化できてないんだけど……。4気筒だからとか、四駆だからとか、そういうところだけに由来しないフィーリングの良さを感じてる。ーー比べたことないから分からないけど、RR由来の面白さは、もしかしたらあるのかもね」


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「無事結婚もしたし、これにて第1部、完。って感じかね?」

「第2部、完。かな。1部はやっぱりシルビアだよ」

 

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※2015年の写真。懐かしい


「シルビア期の8年間が『始動編』。ここ4年半の乗り換え期が『動乱編』とかかな。イデオンみたいだな……。次はどうだろうね?」

「『凪編』かな? サンバーに帰ってきて、ようやっと落ち着いた感がある。……永遠のナギ節になればいいんだけどね」


そう思ってるのは本人以上に奥さんでしょう。果たして。


◇


最後に内外装にいきます。

 

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冬場のミーティング時には部屋扱いされてます。軽バンの居住性の高さよ。

 

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「収納性は高いよ。運転席の上部にもポケットがあるし、なんと後部座席の座面下にもスペースがある。リアタイヤの後ろにエンジンが寝て載ってるから、ここ、完全にフラットなんだよね。傘とか、長モノを載せるのに向いてます」

「……スコップが載ってるんだけど」

「雪かき用です。備えあれば憂いなし。結局使ったことはないんだけどね」

 

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「ウィング付いてるんだ」

「リアスポイラーね。オプションで付けられるんだよ。まあ、やる気は出る」

 

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「ドアバイザーにサンバーって書いてるね」

「そう。これかっこいいよね。ちなみにSambarとは、東南アジアに住む水鹿のことです」

 

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「あとさ。フーガ・マジェスタと乗り継いだ後にサンバーに乗って、しみじみ思ったんだけど。国産ラグジュアリーセダンのおもてなし感って、本当に凄かったんだなと」

「その心は?」

「暗いんだよ、サンバーの室内。室内灯も少ないし、ボタンにライトとかも付いてないから。とりあえずルームランプはLED化したけど、夜の運転中だとブラインドで操作できないの。慣れればなんてことないんだけど。こういうところもハードコアだなと」

「……トヨタと日産のフラッグシップセダンに比べりゃね。あの2台、助手席も後部座席もホントに快適だったもんな」


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「お気に入りのポイントは?」

「真横からのシルエットです。フロントとリアのオーバーハングのバランスが、ロングノーズのフェラーリみたい」


◇

 

8台の車を経て『サンバーディアスワゴン』という『答え』に辿り着いてしまった新山さんでした。

 

来週はいよいよ、新山家結婚パーティーです。車仲間全員勢揃いの予定。楽しみであります。

 

なお、その翌週は新婚旅行だそうで、行き先はなんと、厳冬期の北海道。交通手段は、もちろんサンバー。

 

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「ハードコアだねえ」

「妻から『行き先は任せるよ。北海道とか行きたいんでしょ?』と言ってもらえました。せめてと思って良い宿は取った。本当に有難いよ」

お幸せに。

フィアット パンダ 4×4

増車。それは車好きの夢。


1人1台持っていれば必要十分以上である自動車を、趣味用途に合わせて2台以上持つという暴挙。自動車税も保険料も駐車場代もほぼ倍になるという、エコロジストとミニマリストが泡を吹いて卒倒しかねない、悪魔の所業です。


このたび、悪魔になった男が身内に1人増えましたのでご紹介します。


◯フィアット パンダ 4×4 (2015年式)

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エンジン: 0.9リッター直列2気筒 SOHC 8バルブ ターボ "Twin Air"

サイズ:全長 3,685 × 全幅 1,640× 全高 1,615mm

ホイールベース: 2,300mm

トレッド:前/後 1,410/1,410mm

タイヤサイズ:175/65R15

車重:1,130kg

最高出力:85ps(63kW)/5,500rpm

最大トルク:14.8kg-m(145N・m)/1,900rpm

※電子デフロック付きフルタイム4WD(油圧式多板クラッチ)


「そんなわけで、『5.5L V8では物足らない。これでおれも10気筒乗りだ』。SLK55乗りのぽりんさんです」

「バイパーかな?ーーまあ、2台持ちは、仲間内に結構いますしね。刺激されたのはあるかな」


2台持ち、仲間内にいることはいますが、今回の増車のポイント、なんと『8気筒と2気筒の2台持ち』という点だと思います。

 

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「普通に話したら、片方バイクだって思われますよね」

「実際には、8気筒の方が2人乗りだっていうね。自分でもどっちが趣味車なんだから分かんなくなってます」


2025年10月25日。新山さん結婚祝い(サンバー回で後述します)兼、パンダ納車祝いの、爆弾ハンバーグ爆食会での会話です。

 

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※ファミレス『フライングガーデン』の爆弾ハンバーグ。我々が集まるときは大体ここで食事をする


先のバイク云々の発言は、大型二輪免許を持つ新山さんによるもの。3人で肉をかっくらいながら、窓の外に目をやり、店の駐車場に鎮座するフィアットパンダを眺めます。


「実際には、パンダの方を足車として買ったんですよね?」

「です。SLKの走行距離を温存したくて、通勤用の車を探してたんです。どうせ買うならMTの面白いやつがいいなと思って。トゥインゴとか、それこそミゼット2とか見てたんですけど。……これを機に、『冬に雪道とか突っ込めたら楽しいだろうな』と思い始めまして」

 

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※実際に突っ込んで行った図。冬季閉鎖前の金精峠アタック


「パンダの4駆なら、今までシーズンオフ扱いだった冬季の行動範囲も広がるなと。ーーフィアットには馴染みもあるし、アバルトに乗ってた時のホイールも残してましたから」

「500に乗ってたんですもんね。やっぱり、イタリア車好きなんですか?」

「それもありますけど、単純に少ないんですよ。コンパクトカーでここまで本格的な4WDって。要件を全部満たすのがこいつだった、ってのが近いかもしれません」

 

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※アバルト時代の写真。コンパクトなホットハッチは昔から好きなようです

 

「増車じゃなくて、SLKの買い替えも検討してましたよね」

 

たしかアウディのRS6は買う直前までいっていた記憶があります。


「いってました。やりたいことを1台にまとめるか、思い切って増車するか、すっと迷ってたんですよね。そんな中、夏頃かな?新山さんに言われまして」


曰く、


『ーーシルビアとサンバーの2台体制を経験した身からすると、一旦、2台持ちを経験して見るのも手ですよ。そこから、1台にまとめるか、2台体制で行くかを選択した方が、考えは豊かになると思います』


