ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

コペンローブ、北海道に行く。その0。

 

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ある夏の日、会社の冷蔵庫を見ると、海ブドウとジーマーミ豆腐が大量に入っていました。このフロアの冷蔵庫に変なものをぶち込む奴は1人しか思い当たりません。


「川崎ー!!」


「ああ、見ました? あれ梁井さんにお土産です。沖縄土産」

 
毎度カレーだのパスタソースだの残業用のデザートだの、冷蔵庫を侵食している奴に説教をぶちかますつもりが、肩透かしを食らってしまいました。

 
「嬉しいけど、またエラいナマモノを…。これ大丈夫なの?」


「保冷パックで持ってきたんで大丈夫ですよ。今日中に持って帰って欲しいですけど」

 
「しばらく休んでるなと思ったら沖縄行ってたんだ」


「夏休み、早めにとって行って来たんです。よかったですよ、沖縄。青い海、青い空、おいしいお酒とクセのあるオツマミ!いやー!やっぱりほら、夏の旅行って言ったら本州から抜け出さないと!梁井さんもダメですよー近場ばっかりウロチョロしてないで、パーっと遠く行かないと!沖縄行きましょう沖縄」


「車じゃ行けないからやだよ。でも、言われると遊びで行ったことないんだよな沖縄」


「え?行ったことない?遅れてるー!」


おまえも今回初めて行ったんだろうが。


ちなみに私は出張で数回沖縄に行っています。旅行で行ったことはないですが。1日レンタカーのオンボロアルトで走り回ったところ、米兵さん達の乗る90年代国産スポーツカーが異様に多かったです。大体ランエボかインプでした。



上記のように盛大にディスられたからというわけではありませんが、この際せっかくの夏休み、コペンで思いっ切り遠くに行くことに決めました。車で沖縄上陸はハードルが高く、どうするかなと思っていたとき、ふと思い出しました。


北海道。


ツーリングの聖地。涼しい気候、雄大な景色、何を食ってもうまい飯。どこまでも続くアホみたいな直線道路。


オープンカーを買ったときから、いつか車で走りたいと思っていましたが、ド派手な夏休みなどそうそう毎年取れるもんじゃありません。機会があればと思ってはいましたが、思い立ったが吉日の精神で、これはもう無理にでも行った方がいいんじゃないか。ふとカレンダーを見てみると、仕事の予定が一切入っていない週が、お盆前にぽつんと予定を空けています。


家で海ブドウをツマミに一杯やりながら、私は決心しました。


今年の夏はコペンで北海道に行こう。



何においてもまずやるべきは、仕事の調整とフェリーの手配です。


上司部下の休みの予定の確認と、大きな仕事のスケジュールを調整し、仮日程を算出。その日程の北海道行きのフェリーに空きがあるか確認します。


そう、フェリー。


ツーリングの聖地、北海道には車で直接は入れません。マイカーで北海道を走り回りたければ、さんふらわあに車乗っけて行くしかありません。東京からだと大洗港発、苫小牧港着のさんふらわあが良いでしょう。どこぞの戦車アニメの劇場版で出てきたので馴染みがある方もいると思います。北海道まで18時間の船旅です。


かくして、フェリーは空いていました。


が、少しだけ迷います。行きの便、これだと新山と同じになるんですよね。


あやつはあやつで職場のインテグラ先輩と北海道行きを企画しており、「いつ行くの?」「この週」「マジで?あーじゃあ向こうで会うかもねー」なんて話をしていたところ、まさかの行きの便までだだ被り。向こうはバイク2人、こちらはコペンでの単独行。予定ルートも違うので現地では別行動となるのに、フェリーだけ一緒にしても悪いかなあと思ったのですが…。


こっちもフルで北海道を回れる便はこれしかありません。背に腹は変えられず、これも何かの縁だと思い予約しました。


「というわけで、いいすかね行きだけ日程被っても」


「大丈夫でしょ。インテさんも別にいいって。せっかくだから初日くらい一緒に回ろうかってさ」


ありがたい。1人旅は気楽で好きですが、一週間丸々1人で回るよりは気分転換になりそうです。


しかし、これがまさかあんなことになるとは…。



そんなわけで2016年の8/4から8/14まで、土日祝日と代休と夏季休暇をフル動員し、北海道大体一周ツーリングを敢行してきました。総日程9日間、総走行距離2,926km。ルートは下記の通り。


大洗→苫小牧→札幌→旭川→美瑛・富良野→帯広→釧路・根室・標津→網走→稚内→留萌→小樽→ニセコ→函館→青森から東北道南下→帰宅

 

苫小牧から反時計回りに北海道外周を走り、最東端と最北端をクリアして函館に抜けるルートです。


中々ない経験だったので、写真付きでブログにまとめておきます。これを読んで北海道に行きたくなっていただければ幸いです。