ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

半年所感 / BMW ALPINA B3 Biturbo Limousine F30

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ストラトキャスター」と呟くだけで元気の出る人間でしたが、最近は「直列6気筒」と呟くことでも興奮できるようになりました。梁井です。

 

加えて、度重なるトラブルによって、F30型の「ピコーン」という警告音がトラウマになりかけてもいます。

 

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画像は電動ファン不良時のオーバーヒート警告です。ちょっとした通知も全部この音で、冬場なんかは外気温が3度を下回ったときもこの音で通知してくるので、寒い夜に1人で走っていると心臓に悪いです。起床のアラームにしたら目が覚めるかもしれません。毎夜の夢見が悪くなりそうですが……。

 

ともあれ、B3がやって来て半年が過ぎ、連発するトラブルも落ち着いてきまして、ようやっと車の良さを落ち着いて味わえるようになって来たところです。

 

というわけで今回は、B3に半年乗っての所感を書き綴ります。国産軽オープンから、ドイツ謹製『スペックで笑いを取れるタイプ』のバカ速セダンに乗り換えた男の率直な感想なので、結論「すげえ」「やべえ」「速え」に終始しておりますが、可能な限り具体的に記述しようと試みています。ご笑覧ください。

 


◯『エンジンが気持ちいい』という初めての感覚 / 直列6気筒ツインターボを讃えよ

 

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B3を買って一番よかったと感じている点はここです。エンジンが異様に気持ちいいです。


まず低回転域。600rpmのアイドリングからジワリと踏み増したときの、2,000rpmくらいまでの感触。通常発進だとちょうどこの辺りでシフトアップするので、発進加速時、アクセルペダルから伝わる、エンジン回転のブィーンという振動感に、謎の気持ちよさがあります。


回転振動の細かさがきれいに揃っていると言いますか。如何とも表現しがたく、回さなくても気持ちいいエンジンというのが何に由来するのか、今までさっぱり分からなかったのですが、「もしかしてこれがそうか?」と感じています。


これが多気筒所以なのか、直列6気筒の特性によるピストン上下振動の打ち消し所以なのか、BMW謹製スロットルバルブレス・バルブトロニック機構の為か、はたまたアルピナのエンジンがそうなのか。この辺りは(おもしろレンタカーなどでゆくゆく)他の車にも乗ってみて確かめたいところであります。

 

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低速域での排気音もわりと好きです。低過ぎないブォーという感じ。街中を普通に走っていて気持ちいいというのが、コペンと理由は異なりますが、共通してくれたのは嬉しい誤算でした。


続いて高回転域。

 

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もっとボーボーいうかと思っていたらそんなことはなく、2,3速で上までぶん回したときのスムーズな吹け上がりと、低域とは性格の異なるクォーンという音色の混ざり方は、ウヒョーと叫びたくなる気持ちよさがあります。


※その分加速もとんでもないので、ペダルの踏み方は常に抑え気味にしているのですが…。アクセルを全開にしようものなら離陸しかねない加速をします。踏力半分で十二分です。


このスムーズさは、多分直6の所以でしょう。余計な振動なくスーッと回転が上がって行きます。加えて、ターボラグも感じられません。コペンは「トルクが立ち上がった」と分かる領域が3,000回転ちょっとのところにありましたが、B3のトルク特製はやたら平坦で、少なくとも私にはどこから過給が掛かったのかが分かりません。


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この点だけ見ればNAみたいな吹け上がり方をします。当然NAと違って6,000rpm〜トップエンドまでのもうひと伸びはないですが、ターボならではの鬼トルクが、やたら均等に割り振られています。


コペンも吹け上がりは軽やかで気持ちよかったものの、『エンジン回転そのものが心地良い』いうのは初めての感覚です。


さすがは元エンジンチューナー。エンブレムに、キャブレターとクランクシャフトがデデンと鎮座しているだけあります。

 

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キャブレターは遥か昔の異物だし、エンブレムのクランクシャフトは4気筒用だし、と言いつつも、アルピナのエンブレムはその調律の方向性をよく表している気がします。低域も広域も、回転フィールが異様に心地いいです。