とのこと。新山さんに目をやる私。


「……とりあえず、手頃な車買わせようとしてません?」

「そんなことないよ。経験則を話しただけ」


お前も鬼にならないかと言っているのと同じです。しかも、自分も同時期に車を買っているという。

 

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「ーーまあ、実際言われた自分としても、腑に落ちる点は多くて。1台にまとめるにしては、考えもまとまってなかったし。お試し2台持ちのランニングコストを考えても、ずっと欲しかった100万円前後のコンパクトな車を、勢いで買っちゃった方が満足度も高いかなと思いましてね。RS6は、まだ死ぬほど高いですから」


アウディRS6。V8ツインターボを積み、泣く子も黙る600馬力を発生し、全幅は1,960mmというバカ速クソデカ4WDワゴン。


SLK55とはまた違った方向の、欧州プレミアムハイパワーカーです。これを手に入れれば、いつでも、どこへでもいける、そう息巻いていたものの……。


「デカ過ぎるなと。実際遠方に出かけた時も、たまーに細い道入ったりするんですけど、2m近い全幅は、ちょっと持て余すなと思いまして。ーー何なら、今回そこそこ実用性も求めたい中で、ここまで高い車にする意味がどこまであるのかなと……」


車には浪漫を求めると明言していたぽりんから、わりと意外な発言が出てきました。


『どうせ買うなら』という話は、私ともよくしていました。自分の気持ちを高める為にプレミアム性を求めることは、いわゆる『ドヤる』感覚に近くはあるものの、方向性さえ間違えなければ、悪くない感性だと思っています。


「そうなんですよ。自分もずっとそういう気持ちがあったんですけど、ーー浪漫って別に、車体価格と比例しないですからね。思えばずっと、『限界予算に近い車』で探していたなと気づいて。一旦そこから離れてみてもいいんじゃないかと」


そりゃ予算が無限にあるなら高い車欲しいですけど、とコーヒーを啜りながらぼやくぽりん氏。


この感覚は正しかったようで、数ヶ月後、パンダとサンバーをそれぞれシバキ倒したぽりんと新山さんに、「実際どうでした?」と意見を伺うと、

 

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「最高」「これでいい。いや、これがいい」「車は小さいエンジンをマニュアルでぶん回してナンボ」「排気量1.0Lも要らんかったんや!」「小排気量MT&4WD、この条件にあらずんば車にあらず」


熱い手のひら返しを見せてくれました。なお、この2人、それぞれ元々V8乗りです。

 

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※数ヶ月前の集まりで見せていた『V8を讃えよ』のポーズ。このときは、こんなことになるとは夢にも思っていなかったでしょう。


そんなわけで、仲間内における『車との付き合い方』に、一種のトレンドを巻き起こしたぽりんと新山さんです。


おかげで私は今、GP型インプレッサのMTが欲しくて堪りません。そこそこの最低地上高のマニュアル車で雪山に突っ込みたい。


◇


「今回最大の突っ込みどころは、群馬での通勤の足車としてパンダ買ったのに、転職大成功して、都心の電車通勤になっちゃったことですよね」

「こんなつもりじゃなかったんですけど。人生、話が重なる時は重なるもんですね」


最近はSLKの出番が減り、完全パンダ乗り回しマンになってしまっている模様。大分お気に召しているようです。


「パンダ、どこが一番好きですか?」

「エンジンです。変な笑いが出ます」


SLKのときと同じ台詞です。

 

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2気筒ツインエアエンジン。エンジンオブザイヤーでも複数賞を取っている、名機中の名機。


「2気筒って、バイクだとV型とかもありますけど、これは?」

「並んでます。直列です」


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「面白いですよこれ。アイドリングはトットットットって感じで、ゆっくりアクセル踏むと、バタバタバタバタって愉快な音が出ます。しかも、低い回転域だと、エンストしかけてるのかと思うくらい振動が来る。こないだ低回転から加速した時に、バックミラーまでガクガク揺れちゃってまして。流石に笑っちゃいました」


乗ってて笑ってしまう、とは良い言葉だなと思います。……集合場所に先に着いて、新山さんと2人でぽりんを待っていたりすると、パンダが近づくにつれて、『バタバタバタバタ』という愉快な排気音が聞こえてくるので、こっちまで笑ってしまっています。


「そのわりに、上までぶん回すと、思いのほかスムーズなんですよね。ーーあと、低速だとバタバタいうわりに、高速巡行してるとわりと静か……ってほどじゃないですけど、疲れる音があんまり聴こえてこないです」

 

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「このエンジン、バランスシャフト(エンジンの1次振動を軽減する、クランクシャフトと逆位相で回転するシャフト)にカウンターウェイトみたいな重り付いてるんですけど。多分そいつが効く回転域を、ちょうど高速巡行の回転くらい振ってるんじゃないかな」

「下の帯域のバタバタ感は、ツインエアの味として残してて、長距離走る時はなるべく疲れないようにしてくれてる、って感じですかね」

「みたいだね。技術解説読むと、バランスシャフトで1次振動の軽減は狙ったけど、2次振動は問題にしなかったって書いてる」

「4気筒でバランスシャフトがあると、2次まで消す為に倍速で回転させるはずなんだけど、こいつは等速らしいですね。その辺の考え方の違いなんだろうな」


以降、ぽりんと新山さんが、シリンダーの角度がどうとか、偶力振動の他に慣性力振動がどうとか話し始めてしまいました。さっぱり分からない私はへーほーと頷きながら、脳内に初耳のキーワードをメモることに終始します。


5分ほど経過。インテリアに目を向けます。

 

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「イタリア車といえば語りどころは内装と聞きますが、……何ですかこのドリンクホルダー」

「『ホールドとは?』という感じですね。深さを全く考えてない。エスプレッソカップくらいしか置けないです」

 

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※この喫水。手前の3つ目のスペースにおいては、サイドブレーキを下ろすとレバーに干渉します


「ドリンクホルダー問題は、弱点っちゃ弱点でして。ちょうどよく保持してくれるスペースがないんですよ……。実はドア側の足元にもドリンクスペースがあって、そこが一番まともに保持してくれるんですけど。ここにも問題があって。降りるとき、十中八九蹴飛ばします。果たして今まで、何mlのコーヒーを駐車場にぶちまけたか」

