ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

PRSのブリッジを調整する。

PRS Custom24を買ってから8ヶ月が経ち、大分音にも慣れてきました。

 

端的に言って使いやすいです。特に音。ライン録りをするようになって思い知りましたが、やたらとクッキリハッキリ鳴ってくれます。フロントハムも、コイルタップも、ミックスも。

 

ディストーション時もリアには食い付き感がありますし、フロントは特にお気に入りです。音の角が取れた上で、高域がきれいに抜けてくれるので、ハイポジションで速いフレーズを弾くとき積極的にフロントに入れたくなります。音符が『音の玉』のように一音一音鳴ってくれる感じがします。

 

 

夏色えがおで1,2, Jump! ソロ。せっかくだし念願の速いソロを練習しようと、練習しまくって辛うじて弾き切りました。ありがとうPRS…。

 

転じて今回の本題ですが、これを弾くにあたって、狂っていたブリッジを調整し直しました。

 

 

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購入時のブリッジが上記の状態。ここから、アームをグリングリンして遊んでいたところ、「ガキン!」という音がしてチューニングが一気にズレてしまいました。

 

何だ何だと思って見てみたところ、ブリッジがボディーにベタ付けになっています。

 

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調べてみたところPRSのブリッジはネジに溝が切っており、ブリッジプレートの穴の内側のエッジがネジの溝を噛むことで安定するようになっているようです。が、どうもこいつ、購入時は溝部分ではなく、単純にネジ頭で留まっていたような気がします。そんな状態でグリグリと下手なアームダウンを試みたせいで、ケツがズレてエッジが溝に落ちてしまったようです。

 

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とりあえずはトレモロスプリングを緩め、ブリッジのケツを少しばかり浮かすことで弦高を整える応急処置を施しましたが、この状態で使い続けるのも精神衛生上よろしくありません。おまけに状況が状況なので(当時2020年4月半ば、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の真っ最中)、店に持ち込むのも気が引けます。

 

PRSはホームページで「ブリッジのネジの高さはコンマミリ単位で揃えろ。揃えられない素人は迂闊に触るんじゃねえ」と謳ってはいますが、適正でないセッティングのまま使うよりはマシだろうと、腹を括って自分で手をつけてみることにしました。

 

 

まずは対策①。フローティングをボディーと平行に戻すため、とりあえずプレートのエッジをネジの溝ではなくネジ頭に戻し、バックのスプリングネジでブリッジの傾きを調整してみます。

 


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直したのが写真の状態。アームを使わない限りは、弦高も落とせて弾き心地も良く、夏色えがおのソロもこの状態で弾いたのですが、アームを使うと例によって「ガキン!」と音がしてブリッジが落ちます。こりゃダメだと嘆息します。せっかくのCustom24なんでアームくらいは活かしたいものです。

 

というわけで対策②。残る手段は「弄るな」と謳われているプレートの6連ネジに手を出すしかありません。

 

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ネジの溝の高さを上げて、そこにエッジを噛ませてフローティングするような、PRS推奨セッティングに戻します。

 

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ネットであれこれ調べたところ、ショップのブログにオススメの方法が載っていました。ボディー・ブリッジプレートの間隔は1.6mmがPRSの推奨セッティングなので、1円玉を用いると良いとのことです。

 

※やってから気づきましたが、ボディーが傷付くのでマスキングテープ等で保護することをオススメします

 

この状態でネジの高さを6本揃えて、弦を張ってスプリングを緩め、調整をしたところ、サドルを限界まで下げても1弦の弦高が2.0mm近い高さになってしまいました。やり方が下手くそなのかなんなのか。先の録音で低めの弦高の良さも知ったので、ディストーションの速いソロで使うことを前提に、こいつはなるべく攻めたセッティングにしようと決心。弦を緩めて張って、弦高を測ってまた緩めて、をひたすら繰り返していたところ、

 

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案の定、1弦が切れました。当然っちゃ当然の話です。

 

もう切り上げて酒でも飲んで寝てしまおうかとも思いましたが、ここまで来たら引くに引けなくなりました。徹底的にやり込むことにします。冷蔵庫からビールを取ってきて、ぐびぐびと補給をしながら、気を取り直して再開します。

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ネジの高さを揃え直します。さっきのボディー・ブリッジ間1.6mmのセッティングは弦高が高くなってしまうので、思い切ってそれより低い、1.0〜1.2mm程度を狙います。

 

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緑の丸部分が溝です。ここに噛ませます。


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こんな感じです(実際には弦の張力でネック側に引っ張られるので、噛むのはブリッジ側のエッジとなる)。


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こうではないらしい。


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完了しました。

 

弦高は6弦側2.0mm、1弦側1.7mm程度(1円玉が入ってやや余裕があるくらい)。1弦側はもうちょっと下げてもいいかと思いましたが、例によってサドルが限界まで下がっていてこれ以上落すことが出来ず。ストラトレスポールは普段このくらいの設定にしているので、ここらで手を打つことにしました。

 

トレモロスプリングも、ボディー・ブリッジ間を平行に保とうとすると6弦側をやや締め込む、右肩上がりに傾く形になってしまいました。これでいいのかは分かりませんが、弦の張力を考えると理屈はあっている気もします。

 

しばらくアームを動かしたり、適当に弾いてチューニングを確認したりしたところ、特に問題もなさそうなのでしばらくこれで行くことにします。また問題が出たらそのときゃそのときで店に泣きつくことにします。

 

 

あれこれ書いていますがギターそのものは気に入っています。特徴のない、なんて書かれることの多いPRSの音ですが、こいつはメイプルネックのせいなのか、使い勝手が良く、大層抜け感の良い音がします。今後もゴリゴリに歪ませて使っていきたいと思います。

 

トレモロ問題に関しては今後続かないことを祈ります。