アルピナといえば足回りに言及されることが多いですが、私が乗っていて一番気に入っている点はエンジンで、ステアリングのエンブレムを見ては、そのことをほんのり嬉しく感じている日々です。

 

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◯ 高級セダンなのかチューンドコンプリートなのか

変な車です。ラグジュアリーにしたいのか、チューンドオーラを出したいのか隠したいのかが分かりません。多分両方なんだろうと思います。

 

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この辺りの微妙なバランス感が好きな人が、アルピナに行くんだろうなと思います。私は非常に気に入っています。


スーパーカークラスのオーナー、はたまたチューニングを主戦場としているそのスジの方々にとっては、バブリングと言ってもバラバラ鳴るくらいで「パァン!パパパァン!!」と拳銃の発射音みたいな音がするわけでもない、アルピナのエンジン及びアクラポビッチのマフラーは、「ECU弄ってマフラー換えてもっとバリバリさせてやろう」となるくらい、大人しい部類に入るのかもしれません。が、コペンを8年フルノーマルで乗ってからアルピナに買い替えた私にとっては十二分に凶悪です。

 

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ビジュアル面も同様です。私にはこのエクステリアが『控えめ』にはどうしても思えません。


まず、20インチホイールのクソデカさによる、車体とのアンバランスさ。

 

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※ノーマルに比べて明らかに『下』がデカい


300km巡航に耐えうるエアロ武装、特に顎を擦るほど低く引き伸ばされたフロントバンパーの威圧感。

 

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ブレーキはローター径370mmのどデカいのが付いてますし、キャリパーはフロントが対向4ポットで、こちらはそこまで厳つくはないですが当然のようにブレンボです。

 

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おまけに、大層鳴きます。キーキーじゃなく、停止時に、ファン!!!というホーン音のような謎の音がします。ドイツ車はこんなもんだと言われても、私にはやはりエラいもんが付いているとしか思えません。


ついでに冷却系も微妙に強化されていて、ワット数のデカくなった電動ファンが付いています。買って1ヶ月でぶっ壊れたのですが、交換費用が工賃含めて何と18万円でした。「これねー日本に入ってきてない335d用の電動ファンが付いてまして。普通のならもうちょっと安いし中古品も探せるんですけどねー本国オーダーになっちゃうんですよどうしても」とのことです。勘弁してほしい。

 

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アルピナB3、その本質は『控えめ』というより、『やってることはゴリゴリのチューニングだしスペック数値も付いてるパーツも強化品だらけだけど、最終的なセッティングに関してだけ、控えめに寄らせることでギリギリでラグジュアリー感を保ってる』が正しいように思えます。

 

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Biturboの名前が付いているモデルは特にその傾向が強いと思います。3シリーズでいうとE90以降。F系からは前述の通り、とうとう20インチホイールを履くようにもなったのが助長して、F30は特に、車体とホイールの大きさにおけるアンバランスさが強調されています。G系からは車体も一回り大きくなったので、こちらはもっとバランスが取れているように見えるのですが…。F30はアルピナのシリーズの中でも『見た目の威圧感』が殊更に強い気がします。


しかしながら、エンジン特性と足回りは、間違いなく扱いやすさ重視です。『速さ』を第一目的にしておらず、『グランドツーリングに求められる性能の一つとして速さがあるので、あくまで仕方なくバカっ速くした』というスタンスを感じます。


乗り心地はしなやかだし、踏み込んでも爆音ではない上に、トルクの立ち上がり方も穏やかです。トルクそのものが穏やかとは言えませんが。


飛ばすより、街中や超長距離を楽に楽しく乗り回したい、という今の私にとっては正解ど真ん中の車です。

 

◯8速トルコンAT / 変速スピードは十分速い

この車の8速AT、デュアルクラッチ等ではなくZF製のトルクコンバーター式です。

 

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が、安藤の愛車・アウディA3の7速DCTに比べても、変速スピードは遜色なく、しかしながら変速ショックは、A3の方がむしろ柔らかなくらいです。B3、1→2速の変速ショックは(A3比で)そこそこあります。