 

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「続いてこちら。この車の給油口にロックという概念は存在しません。ガソリン盗り放題」


彼等は世紀末みたいな極限状況じゃなく平和な日々を前提に設計してるんですよ、とのぽりん談。良いですね。楽しくなる。


「あとこれ。何故?というところにパンダのロゴがあるんですよね。たとえばここ、トランクを開けたリア上部」


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「次はこちら。内装のシボ部分。ここに関しては一種の狂気だと思う」

 

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恐怖。ほとんどシャイニングのアレです。


続いて後席の窓。


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「ハンドパワーです。災害時に便利」

「奇遇ですね、サンバーもこれです」

「おお。最大のフェイルセーフは『部品を付けない』ですからね。付いてないものは壊れない。ーーちなみにこの窓、ドアデザインの都合上ここまでしか下げられません」

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最後に後部座席。

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「……5人乗りですよね」

「5人乗ってみろ、的なね。あと、なんでここにドリンクホルダーがあるんだって思う。運転席側に増やして欲しいんですけど」


◇

 

という感じで、インテリアに関しては、我々の感性からすると「何故その判断を下したのか」と首を傾げる部分は多いですが、総じて明るく陽気な、乗っていて笑顔が溢れてくるような車です。

「1/1スケールのおもちゃを買った感覚ですよね。車の特性もそうですし、何より、いろんな意味で気軽に弄り回せるんですよ、この車。とりあえず電装系、ライト関係は自力でアレコレ付け替えてみてます」

 

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雪道ツーリングを見越して、ヘッドライトとフォグランプは早々に交換したようです。

 

準備も徹底したおかげが、念願の冬季北海道突撃ツーリングは、無事に楽しく走り終えた模様。

 

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※北海道を駆け回るパンダ君。

 

「サンバーもそうですけど、ホント2人とも、カーライフが一層楽しそうになりましたよね」

「いや大満足です。使い切れるパワー。弄りやすさ。肩肘張らない明るい雰囲気。何より、行動範囲を広げてくれるこのパッケージ。SLKとはまた違って、『車の楽しさってこうだよな』って感覚を、また教えてくれた車ですね。長く楽しめそうです」

 

解散して、陽気な排気音を響かせながら、元気に駆け去っていくパンダを見て、私は少しコペンを思い出してしまうのでした。

 

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次は新山さんのサンバー回ですが、また誰かが先走って、突然何かを買ってしまわないかが不安です。続きます。

 

アルピナに乗って3年が経ち / 異常独身男性は仙人になる夢を見るか?

最初の半年こそ怒涛の勢いで壊れていったアルピナB3ですが、買って3年ほど経つ2025年現在においては、さしたる不具合もなく、元気に走ってくれています。

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車検も2回通しました。不具合は特になし。謎に毎年クギを踏み、毎年パンク修理に出すという不運が続いている点は気になりますが……いずれも数千円で済んでいるので、擦り傷だと思うことにしています。

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オドメーターは118,000km。3年間での走行距離は40,000km。思えば、あちこち走りました。


長崎の端っこまでの長距離ラン、日常の足としてスーパーへの買い出し、車仲間とのツーリング、ちょっとハレの日のドライブなどなど。


基本この車は心中するつもりで買ったので、金銭的・物理的にどうしようもなくなるまで乗り続けるつもりですが、一通りのシチュエーションで使い倒したこのタイミングで、一旦『アルピナB3のF30型』という車を振り返ってみようと思います。

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◇


◯運転の楽しさ / 内から来るか外から来るか


先に総論じみた話をします。1台目の愛車、コペンローブと比べて、アルピナB3はどういう車か。

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私は車に対して、薄らとした想像上の人格を被せて接する傾向があります。斬魄刀の具象化とか、シャーマンキングの持ち霊みたいなものを想像してもらえれば近いと思います。ーーこの話を車仲間にしたら「気でも狂ったか?」という顔で見られましたが、愛用品に似たようなイメージを付与している人は、世の中にそこそこいると信じています。


たとえばコペンは、『元気で気のいい小型犬』で、リードを引っ張るそいつを、せっせと散歩に連れ出している感覚でした。

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一方アルピナは、というと、『銀髪姫カットの冷たい目をした美女』です。

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自分よりも身分も、気位も、なんなら戦闘力も高い、魔術師のような彼女に、頭を下げて頼み込んで安楽椅子探偵をやってもらっていたけれど、最近になってようやっと、現場まで一緒に着いてきてくれるようになった、可愛いとこあるじゃねえかこいつ……と、何を言ってるのかわからねーと思いますが、正直そんなイメージを持ちながら乗っています。

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ワクワク感は、コペンの方が上です。とっておきのオモチャを持って、学校の裏山に突撃した夏休みのような。気のいい小型犬が、知らないどこかへ連れていってくれるような。ホビー感、トレジャー感。冒険の予感がある車でした。

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小排気量MTの小型車は、全般この傾向があるのかもしれません。コンパクトな車体の中で、小振りなエンジンをぶん回して走る。車外からのインフォメーションも豊富で、フィールドを近く感じて、このまま遠くまで走り続けたくなる車。

 

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パンダ4×4で雪山を走り回っているぽりんの話を聞いていると、よくコペンの楽しさを思い出します。


……ハイパワーセダンを乗り継いで、再びサンバーに行き着いてしまった新山さんもシチュエーションとしては近いですが、アチラからはまた別のものを感じています。アレはもう解脱に近い。

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一方、アルピナから伝わってくるのは、車という工業製品としての、異様なまでの上質さです。


車外からのインフォメーション以上に、車そのものから発せられるインフォメーションの心地良さが強いのです。

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アクセルペダルから伝わる、粒の細かいエンジン振動。サスペンションの動き。ステアリングの座り。空力の安定感。大トルクに由来する、滑らかな中間加速の余裕感。


同じ楽しいでも、コペンとは出処がまた違います。車という工業製品のおいしいところを味わっている感覚です。

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もちろん、コペンの車としての出来も相当なのですが、小排気量の小型車でMTで、しかもオープンというパッケージだと、それ以上に『車外・フィールドからのインフォメーション』が強くなります。これはあくまで相対的な話です。

 

ーー仮に、『ロータスエリーゼをアルピナがチューンしたコンプリートカー』なんてものが出てきたら、もしかしたらこの辺りの感覚がイーブンになるのかもしれませんが……『長距離を安楽に』がコンセプトのアルピナと、それはまた別の車になるのでしょう。

