ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

James Tylerのミッドブーストを弄り倒す。

James Tyler Japan Studio Elite HDを2019年3月に買ってから1年半ほど。

 

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ストラトタイプの中ではわりと特殊な立ち位置のギターだと常々感じていましたが、いざ所有してみるとまさにその通りで、フェンダーの亜種だと思って弾くと出音の違いにビビります。元々『音がタイトで高域がクッキリハッキリしたギター』という印象でしたが、BIASを使ったライン録りをするようになってから、そのイメージが一層強まりました。スタジオエリートの所以です。音抜けが良いので録音で重宝しています。

 

とはいえそれは最近の話で、買ってしばらくは中々馴染めず、ブリッジをベタ付けにしてスプリングを5本に増やしてみたり、フローティングにして3本に戻したり、後述の通りミッドブーストのオンオフを試してみたりと、音を大人しくさせようと悪戦苦闘しながら付き合ってまいりました。

 

リアハムのディストーションにおいても、正直PRSの方が使い勝手の良い音が出る上にハイフレットも弾きやすいのですが、…重ね重ね、Tylerは憧れ一発で手に入れたギターなので、気合いを入れたいソロを弾くときには、半ば無理やりこいつを使うようにしています。

 

 

※私の世代上、気合いを入れざるを得ない鳥の詩アウトロソロ祭り。これで少し歪みの感覚が掴めた気がします。なんというか、歪みは強い音がしますねこのギター。

 

ともあれ、買ってから一年経って少しばかり感触が掴めてきた頃、今までひたすら「取っつきにくい」と感じていた機能に、意識して手を出してみることにしました。タイラーの心臓部、ミッドブースターです。

 

 

漠然とイメージしていた、理想的な使い方のイメージとしては2つ。

 

フェンダーのS1スイッチによる直列接続、所謂擬似ハムに近い音への瞬間的な切り替え。またはクラプトンがシグネチャストラトで使うような、ソロ中にぐいぐい上げていって最終的にファズを踏んだフロントみたいなところまで持っていく音(ある意味エリックジョンソンみたいな音)。この2つです。

 

モノが違うので同じ音は出ないでしょうが、『せっかくのブースターなんだからソロ中にぐいぐい上げていって骨の髄まで味わい尽くしたい』という欲求は前から強く、とにかく物は試しでやってみることにしました。

 

 

ボリュームでのゲイン調整とは大分違う反応をするので戸惑いながらではあるものの、試してみると反応の仕方が分かってきました。上の動画ではバッキングがブーストオフのフロント、ソロは同じくブーストオフのフロントから、ブーストオン、そこからワンフレーズごとにぐいぐいつまみを上げていっています。

 

オンにしたとき、高域がちょこっと持ち上がっています。で、1/4くらい上げたときも、ミッドよりハイが強くと持ち上げられているように聴こえます。

 

つまみ位置が1/2くらいまで来ると、太さが増して、ハイフレットでの存在感が増したように聴こえます。この辺から所謂『ミッドブースト』のイメージに近い反応をしてきます。

 

3/4まで来るとボーボー言い始めて、7フレット以下の3〜4弦くらいの音域で弾いていると中域を持て余す感がありますね。どクリーンで弾いていることもありその辺の反応が顕著です。

 

聴き返してみて、『1/2くらいの位置が一番らしい音がする気がするな』と思い、そこにフォーカスしてみたのが下の動画です。

 

 

当初の目的の1つだった『ミッドブースターを使ってフロントシングルの音からハムの音に瞬間的に切り替えるイメージ』とは大分違いますが、『トランスペアレント系の歪みペダルを使ってクリーンを補正したときみたいな音』がします。それよりはもう少し固いですが…。

 

目的その2、クラプトンのソロ中のゲインアップみたいな使い方は、近々入力側のペダルかアンプかをそこそこ歪ませ、そいつを手元のボリュームでクリーンまで押さえ込み、ミッドブースターでぐいぐい上げていく使い方をしたらどうかと画策しています。またしばらくしたら試してみて、3020 SOULSで長尺のアウトロソロでももらえたら使ってみたいと妄想中です。リーダー、ワーテクさん、そのうち下みたいなやつやりましょう。

 


Eric Clapton - I Shot the Sheriff. Live at The Royal Albert Hall 2015

 

※これは来日公演時生で聴きました。ソロは5:30辺りから。凄まじかった。

 


Eric Clapton - My Father's Eyes (Live Video Version)

 

※クラプトンで一番好きなソロです。クラプトン、長尺のソロで後半の盛り上げ方が上手いですよね。最高であります。

 

しかしこれ、いずれもミッドブースターを使ってるのかそれともボリュームアップなのか、手元の映像からイマイチ読み取れません。そもそもがクラプトンストラトのミッドブースターはタイラーのものと回路もブースト幅も異なるらしいので、同じことをして使い方が出来るとは思わない方がいいんでしょうね。

 

タイラーを買うとき、同時発売したばかりだったクラプトンストラトのJourneyman Relic、アッシュボディーにメイプル1ピースネック仕様が、ライブの余韻もあって超気になっていたのですが、タイラーのブーストを使いこなせたら比較用に欲しいなとも思っています。言うだけならタダなので…。