ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

アルピナ、故障する。その2(電動ファン)。

アルピナ故障記その2です。

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※写真は新潟の田園地帯に悠然と佇むB3。このときの私は知る由もありませんが、この時点ですでに電動ファンが故障しています。


というわけで今回のトラブルは車の鬼門、冷却系です。


ゴリゴリに高出力・大トルク化されたF30型B3のエンジンは、油温の上昇もバカにならないらしく、ラジエーターファンには日本未導入である直列6気筒ディーゼルターボ仕様、335d (!)用の大容量電動ファンが付いています。いつの間にかぶっ壊れていたこいつを本国から取り寄せる関係上、ウチのアルピナは都合2ヶ月の長期入院となりました。未確認ですが、おそらくチャージパイプが吹き飛んだときに合わせてやられたんじゃないかと思っています。


事が起きたのは、2022年9月18日(日)。連休を使って新潟へキャンプに出掛けたその旅中でした。

 

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※納車2週間後の初遠出、道中で過給が効かなくなり、佐久平パーキングで途方に暮れていたことを思い出しながら同じ場所で休憩するB3


初遠出・初故障のトラウマを克服する為には、同じルートを辿って今度こそ旅程を無事に走破するしかないと思い至った私は、3連休中日の朝、ノープランで地元を出発しました。


トラウマの佐久平PAを無事に越え、第一の目的地たる上越に到着。ライダー御用達のラーメン屋、ニューハルピンラーメンにてラーメンを平らげ、

 

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※名物・チョースケ。これとは別のノーマルラーメンの場合、スープまで完飲すると、丼に『別腹』『食べたら疾走れ』の文字が現れる


この後どうするかとTwitterを開いたところで、東北を周遊していた新山氏から一報。会津若松市辺りにいるとのことです。

 

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※新山の旅程。太平洋側を攻めていた模様


どうせなら中間地点の三条辺りで合流し、久しぶりのキャンプ泊とすることにして、集合地のダム地を彷徨っているその最中でした。


『ポーンwww』


と鳴り響く、例のトラウマ警告音。今度は何だとディスプレイを見ると、なんとオーバーヒート警告です。


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後から知りましたが、冷却系はBMWターボモデルの泣き所とされているらしく(BMWのターボモデル弱点だらけじゃないかとは思う)、冷却水が漏れてんじゃないかと思うレベルで、油温がガンガンに上昇するようです。事実私の車も、走行中の油温は110℃がデフォルトで、後日ショップに問い合わせたところ「規定数値内です」との回答が返ってきました。


「油温系が右っ側に振れなければまあ大丈夫ですよ」とのことでしたが、このときの油温は120℃オーバー。普通に右に振れています。水温計は付いていませんが、警告が出たということは、当然に100℃は超えているものと思われます。

 

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※平時のB3の油温。これでも低い方


真夏の、しかも高低差のある山道を、道に迷ったせいで低速で走ったり後退したりしていた状況です。熱がこもりやすいシチュエーションではありました。しかもこのとき、私のスマホは圏外。周囲に人影はなし。焦る梁井。


一応オーバーヒート『警告』であって、表示文章も『速度を抑えて走行』『繰り返し表示されるならディーラーへ』とのことだったので、とりあえずボンネットを開けて放置。自然に冷却されてくれることを祈りながらエンジンルームと下回りを覗くも、冷却水が漏れているようには見えないし、ラジエーターファンの状況は角度的に視認できません。


悩んだ挙句エンジンを切り、4,5分頭を空っぽにしてから再始動。するとありがたいことに、油温は多少下がっています。こりゃ今のうちだと車を発進させ、命カラガラ、何とかキャンプ場まで辿り着きました。

 

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「……なんだろうね。冷却水が漏れてるんじゃないとしたら、何かの理由でファンが回らなかったのかな? 走行風が当たって油温が下がったなら、一旦は大丈夫なんじゃないかと思うけど」

 

キャンプ場でビールをやりながら新山さんに状況を伝えるも、原因はそれくらいしか出てきません。あとはそれが機械的な問題なのか電気的な問題なのか。とりあえずは「再発したら主治医に一報、または最寄りのディーラーに駆け込む」として、帰り道は油温計に気を配りながら走ることとなりました。

 

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※腹いせにガンガンに燃やされる焚火


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※新山氏の寝床。「最近テント張るのもめんどくさい」と、タープにベッドを展開して完全野外で寝ているようです。キャンプというよりもはや野宿。


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※翌朝。朝露とB3。


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※来た時よりも美しく。


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※三条から魚沼に下る県道のどっかにて。新潟の道は絶景でした。また走りたい。

 

 

とまあ帰るまではよかったのですが、この翌週、地元を走っていたときに案の定オーバーヒート警告が再発しました。しかも今度はエアコンが効かないという謎症状も併発。どれだけ壊れるんだこの車。

 

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翌日ショップに持ち込んだところ、「電動ファンが物理的に壊れている」とのことでした。

※エアコン不良と油温上昇がファン故障で併発するということは、B3、ラジエーターファンとエアコンコンデンサーファンが兼用タイプのようです。F30型はすべからくそうなんだろうか。

 

納期と値段が分かり次第連絡との話を受け、ファンなんか国内在庫があるだろうからどうせすぐ返ってくるだろうと、代車も依頼せずに歩いて帰宅。数日後に電話を受けて私は絶望しました。

 

前述の通り、ファンは国内未導入タイプを流用した高出力仕様。当然のように国内在庫なし。納期は不明。部品代と工賃税込で、お値段なんと180,000円とのことです。シャンパンボトルじゃねーんだぞ。

 

ヤフオクで中古品を探すも、335d用なんてレアな代物がそうそう転がっていようはずもなく、一点、ショップに教えてもらった型式と適合する出品を発見するも、「動作未確認、一切の保証なし、元車両の情報も走行距離等含め一切不明」という紛うことなきジャンク品だった為、断念。届いて不良だった場合は時間の無駄に終わるだけなので、大人しく正規品を正攻法で発注してもらうことになりました。


あとはもう、「待てど暮らせど来ぬ人を」状態です。気がついたらほぼ2ヶ月が経過し、私の駐車場にB3が帰ってきたのは、冬の訪れも間近な11月中頃のことでした。


この頃が一番精神的に疲弊していたと思います。酒席を共にした方々にはご迷惑をおかけしました。今はもう元気です(白目)。

 

「年式も新しいしそうは壊れんだろう」と思って買ったアルピナB3。この時点でウチの駐車場よりショップに入院していた時間の方が長い計算になりますが、これで終わらないのがこの車の恐ろしい所です。故障編、まだあと2回の更新を残しています。

 

続きます(震え声)。