 

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次の車をアルピナに決めた35歳の夏は、コペンの冒険感を楽しみつつ、もう少し人として『大人』になりたいと思っていました。言葉遣いや考え方を、自分なりに改めたり。着る服や、身に付けるものを変えたり。そんなことを意識的に進め始めた頃だったので、アルピナの『内から味わう楽しさ』は、大人になりたかった私の感覚に、スッと寄り添う形でフィットしてくれたのかもしれません。


そんなわけで、元気で気のいい小型犬の思い出を懐かしみながら、山下達郎の歌詞に出てきそうな、銀髪姫カットグラマラス系冷たい美女と、ちょっとずつ仲良くなろうと四苦八苦するという、なかなかに楽しい日々を過ごしています。

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◯アルピナの本領 / 泣く子も黙る長距離巡行能力


ポイント別の具体的な話も書き記しておきます。予想はしていましたが長距離は呆れるほど楽です。

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60kg-mを超える鬼トルクは全てを解決します。巡行時は踏めばどこからでもスイーっと加速します。


F30の強みであるホイールベースのおかげなのか、アルピナの空力パーツのおかげなのか、高速でもカーブの際でも、姿勢はビシッと決まって乱れません。

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買ってからの3年間で、首都圏から九州まで片道1,000kmオーバー旅程を3往復しましたが、車を降りた時こそ結構な疲労を感じたものの、ステアリングを握っている時に「疲れたので休もう」と思ったことはほとんどありませんでした。空腹とトイレの問題さえなければ、800kmくらいはノンストップで走り続けられるかもしれません。

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ネガもあるにはあって、意外とロードノイズがうるさいです。タイヤノイズはガーガーと車内に入ってきます。この辺りは低扁平タイヤの弊害かもしれません。


また、F30の前期型は、前車追随式のオートクルーズコントロールではありません。


しかしまあ、車そのものの性能として長距離適正が高過ぎるので、「強いていえば」の話であり、ロードノイズも、運転の楽しさとの兼ね合いを考えるとかえって良いバランスだと思います。


自走で九州まで往復しないといけないタイミングでアルピナに乗っていたのは、我ながら良かったなと思っています。

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※長崎県野母崎に佇むB3。海の色が信じられないくらい綺麗だった

 

◯F30は基本タフ / 最初の半年は何だったのか


最初の半年こそ、チャージパイプが吹っ飛び、電動ファンがバキバキに壊れ、タイヤ諸共ホイールが破損し、と故障続きでしたが、それ以降は元気なものです。

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上記の他は、釘踏み2回(パンク修理数千円でクリア)、ブレーキローターへの小石挟まり(キーキー異音が出てビビり散らかした)くらいで、車検時にも油脂類の交換以外は何もしていません。


タイヤの消耗なんかは早いんじゃないかと慄いていましたが、3年4万キロを走った今も、溝の残量は問題ありませんでした。4年目でそろそろ換えようか悩んでいるくらいです。ネットで見ると、3万キロで換えてる方が結構いらっしゃったんですが、相当踏んでるんじゃないかなアレ……私はもう安全運転が一番です。


強いていえば、エンジンの冷間始動時の振動が増しているように思いますが、走り出して暖まってしまえば収まるので、今の所あまり気にしていません。


関連しそうなところだと、点火系のうちイグニッションコイルは未交換ですし、マウントブッシュ類は、どこかで少しずつリフレッシュさせていきたいところなので、この辺は様子を見ていこうと思っています。

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あとは足回りか……。アルピナ純正サスペンションキットは鬼の100万円コースなので、ここまま乗り続けるならいつかは、とは思いますが……。幸い、乗り心地については冷間始動時の振動以外、悪くなる気配すらないので、これも様子見としています。


そんなわけで、維持費については、『しばらく眠っていた状態から叩き起こされたばかりの中古車購入直後』における、初動の故障分を一定見込んでおけば、F型の車は短期的にはそこそこタフな方だと思います。


長期的には、前述の消耗品交換が襲いかかってくるはずなので、心して予算を計上しておこうと思います。

 

◯覚悟の車 / こいつと生きていく


生きる上で優先順位を付けざるを得ないことは幾つかあって、私はこの車を買ったとき、「好きなモノへ意識的に手を伸ばして生きていこう」と心に決めました。

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端的に書くと島達也の「全部注ぎ込んでるからですヨ」のアレです。

 

将来結婚とかしたくなるかもしれないし、あんまり好き勝手やるのもなあ、という逡巡がそれまでありましたが、こいつを買うと決めた理由は、その考えを意識的に放棄できたからです。


と言いながらセダンタイプを選んだ辺り、まだ未練が見えますが……、少なくとも今は、購入当初より『他の選択肢を排除してでもこの車と生きていこう』という意識が強まってきました。

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もちろん周囲には、車をはじめとした好きなモノに振り切りながら家庭を持った友人も、将来を考えて意識的に手を引っ込めるようにしている友人も、どちらにも備えている友人もそれぞれおり、皆の立ち位置を私は尊敬しています。島達也をやれと友人にハッパを掛けているわけでは全くないのですが、この車に乗っていると、自分は好きなモノに手を伸ばして生きていこう、その分頑張るところを頑張ろう、と決めた時の気持ちを思い出して、少し背筋が伸びます。


どこかで後述出来ればと思いますが、時計も少しこの感覚に似ています。レベルソとポラリスは特に、少し意識を正すような、ちょうど良い感覚があって着けていて楽しいです。


◇

 

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以上が、BMW ALPINA B3 Biturbo Limousine (F30型前期)という車に3年乗った私の所感です。


長距離ツーリングも、日々のちょっとした買い出しさえも楽しい、いい車です。


コペン時代から続く車仲間も少しずつメンバーが増え、今まで以上に良い関係を築くことが出来ました。あちこちに行って、写真を撮って、駐車場でいつまでも帰らず延々と駄弁り、アルバムと思い出が増えていく楽しさは、1人で駆け回っていたコペン時代とはまた違った喜びがあります。

 

言ってしまえばまだ3年です。今後もこの車で日本津々浦々走り回りたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

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次回は、車を買ったぽりんと新山さんの話です。2人曰く、『小排気量MT&4WD、この条件にあらずんば車にあらず』。君たち、ちょっと前までV8乗ってませんでした?

