ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

録音後記『Fields Of Gold (cover) / rucastudio』

 

 

3020 SOULSのピアノボーカル、rucaさんとやった3曲目です。

2019年10~11月の録音。マイク録り。StingのFields of Goldのカバーです。


マイクはFocusrite Scarlett CM25、インターフェースはFocusrite Scarlett 2i2。ギターはMartin 000-18。間奏からピアノと一緒に入ってくる装飾音は、ストラトのフロントにBOSS TR-2のトレモロエフェクトをかけたものです。

 

元ネタはEva Cassidyのカバーのコピーのつもりが、歌メロのアレンジとピアノが加わったこともあって気がついたら微妙に別物になっていました。一番苦戦した録音ですが、とても気に入っています。



ガットは録れたし次はアコギを、と思っていたところに例によってrucaさんからお誘いをいただき、即了承。歌のバックならアタック感のあるMartinだろうと、000-18を引っ張り出して準備を開始しました。


今回意識したのは、フリーテンポで録ることと、ストロークを要所に入れること、冬のイメージで弾くことの三つであります。


大サビ後にリタルダントを入れたり、歌い出しの前にタメを入れたりしたかったので、メトロでがっつり練習した後にクリックを抜いて録りました。事前に練習さえしておけばテンポは大きくは崩れないことがわかったのは収穫です。弾き語り系のときは今後もクリックなしで録りたい。


単調にならないように、ストローク混じりのアルペジオを意識しました。手癖なのですが、学生時代のサークルの師匠に「梁井くんアルペジオのバッキングの時でも、フレーズの終わりにストローク入れるよね。個性あっていいと思うよ」と言われたことがあるので、それが嬉しかったというのもあります。サビがちょうどそんな感じです。


歌詞は秋のイメージで書かれていると思いますが、rucaさんから、「もう少し盛り上がり切らない、寂し気な冬のイメージでやりたい」と投げかけがあったので、そこは自分なりに意識しました。

 

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※送られてきたイメージ写真


トレモロの装飾音は、Evaのカバーにもあった音をもうちょっと高域で咽び泣く感じでぶち込んでみようと思い入れました。仮テイクでは間奏がもうちょっとソロっぽく、後半も音数が多かったのを、rucaさんとのやりとりの中で結果的に音数を減らす方向で弾き直しました。正解だったと思います。



仮テイクを送ってしばらく経った後、返ってきたデータにはメロディーのアレンジとピアノが追加されており度肝を抜かれました。


メンバーのワーテクさんも言ってましたが、「ネタを送ると予想の上をいくアレンジで返ってくる」というrucaさんの所以だと思います。こりゃすげえと唸りながら聴きました。


唯一意見が割れたのは、トレモロのタイミングです。


返ってきたデータでは、トレモロの発声タイミングにかなりディレイがかかっておりました。自分としては弾いたタイミングが頭に残っているのでかなり違和感を覚えましたが、求めているイメージは何となく伝わったので、「やんのか?」「お? やんのか?」という話し合いの末に相互の落とし所を決定。私が発声のタイミングを意識して弾き直し、rucaさんがそれにリバーブをかけ、アタックを弱めて完成となりました。結果として良いものになったと思います。

 

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※「やんのか?」「お?やんのか?」のやりとりの結果としての落とし所と、rucaさんの解説。細やかな編集をしてます


正直一番苦戦した録音です。


アコギのバッキングは7カポで運指もキツく、トレモロの装飾音は簡単だと思いきや、無心で弾くとアホほどダサくなるので、音数と発声タイミングはかなり試行錯誤しました。歌のバックで鳴らすときは、なるべく声とコールアンドレスポンスになるように、どちらかというと裏拍主体に弾くように、この二つは意識しました。

 

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※悪戦苦戦の後。強弱を文章化して録音に望んだ


かなり頭を使って何度も弾き直したのてすが、その甲斐あってよいアレンジになったと思っています。やってよかったです。

 


最後に、今回のやりとりでようやっとビットレートの何たるかを知りました。

 

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返ってきたピアノ入りのデータに合わせて録り直そうとLiveを起動させてオーディオデータを読み込んだところ、上記のような表記で再生させてもテープの早回しのような音でまともに聴こえません。


何だこりゃと思い、取り込めないオーディオデータとそうでないデータをプロパティーで調べてみると下記のようになっていました。

 

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ビットレートとサンプルサイズ(これがビットデプス・ビット深度らしい)とやらが異なります。ははあこれかと思い、合わせてツイッターで訊いてみたところ、サナトリウムさんはじめ何人かの方から「まずそこだろうからオーディオ取り込みの設定を変えるか、送り手に書き出しオプションを変えてもらうかした方がいい」と言ってもらえてあれこれ試し、最終的にはrucaさんに泣きついて書き出し時のビットデプスを16bitに変更して送り直してもらいました。お手数をおかけしました…。


これは所謂画像の解像度みたいなものらしく、


ビットレート = (ビット深度)×(サンプリング周波数)×(チャンネル数) 


だそうで、今回の場合、

 

私は16bit×44.100kHz×ステレオで1,411kbps。rucaさんは32bit×44.100kHz×ステレオで2,822kbpsだったようです。


DAWソフトは、私がAbleton LiverucaさんがCubase。どちらも標準のまま読み書きをしていたようです。どちらが一般的かというと、昔はCDの規格である16bitが標準だったものの、CD離れが進んだ近年はその縛りもなくなって32bitがメインになり出したとか。


今のところは3020のメンバーに16bitが多いのでそのままにしてます。未だにオーディオ取り込みのビットレート変更設定がどこを弄りゃいいのかよくわからないので今のうちに発見しておきたいと思います。まさかLive Liteじゃ32bitに対応しないとかじゃないだろうな…。