録音後記『WorldSlide (Hurry up, Richard) / 3020 SOULS』

3020 SOULS参加曲の4曲目、ダンスチューンの鬼、ワーテクさんと組んだ最初の一曲です。

2020年4月録音。ライン録り。インターフェースはFocusrite Scarlett 2i2。シミュレーターソフトはBIAS FX2。使用ギターはストラト一本です。

録音テーマは、『ライン録りを試す』『ストラトを歪ませる』『演奏中ピックアップ切り替えまくる』の3つであります。仮タイトルは『Overdrive』。

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きっかけは、遊びに来た新山さんと3020 SOULSの話をしていた際に言われた、「たまにはガン歪させたゴリゴリのソロとか弾かないの？」の一言でした。

ガン歪させたゴリゴリのソロ。

「歪ませると弾けなくなるんだよ」と答えてお茶を濁していましたが、思えば今までの録音は全部どクリーンかアコースティックで、比較的メロウなものばかりです。ソロもせいぜいSweet Honey Overdriveで歪むか歪まないかまで持ち上げたくらいであり、ドライブさせて録った曲がありません。

録音のたびに何かしら新しいことをやらないとモチベーションが続かないこともあって、「次の曲はオーバードライブ使うかー」と一人勝手に決意していました。

…加えて、BIAS FX2を製品版にアップグレードしたことで、夜中だろうが早朝だろうがお構いなしに爆音が出せるようになりました。歪みはクリーン以上に爆音で鳴らさないと良い音がしないと思ってるので、タイミングとしても僥倖です。

結果として、「ストラトの歪みをラインで録る」をテーマにあれこれ遊んでいたらネタが一つ出来上がっていました。

モノとしては、田中義人氏のソロアルバム『THE 12-YEAR EXPERIMENT』収録の『Get Into The Groove』のパク、もといオマージュです。ソロの音色はそれっぽい気がします。

新曲の動画です。ここからのソロが弾きたくて録ったようなもんです。ワーテクさんありがとうございます…。曲名で気づいた方もいるかもですが、バックトラックはThe Rah Bandのマッシュアップです

WorldSlide（Hurry up, Richard）/ 3020 SOULS pic.twitter.com/ngMI8M3Fb2

— 梁井 (@hurryharryhurry) 2020年4月13日

※ソロ。これが弾きたくて録ったようなもの

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曲調がダンスミュージックっぽかったので、その手のアレンジが得意なワーテクさんに声をかけてみることにしました。

3020 SOULSは6人それぞれ好き勝手にネタを作り、作ったネタを誰かに投げて音を足してもらい、またそれを誰かに投げて…という完全に録音データのやり取りで曲を作って遊んでいる集団ですが、ワーテクさんとはまだ組んだことがありません。今度一緒にやりましょうと話していたこともあって、相談がてらネタを投げてみることにしました。

結果として、鬼のような速度でリターンがありました。

「The Rah BandのSLIDEという曲をもろ使いしたトラックです。キーとテンポを変えてキックを付け足したくらいなんですが、私の好きなDev Largeというトラックメーカーがわりとこういう使い方をする人で…。危ないっていうかアウトな使い方ではあるんですが、我々のような趣味でやっているような曲であればこれもこれでおもしろいと思ってます。ヒップホップらしいっちゃらしいということで…」

SLIDE - Rah Band

そのまんまと言えばそのまんまなのですが、私にとって恐ろしかったのは、私が送ったネタの構成がまんま適合する曲を発見して、即座に返してくる引き出しの広さです。ワーテクさんのリターンに対してギターは録り直してますが、一部コードを変えたのと、テンポを変更したことでノリが変わった為に改めて弾き直したくらいで、構成は一切変えていません。トラックメーカー恐るべし。

歪みはBIAS上のケンタウロスのシミュレーター。ソロだけチューブスクリーマーのシミュレーターを手前に入れてブーストしてます。

ギターはストラト一本ですが結構ピックアップを切り替えていて、バッキングはリア側ハーフトーン、リフはリア、Aメロはリア側ハーフトーンに、一部リアに切り替え、ソロはリア→センター→フロントに入れ、最後はフロントのまま弾き切っています。

演奏中にツマミは結構弄るようになりましたが、ピックアップの切り替えをうまく操るのが憧れだったので、今回思い切って試してみました。うまくいったかどうかはともかく、気持ちよかったです。

また、Cメロ的な部分はカッティング、単音共にフロントのクリーン。展開があった方が面白かろうと作ったパートですが、正直ここの音が一番気持ちよく録れた気がしています。やっぱり私はクリーントーンが好きなようです。

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何故か私は歪ませたギターでピッチが狂いがちになる癖があり、今回もビブラートで盛大にやらかしている気はするのですが、車で高速を走っているときに聴いた限りでは割合気持ちが良かったので、やってよかったなと思います。

「ダンスチューンでゴリゴリのソロを弾き狂う」というのは漠然とした憧れがあったので、そういった意味では夢が叶いました。ワーテクさんありがとうございました。またよろしくお願いします。

追記:タイトルは私が付けました。ワーテクさんと私のハンドルネームを入れて、The Rah Bandが好きな人が見たら元ネタがわかるようにと付けたもので、思いついたときはやばいかっこいいと思っていました。思いついたときは。

文章を書くのは好きなのですが、詩やタイトルなど、短い表現で完結させるのは著しく苦手なので、今後タイトルはメンバーの皆さんに任せようと思っています。