トヨタ クラウンマジェスタ i-four

「車検も通したし、冬も超えたし、新山さんの四駆への買い替え欲求も、ようやっと落ち着いたのではないかーー」


そう書き記したのが2025年4月14日のことでしたが、あろうことかその翌日、この男がまたやらかしました。


乗り換えです。


◯トヨタ クラウンマジェスタ i-four (2012年式・200系)

 

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エンジン: 3UZ-FE型 4,292cc V型8気筒

ボディサイズ:全長4,995 × 全幅1,810  × 全高1,475mm

ホイールベース: 2,925mm

トレッド:前/後 1,545/1,545mm

タイヤサイズ:235/50R17 / 235/50R17

車重:1,810kg

最高出力:280ps/5,600rpm

最大トルク:43.8kg-m(430N・m)/3,400rpm


最小回転半径5.5m


◇


同年5月3日。気持ち良く晴れた、ゴールデンウィーク後半戦の初日の午後。


マジェスタのお披露目がてら飯でも食いに行こうと、集合場所として愛用しているバカ広駐車場に辿り着くと、新山さんはすでに到着していました。見慣れないダークブルーのセダンが停まっています。

 

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「……ちゃんと見るの初めてだけど、マジェスタって意外と優しい顔してるんだね。ヤクザ映画によく出てくるっていうから、もっとイカついフロントを想像してたんだけど」

「多分それ、一つ前の180系だろうね。アウトレイジに出てる。200系は、大分デザインが丸くなったって評判だったから、所謂VIPセダンとしては180系の方が人気なんだよね。ーーレキさんもあっちの方が好きって言ってたかな」

「あの人ああ見えてVIPカー好きだもんね……」

 

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「リアは大分特徴的だね」

「縦目のテールランプがトレードマークだからね。全体的に直線的な造形だよな。180系と比べてもそうだけど、フーガと比べると大分四角い」


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「……タクシー?」

「レースのシートカバーのことでしょ。これ買った時からこうだったんだよ。一応純正オプションらしい。フロントはともかく、リアはシート引っぺがさないと外せなさそうなのでこのままにしてる」


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「思えばシルビア以降の5台、内装ずっと杢目だね」

「……気づかなかった。ちなみに、マジェスタの杢目は浮くって評判みたいで、一番の弱点って言われてる。この個体は今のところ大丈夫だけど、今後は見守るしかないね。ーーあと、クラウンシリーズのお家芸として、エアコンの吹き出し口はスイングします」


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「風の当たり方が心地いい。フーガのフォレストエアコン機能といい、日本の高級車は空調の考え方強いよね」


なんて、車の周りをウロウロしながら話をしているうちに、V8のドルドルした排気音が近づいてきます。ぽりんがやってきました。


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※車オタク集会あるあるの光景。「バッテリー搭載位置が結構後ろですね」「いい位置ですよね。意外とスポーティーなのか…?」的な会話を交わしていた模様


この日の目的は、マジェスタのお披露目と、香椎くんの帰省に合わせた、爆弾ハンバーグのドカ食い気絶会です。RX-8が東名の渋滞に苦戦をしている中、埼玉県民組で先行して集合し、お披露目会を開催します。


「ーー次に車買うなら、正直私かレキさんのどちらかだろうと思っていましたが、まさかの大穴、新山さんでしたか…」

「逆に順当と言うべきかもしれませんが、まあ」


いつ誰が何をやらかすかわからない感じになってきましたね、とぽりんが嘆息します。


「しかし、何故このタイミングで? 四駆が欲しかったのはわかりますが、車検も通して、ようやっと雪シーズンも乗り越えたっていうのに……」


至極真っ当な疑問に新山さんが答えます。


「『出物が出てきてしまった』から、としか言いようがないですね。球数が少ないんですよ、マジェスタの四駆。出てくるとしても、大体北海道とか青森とかで……。FRに比べて燃費も悪くなるし、ニーズがなかったんでしょうね。流石に見に行けないじゃないですか、その距離じゃ。そんな中、『見に行けないけど何となく見ていたカーセンサーの大阪の出球』が売約済みになって。『ああ…』と思ってたら、その翌日に、何と群馬で出てきちゃった」


『大阪のカーセンサーの出物が売約済みになった』話までは、私がフーガの助手席で聞いています。事が起きたのは、あろうことか、「これでようやく大人しくなるのか」と思ったその翌日だったようです。


「出てきちゃって、で?」

「次の日休み取って、見に行って、ハンコ押して帰ってきた」


笑いが取れるスピード感です。


「何が面白いって、ちゃんとハンコ持ってってることですよね」

「ここで逃すわけにはいかなかったのでね。ーーこれは半分冗談で半分本気だけど、おれから言わせれば、みんな速さが足りないんですよ。スクライドを見直した方がいい。人生有限なんだから、好きな車に乗れるチャンスは逃すだけ損です。買えるときに買わないと。明日死ぬかもしれないんだから」


グッドスピードがラディカル過ぎて皆を置き去りにしています。


「海野さん(同棲中の新山の彼女さん)には? ちゃんと話したんですか?」

「話しましたよ。『最終的には自分で決めて』って。ので、次の日に買いました」


これで、今に至るまで結婚秒読み状態を維持しているというのが恐怖です。ーー『婚約指輪のお返しがインテグラのエキマニ』だったという、インテの荒井さんに並びかねないエピソードだと思います。


◇


「結果的に新山さんのおかげで、国産ラグジュアリーセダンの理解を広げられている感ありますよね」

「アルピナB3→日産フーガ→トヨタマジェスタですからね。いいですよ、大排気量セダン。ーー乗っていきますか」

 

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助手席と後席にぽりんと私で乗り込みます。


「買っといてなんだけど、シートはフーガの方かいいと思うんだよね」

「言われてみれば…。ちょっと柔らか過ぎるかな?」

「膝のサポートもフーガの方が余裕がありますね」

「比べると、フーガは全体的にドライバーズカーだったのかなとは思うね。外観もマッチョでスポーティーだったし」


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「オーナー目線だと、コンソールデザインもフーガのような色気はないかな」

「アレはフーガが出来過ぎてたと思う……。助手席側から見てても綺麗だなーと思ってたし。2000年代の造形とは思えない、ぬるっとした曲線使いだった」


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「乗り込むと恐ろしく静かだね」


衝撃です。外界の音から綺麗に遮断されます。アルピナがああ見えて大分喧しいので余計に静けさを感じます。


「フーガも静かだったけど、それ以上だね。ショーファーの性格が強いとしたら、順当なスペックだと思う。これね、いいよ。昔は静か過ぎると寂しかったけど、これだけ静かだと長距離走っても疲れない」