これは多分どっちが悪いというより、逆にどっちも良くできているのでしょう。気にはなりますが、デメリットに上げるほどではありません。昔のATに比べれば十分柔らかです。

 

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◯スイッチトロニックとスポーツモード / 手動変速が気持ちいい

この車、パドルがありません。

 

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「パドルシフトが一般化する前からウチはスイッチ一本でやっとったんやで」という漢気なのか、コスト面でその方が楽なのかは不明ですが、G系でオプション解禁するまで、アルピナは独自のスイッチトロニックを使い続けてきました。

 

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※◯のボタンで変速します


「咄嗟の瞬間はパドルの方が使いやすいし、見た目の派手さがなくて寂しい」と思わなくはないですが、ステアリング周りがスッキリするし、これはこれで風情があります。こいつはまあ、アルピナの言う『アンダーステイトメイト』感がなくないです。気に入っています。

 

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走行モードは、エコ、コンフォート、スポーツ、スポーツプラスの4つがあります。一般道はコンフォート、高速はスポーツに切り替えて使っています。


走行モードで変化するのは、ステアリングの重さ、ダンパーの硬さ、変速スピード、そして(おそらく)アクセルレスポンスです。

 

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前者2つの変化は如実で、高速道路くらいの速度で走る場合は、ハンドルがどっしりしていて足が硬い方が乗りやすいです。


ずっとこれでいいやと思ってから下道に降り、走行モードをコンフォートにすると、突き上げの緩衝が柔らかになるし、ステアリングの重さも程よくて、「うまくセッティングしてくれてるんだな」としみじみ感心します。本当に良くできていると思います。


ちなみに、ステアリングはコンフォートでも同年式のアウディA3よりやや重めです。


コンフォートにしろスポーツモードにしろ、シフトレバーを左に倒して完全マニュアルモードにし、上までぶん回してスイッチトロニックで変速するのは大層気持ちがいいです。アクセルを踏み込みさえしなければ、スピードを出さなくてもこれで十分楽しく走れます。


アクセルを踏み込まなくても、操作に対して返ってくる車の反応が心地いい、というのが良い車、良い機械の本分なんだろうなと感じ入っています。

 

◯サンルーフ4ドアセダンはオープンカーの代わりとなるか?

 

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最後に。


オープンカーを降りたら死ぬんじゃないかと思ってコペンに乗り続け8年。一念発起して4ドアセダンに買い換えた際、「無事に精神安寧を保てるのか?」と友人から尋ねられましたが、何とかなっています。


買って当初はサンルーフオープン、窓も全開にして走っていましたが、最近はほぼ全閉で走っています。チルトも滅多にしません。


B3の場合、風を社内に入れながら走るより、クローズにしてエンジン音と排気音をうっすら聴きながら走った方が楽しいです。オーディオすら消して走っていることが増えました。


オープンカーとはまた違った良さがあって、これはこれで満足しています。


というわけで、『サンルーフはオープンカーの代わりにはなり得ないが、別の良さがある』というのが結論です。楽しみ方は異なる以上、楽しもうと思えば何でも楽しくなるもんです。

 

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以上、買った半年、故障に泣きながらも懲りずにあちこち走り回った所感です。

 

総じてコペンとは180度違う楽しさがあるので、ひたすらに新鮮で面白いです。機械としての上質さっていうのはこういうものなんだろうかと、各種操作に対する反応の機敏さ、というより上質さに、ニタニタしながら走っています。

 

エクステリアもインテリアも好みの極致なので写真を撮りまくってます。おかげでクラウドの保存容量がパンパンです。

 

大分車にも慣れてきたので、来年にはスタッドレスを履いて雪国に突撃しようと思っています。

 

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※これは一足先にスタッドレスと天下のBBSホイールを入手し雪道に突撃する新山のE46型B3。やっていることがシルビアでもサファリでもアルピナでも何一つ変わっていない

 

次回は地獄の故障記録でもまとめようかと思います。トラウマが蘇るので筆が乗る内容ではないのですが…。