BMW ALPINA B3 Biturbo Limousine (F30)
コペンローブが慎ましやかやに鎮座していた駐車場には今、でけえウルフドッグみたいな車が停まっています。
犬の名は、BMW ALPINA B3 Biturbo Limousine。
最高出力410馬力、最大トルク61kg-m。「おまえは一昔前の911ターボか?」と言わんばかりの動力性能を持つ、羊の皮を被り切れていない狼犬。
アルプス山脈の長閑な麓町、バイエルン州ブッフローエで製造された、天下のBMW 3シリーズを元にしたコンプリートカーです。
なぜこんな凶悪な車が我が物顔でここに停まっているかというと、コペンからの乗り替えで私が買ったからです。
◯ BMW ALPINA B3 Biturbo Limousine F30 (2015年式8AT)
エンジン: N55R20型 直列6気筒DOHCバルブトロニックツインターボ(F34 335iGT等に搭載のN55B30A型チューンド)
ボディサイズ:全長 4,645 × 全幅 1,810 × 全高 1,445 mm
ホイールベース: 2,810mm
トレッド:前/後 1,540/1,555mm
タイヤサイズ:245/30R20 / 265/30R20
車重:1,670kg
最高出力:410ps(301kW)/5,500-6,250rpm
最大トルク:61.2kg-m(600N・m)/3,000-4,000rpm
最小回転半径:5.4m
2022年8月6日納車。走行距離78,047km。
2021年8月、走行距離約77,000km時に下記の交換実績あり。
エンジンオイル/オイルフィルター/ブレーキフルード/
ミッションオイル/オイルパンセット/フィラーボルト/コネクタースリーブ/
前後ブレーキパッド(ブレンボセラミックタイプ)/前後パッドセンサー/
バッテリーAGM95A/エアフィルター/スパークプラグ
購入時タイヤ交換済。
◇
「外装が大人っぽく、パワーのあるセダンかクーペで、出来れば屋根が開く車」
というのがコペンの後継車を探していたときの条件なのですが、 B3がこの条件に当てはまっているかは若干怪しいところがありまして、問題は外装です。
ご覧の通り。ボディーカラーのアルピンホワイトⅢがマズかったのかもしれません。「白なら上品かな」と思って買ったのですが、友人の言葉を借りると「白スーツを着た桐生和馬」です。シルバーのラインが威圧感を倍増させています。
納車されて1週間。まだ停まっている姿を見るたびに、「……うわあ」となっています。えらい車を買ってしまった、と。
しかしながら、アルピナB3の本質は、”Understatement”を本懐としているメーカーのメインストリーム車とは思えない外装の威圧感でなく、コンフォートで走れば”Understatement”そのままの乗り心地と乗りやすさを誇り、スポーツモードのマニュアル変速で操れば豹変するバカ出力と足回りの安定感が、おそろしいことに両立していることです。
複雑な車です。見た目は厳つくて、でも普通に乗れば穏やかで、踏み込めば牙を剥く。イメージとしては徹底的に飼い慣らされた狼犬そのままです。
代償はランニングコストで、手始めに指定タイヤの交換が25万円掛かりました。ミシュランパイロットスポーツ4S、245/30R20と265/30R20。フラートーンの中古が買える値段です。購入直後の洗礼としては中々のものです。
※乗用車にあるまじき扁平率
ついでにいうと、トルク60kg-mを超える車です。アホな踏み方をしているとあっという間にタイヤがお陀仏になりかねません。
ありがたいことに購入直前に前のオーナーが換えておいてほしい消耗品を一通り潰しておいてくれたおかげで、当面は不意の故障さえなければオイル交換くらいでいけるのではないかと思っています。オートマチックフルードとオイルパン関係を一気にやってくれていたのは助かった……。
過去のエントリーで、「この辺の車を私が買ったら『ああ、こいつは車と心中するつもりなんだな』と思ってください」と書きましたが、その中には憧れのE36型アルピナB3も含まれていました。結局買ったのはこの世で最もかっこいいと私が盲信しているF30型のアルピナです。記載したものとは異なりますが、前言の通り、心中するつもりで乗っていきたいと思います。
購入に至る経緯や、今後の維持費との戦いや、ツーリングの思い出や、ついでにいうと同じ日に同じ店で納車された新山さんのB3 3.3のことについて、今後また書き記していければと思っております。
よろしくB3。これから末長く、元気に走って行ってください。