一通りアレコレ語り狂ってから、走り出します。


「……エアサスでしたっけ」

「です」

「乗り心地はフーガより安定感がある気がしますけど、意外とフワフワしてないんですね。しっかりしてる」


身内のエアサス乗りというと、7カムさんの7シリーズしかいなかったので、今まで比べた事がなかったですが、……エアサス、思いの外コシのある、カチッとした乗り心地です。快適ではありますが、程々な硬さがあります。


続いてエンジン。

 

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この車の肝だと思います。異様にスムーズに回る、古き良きV8NAの3UZ-FE型エンジンが、何とも気持ちいいのです。


少しだけ運転させてもらいましたが、発進時、低速からジワジワジワッと踏み増したとき、アクセルペダルから伝わってくる感触が、何とも細やかでマルチシリンダーを感じます。


そのくせ静かです。マフラーからドロドロ言うわけでもなく、振動感も少なく、キュイーンと回っていきます。


「エキマニはおそらく等張になってるんじゃないですかね。……マフラー換えたらイタリアンV8みたいになるんじゃないですか?」

「マセラティみたいな音がして、振り向いたらマジェスタだったって面白いですね。ーーついでにエアサスコントローラー入れて、車高落としますか。ホイール19インチの10Jとか入れちゃって、キャンバーも付けちゃったりなんかして」


レキさんホイホイになってしまう。


「あとこの車、180系と同じ、ちょっと古いエンジン積んでるんですよ。新エンジンは4WDの機構が邪魔で載せられなかったみたいなんですよね。感触の良さはシンプルな昔ながらのエンジンのせいもあるかもしれないですね。……その代償か、燃費は街乗り4、流れが良くて7km/Lくらいです」

 

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サファリとどっこいどっこいの燃費です。これを通勤に使っているという恐怖。


◇


「しかし、これで通算8台目の車ですか……。10年近く乗ったシルビアを降りてから、まるで何かに駆り立てられているかのようなペースですけど、何か理由あるんですか?」

「うーん……。単に抑えが効かなくなってきただけといえばそうなんですが、『実際に買っで乗ってみた後、その先に何があるのか知りたい』みたいなところは、あるかもしれないですね。『体感して理解したい』というか」


物欲で買っているのはわかるんですが、どうもこの男の車の買い方には、見栄やブランド欲みたいなものが感じられず、車種も比較的多様で、何を思って買い替えているのか未だに謎です。


「基本、興味がある車が中古市場にしかないので。買えるチャンスがあったら"買って乗って知る"為に、速攻で飛び付いてる、という感じだと思います。で、自分で弄りながら、頭も使いながら乗り続けていけば、やっぱり経験値は蓄積されるんですよね。メーカーの考え方とかお国柄の傾向とか。乗り味の方向性とか、そのメカニカルな理由とか。ーー逃したら、一生知らずに終わるかもしれないので」

「……モノっていうより、本買って読んでるみたいだな」

「そうなのかな?  よく分からないけど。でも、工業製品を趣味で捉えると、体験としてはそうなっちゃうのかもね」

 

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くっちゃべってから、北関東の誇るハンバーグチェーン店・フライングガーデンに移動。

 

渋滞を抜けてきた香椎くんのRX-8と合流したところ、彼の開口一番は、

 

「この車でドリフトしてる人、1人知ってます」

 

でした。

 

ぶち上がる一同。FRの方でしょうし、MTへの載せ替えくらいはしてるんでしょうけど、いろんな人がいるもんだ。

 

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※食後、移動した駐車場でだべり狂う一同。車好きの会話は、解散の為に駐車場に出てからが長い。

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※爆弾ハンバーグ400g。この量になると鉄板にスペースがないのか何なのか、付け合わせの野菜がなくなる。

 

◇


オチとして、数日後に会った海野さんと新山さんの会話は以下の通りです。

「ーーずっと乗るんでしょ? マジェスタ」

「ああ、うん。そうだね。ローンが終わるまでは、少なくとも」

おれ覚えてますけど、その台詞、フーガ(1台目)のときも言ってましたよ。

 

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※ゴールデンウィーク最終日に3人で行った、羽生のバーガーフェス。大雨でしたが行ってよかったと思うほど美味かったです。


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スムーズに回るエンジンと、高い静粛性、内装の高級感から、満足度は高いと本人も述べていたマジェスタ。

 

あとは雪道シーズンで四駆のフィーリングがどうか、気になるところです。引き続きよろしくお願いします。

時計の話。その3。

私が妄執の果てに購入した時計です。


◯ジャガールクルト / レベルソ トリビュート デュオ(機械式)

 

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機構 : 手巻・第2時間帯表示・スモールセコンド(表)・24時間表示(裏)

パワーリザーブ : 42時間

振動数 : 21,600/時

ケース径 : 47mm

ラグ幅 : 20mm

ケース厚 : 10.3mm

防水 : 3気圧

表記 : バーインデックス


『何か良いやつを1本買おう』と決意してから4ヶ月間。紆余曲折を経てレベルソを選びました。


手持ち時計と何一つ要素が被っておらず、愛着面だけでなく実用面でも、手に取ることの多い時計になりました。じっくり選んで良かったとしみじみ思っています。


何より好きな点は、手巻ムーブメント、Cal.854の感触です。


初の手巻き時計ですが、とても、とても楽しいです。軽い力で、チキチキという反動を味わいながらリューズを回していき、だんだんと手応えが強くなって、巻き止まりの抵抗を感じ、止める。『手巻きの感触は癖になる』『時計と会話してる感じ』と聞いちゃあいましたが、その通りでした。謎の気持ちよさがあります。


パワーリザーブは42時間と短めですが、なんならちょこちょこと巻きたいので、もっと短くてもいいくらいです。手巻なら38時間あれば十分じゃないでしょうか(狂気)。


ベースムーブメントであるCal.822(これに両面表示のデュオ機能を追加したものが854なので基本は同じらしい)は、登場こそ1992年ながら、機構そのものは昔ながらの手巻ムーブメントなので、前述のパワーリザーブの短さに加え、リューズを引いての秒針停止機能、いわゆるハック機能が付いていません。


ので、停止状態から秒単位で正確に時間を合わせるにはコツが要ります。不便です。不便ではあるのですが、その辺も味といえば味です。


わりと跳ね返りの強い(らしい)手応えを味わいながら、チキチキチキチキとゼンマイを巻き、少しずつ抵抗を感じ、巻き止まりの手応えを確認して、止める。ーー大事なことなので2回書きましたが、これが本当に、謎に楽しいのです。


モデルそのものも、1931年という市販腕時計黎明期から脈々と続く歴史あるもので、ヘリテージを感じる喜びもあります。


ちなみに名前の由来はラテン語らしいです。reverseの語源とのこと。その名の通り、唯一無二の『反転ケース』から来ています。


ポロ競技という乗馬スポーツにおいて、スティックが当たって文字盤が割れることのないよう、文字盤に反転機能を持たせ、競技時にはステンレス板を表とすることで、文字盤を保護する発想だったようです。


当時に倣って、裏面がステンレス板のものを『モノ』。裏面に同一ムーブメントで駆動する第二文字盤を搭載したものを『デュオ』と呼びます。私のはデュオモデルです。


『見た目がドレッシーなのに出自がスポーツ時計』、というアンビバレンスさも気に入っています。文化的な面白さですね。


◇


購入の決め手は、『白文字盤もしくは青文字盤の時計で、出来れば手持ちの時計と機構が被らないモノ』という基準に、こいつが物の見事にハマったからです。


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※光の当たり方で色合いが変わるサンレイの青文字盤と、チマっとしたギョシェ彫の白文字盤。仕事でも私服でも使いやすいです。


レベルソであれば、そのうち1本ずつ買おうと画策していた白文字盤と青文字盤を、1本で兼ねます。デュオでよく言われる『実質2本買ったの同じ』です。


ハチャメチャに高い(5年前と比べるとそれこそ100万円近く値上がりしている)買い物でしたが、格段に良くなった文字盤やケースの仕上げ、2本分の使い方が出来るデュオ文字盤を考えると、良い買い物をしたとまで思っています。


購入したのは、麻布台ヒルズのTimeVallée ISHIDA Azabudai Hills店です。

 

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何の用事で麻布台まで足を伸ばしたのか完全に忘れていましたが、BMWのアンテナショップ的なものが出来ていたので見に行ったのがきっかけだったと思います。

 

ディスプレイされていたバカデカ7シリーズを眺めた後に周辺を散歩し、『こんなところに時計屋があるんだ』と足を踏み入れてしまったのが沼の入り口でした。同店、リシュモングループの時計で一生物を買おうとお考えの方には強くおすすめします。丁寧で、在庫ラインナップも豊富な良いお店です。


……こう書くとスムーズにレベルソで決められたように読めますが、実際にはここ至るまで、相当な紆余曲折がありました。何本検討したのか、自分でもイマイチ覚えていません。


よって以降、購入記として、その右往左往の様子を記します。時計を買おうと思い至ってから、実際に購入に至るまで、おそらく大半の方は似たようなご経験をされているものと思います。お暇でしたらご笑覧ください。


◇


ハミルトン2本、タグホイヤーのカレラ2本を手にして思ったのは、①全部黒文字盤じゃん ②ここぞというときに着けられる激ヤバ本気時計がほしい の2点でした。

 

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※ご覧の通り。レベルソが入るまで黒一色だった。


自分にとっての激ヤバ本気時計、具体的にいうと、3桁万円の時計です。昨今の値上がりで基準が変わってきているとはいえ、100〜150万円まで出すと大分良い時計が買える、という風潮。これを、具体的に知りたかったのです。


値段から入る買い物の是非については色々と意見があると思いますが、この手の趣味モノ工芸品については、『一定ランク以上』を理由に買うのも、一つ手ではないかと思っています。そこから知る、知ろうとする、大枚を叩いてこそ得られる経験は(それが生きる上で役に立つかは別の問題として)、車や楽器にも準じて、一定あると思っています。


ーーなどという理由で物欲に火をつけ、愛聴しているYouTubeチャンネル『ウォッチ情熱応援団』さんの全動画を見尽くす勢いで、着火した物欲を最大風力で煽り散らかし、9月から12月に掛けて、私は激ヤバ本機時計を求めて、都内の時計店を彷徨い歩き始めました。


◇


『ここぞというときに着けられる激ヤバ本気時計』となると、鉄板は白文字盤です。


黒文字盤しか持っていない私にとっては新鮮ですし、買う意味も出そうです。が、私が一番好きな色は、青。目を引くモデルも必然的に青が多く、ここが悩みでした。初志貫徹でいくか、好きな色を取るか。


結果両方取りのデュオフェイスだったわけですが……。


最初に一目惚れしたモデルは、ショパール / アルパインイーグルの青でした。


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他にない文字盤の加工と、ブルーの相性が抜群で、美しいにも程がありましたが、実物のキラキラ具合を見て、『白文字盤の端正な時計がほしい』の目的に真っ向から喧嘩を売るレベルの華やかさに腰が引け、一旦落ち着くに至りました。


私が一目惚れするモノは大体派手で、自分には似合いにくいモノばかりなので、冷静になってから引くという傾向があります。が、それでもこのモデルはいつか欲しいと今でも思う次第です。



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彷徨い歩く中で、次に気合いを入れて買う時計は正規店で買いたい、という気持ちが高まってきました。


※カレラ2本はそれぞれ格安中古と並行輸入品を買っています。ハミルトンはチックトックにて購入


どうせ高いのを買うのなら、という理由に加え、これに関しては買ったお店のホスピタリティーが鬼だったからです。


あちこち巡りましたが、他正規店、直営ブティックを含めて、タイムバレーでご担当いただいた方のホスピタリティーと丁寧さ、ご連絡の正確さが段違いでした。


レベルソに絞り込んだ理由の一つに、『ここで買える』という後押しは間違いなくありました。今も諸々ご丁寧に案内いただき、感謝してます。


以下、検討時に見比べたモデルです。あまりにも本数が多いので箇条書きでいきます。


◯IWC / ポルトギーゼ

『良い時計を買おう』となったら大体出てくるモデルだと思います。1939年にポルトガル商人のリクエストで生まれた、歴史ある航海用腕時計。当時のデザイン・サイズ感までほとんど変わっていないという狂気。

アラビア数字の視認性とカジュアルさは好みですが、特有の文字盤スペースの空き具合が、少しだけ気になりました。クロノグラフモデルは文字盤のバランスが超好みですが、見た目のカジュアルさに反して、防水が3気圧という点、クロノグラフならカレラがあるという点からブレーキがかかり、今回は見送り。ただ、今でも好きなモデルです。


◯IWC / ポートフィノ

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ケースのまん丸さとシンプルなストレートラグがかっこよかったのですが、そのせいか、40mm径にしては小さく感じたので見送りました。ポートフォノで大きいモデルを探すと、パワーリザーブが付いたりで、盤面の構成が複雑になってきます。今回はシンプルなものがほしかったので除外しましたが、スッキリした時計を探されている方にはポルトギーゼより合うと思います。

 


◯IWC / パイロットウォッチマークXX

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※写真の下はビッグパイロット。デイトなしは好みだけどリュウズがデカ過ぎる。

 

ハチャメチャに好きなデザインではあるものの、手持ちのカーキフィールドオートとポジションが被ると思い、見送りました。手持ちにカーキがなければ買ってたと思います。青文字盤が好きです。カジュアルに見えるのに、高級感もあるという謎。

 


◯ジャガールクルト / マスターウルトラスリムデイト及びマスターウルトラスリムムーン

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端正な時計ということで第一候補でしたが、薄く、ドレッシー過ぎたので、後述のマスターコントロールを優先しました。ムーンフェイズはかっこよかったのですが、私には華やか過ぎて……。スモールセコンドのモデルがディスコンでなかったら危なかったかもしれません。

 


◯ジャガールクルト / マスターコントロールデイト

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本命でした。レベルソに気持ちが行くまでは、こいつを買うつもりでした。

シルバー文字盤の落ち着いた時計で、けどもアラビア数字で適度なフランクさもあり、程々の厚さで、普段使いもしやすい。ドレス的な時計なのに、しっかり5気圧防水もある。

何より、アウトレイジで椎名桔平が着けてます。池元組ならタダなのかこの野郎。

 


◯グラスヒュッテオリジナル / セネタ

◯ユリスナルダン / クラシコ

◯グランドセイコー / 何らかのモデル

白文字盤でシンプルな3針といえばこの辺りですが、最後の一押しがなく見送り。マスターコントロールの端正さとシンプルさのバランスが随一でした。セネタとクラシコのローマ数字は華やかでやや気が引けてしまい、グランドセイコーは、手巻き白樺が普通に売ってたらヤバかったかもしれません。とうとう出会えず仕舞いでした。


◯オメガ / シーマスター

◯タグホイヤー / アクアレーサー

◯タグホイヤー / カレラ他モデル

ダイバーズも見てみようと思った時期もありました。また、何やかんやカレラが好きなので、別モデルも見てみようと思って比べたものの、今回はシンプルな3針に絞ろうと見送り。160周年リミテッドの初代復刻シルバー文字盤は端正で今でも欲しいですが、このとき見つけられなくて良かったかもしれません。見たら買ってしまいそう。


◯パネライ / 白文字盤の何か

トボけた感じのアラビア数字と、文字盤のシンプルなデザインが好みで、ずっと昔から気になっていました。が、当時は白文字盤で好みのデザインが見つからず、見送り。

今ではラジオミールクアランタの、なんとゴールドテックが気になっています。

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金無垢で、10mmちょいの比較的薄いケース、40mmのサイズという、現代的なドレスウォッチの形式で、顔はパネライという謎バランス。ムーブメントにも特徴があるわけじゃないし、金無垢はもうちょっと出せばブレゲが買えるレベルですが、このくらいのバランスが自分にも合ってるんじゃないかと、段々本気になっています。


◇


果たして何本見たのかわかりませんが、たしかマスターコントロールを見に、タイムバレーへ行ったタイミングだったと思います。店員さんに、レベルソトリビュートのモノフェイスを勧められました。


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当時新しく出たばかりのモデルです。縦40.1mm、幅24.4mmの小型ケースにバーインデックス表示のトリビュート、しかもモノフェイス。実質的に初代リスペクトの2024年版モデルと言っていい仕様です。


着けてみた感想は「小せえ」という身も蓋もないモノでしたし、当時角形ケースはお洒落さんしか着けられないと思っていたこともあって、あまりピンと来ていなかったのですが……。


翌週。立ち飲み屋でジャガールクルトのWEB記事を眺めながら呑んでいたら、隣に立っていたおっちゃんから話しかけられ、「ルクルトは良い、特にレベルソがオススメ」とガン推しされたのが一点目(なお着けていたのはヴァシュロンのオーバーシーズ。強い)。


出張先の支店の課長さんが着けていたことが二点目。

 

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※私の購入後のツーショット。最初に買ったのは同じくルクルトのイデアルとのこと。


そして、『どうせ買うなら自動巻3針デイトより、ちょっと違った機構やデザインの方がアガるのでは』と思ったことが三点目。

 


以上が重なり、自分の中でレベルソへの興味が急浮上。


実際にクラシックのラージ、トリビュートのデュオを試してみたところ、そこそこデカく厚みもあり、端正な見た目にも関わらず、存在感もあったので、「これなら(最近80kgを超えてしまった)自分でも違和感なく着けられそうだ」と印象が変化。一気に第一候補に躍り出てきてしまいました。


そうなると、最後は『クラシックかトリビュートか』の2択です。


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※クラシックモノフェイス。何度見てもかっこいい


買うと決意して店に突撃したときまでは『アイコニックなクラシック』と心に決めていたのですが、比べるとグラグラと揺れ、最終的には店員さんの『私は断然トリビュートです』の声に推されて購入と相成りました。これで青文字盤と白文字盤の本気時計、クリアです。

 

◇

 

これを持って軽自動車の新車レベルの借金を負った私ですが、レザーベルトの激ヤバ時計を買うと、夏用激ヤバ時計及び茶ベルト激ヤバ時計も気になり始め、現在路頭に迷っています。インヂュニアか、デファイスカイラインか、ラジオミールクアランタか、ブレゲクラシックか、みんな大好きマスターコントロールか…。

 


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◇

 

というわけで大枚叩いて(もとい紙に名前を書いて電話をかけて)手に入れたレベルソですが、ハチャメチャに使い勝手が良く愛用してます。

 

たまにしか着けないレザーベルトならいいだろと、なんやかんや暑い日も使っていますが、そろそろ本格的な夏が来るので、カレラを超える激ヤバ夏時計がほしいところです。