ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れた会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

録音後記『Marvel / 3020 SOULS』

3020 SOULS参加曲の2曲目です。

 


2019年7月の録音。マイク録り。3020 SOULSにおける私の参加曲の基本形、「思い付いたネタを録ってリーダーに送り付けたら曲になって帰ってきた」パターンの曲です。


マイクはFocusrite Scarlett CM25、インターフェースはFocusrite Scarlett 2i2、アンプはFender Super Champ X2、ギターは全部レスポールのフロントです。音はほぼThe Lightのセッティングのままです。

 

仮タイトルは『Mellow』。メロウなギターが弾きたかったようです。



ざっくりいうとTahiti 80のHeartbeatのCornelius Remixみたいな曲です。


音数が少なく、レスポールのフロントクリーン、カホン的なリズム、ラップ、本のページを捲る効果音のみという、至ってシンプルな編成です。アコースティックライブか?

 

弾いたギターの構成が、リーダーjamjamaさんとラッパーChurchさんの既存曲であるMarvelそのまんまだったらしく、「remix扱いでいいですか?」と言われながら送られてきた音源を聴いてみたところ激烈にチルなトラックで悶絶。「是非ともこれでお願いします」と申し出て、リードギターを被せて完成と相成りました。


ギターのコンセプトは、「気持ちのいいコード進行」と「歌と絡むオブリガードフレーズ」です。


2番からのオブリと、アウトロのソロは我ながらお気に入りです。「ジョン・メイヤーレスポールでオブリを弾いたらどうなるか」をイメージしながら弾いた記憶があります。もうちょっと抜けのいい音で録れたなら、とは思いますが、フレーズとしては自分の好みがそのまま出せました。聴いてて気持ちがいい。


リズムはリーダーjamjamaさんの打ち込みです。リーダー、リズムトラックのセンスに関しては全幅の信頼を寄せております。アウトロ、2:47以降のコード展開が少しだけ変わるところ、あそこを何も言わなくてもブレイク気味にアレンジしてくれる感覚、最高です。


効果音として混ざる「マーベルコミックのページを捲る音」が、気だるい日曜の昼下がり感があって良いです。これを入れてくるセンス。


ラップはChurchさんのリリックで、初聴時、こんな優しいリリックがこの世に存在するのかと衝撃を受けたのを覚えてます。恋人への感情をマーベルヒーローを引用しながら綴った内容です。今のところ自分の知るリリックの中で一番好きです。

 


Heartbeat (Cornelius Remix)


※聴いてパッとイメージしたTahiti 80のHeartbeatのCornelius Remix



楽器はギターがメインであるせいか友人のギター仲間からは一番評判が良い曲で、自分の中でも激烈に気に入っています。自分なりに歌うように弾けたつもりなので、大変に満足です。次も楽しく弾きたい。

Aqua Puss Mk 2 / Way Huge

Aqua Puss Mk 2 / Way Huge

 

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手持ち最強のディレイペダルです。

 


Way Huge Aqua Puss Mk 2


ぶっちゃけもっと使いやすいディレイは探せばたくさんあると思いますが、ロマン枠で使い続けています。思い切って買ったDM-2が結局サブになっているという。


比較的クリアな音が特徴のアナログディレイだと思います。


BOSS DM-2やMXR Carbon Copyと比べると結構主張の強い音で、踏んだ瞬間「あ、今Aqua Pussの音になった」と思わせる音です。Feedbackの設定次第ではありますが、ディレイ音がクリアなのであんまり滲まないことが理由だと思います。それでも、


John Mayerが使っている

・筐体が激烈にかっこいい

・スイッチの踏み心地が天上に昇るレベルで良い


という3点から意地と根性で使い続けています。ペダルボードでも渾身のど真ん中配置。見た目でいえば全ペダルの中で最強に好きです。むしろこれを真ん中に置きたいが為にボードを組んでいるという。



私の使い方は大体3パターンです。


①リバーブ代わりのショートディレイで使う

アルペジオ等の装飾音にかけてボカす

③ソロ中気分で発振させる


動画も上の順番に準じています。

設定はそれぞれ下記の通りです。


①リバーブ代わりのショートディレイで使う


Delay(ディレイタイム)短め、Feedback(反復回数)やや低め、Blend(エフェクトレベル)やや低めに設定してます。


買ってしばらくは兎にも角にもAqua Pussを使いたいが為にこの設定で常時オンにしていましたが、最近は音をスッキリさせたくてリバーブをアンプかDAWソフトに任せているので、敢えてAqua Pussを踏むときはFeedbackを上げて②のような音にすることが多いです。


アルペジオ等の装飾音にかけてボカす


Feedbackを上げるといい感じに音がフワンフワンしてくれます。


これでBlendもちょっと上げると、アナログディレイらしく音が滲んでくれるので、アルペジオやちょっとしたオブリフレーズなど、装飾音に使っています。コーラスやトレモロと併用すると楽しいです。


Delayツマミは基本短めが好みですが、最近は気分で上げたり下げたりしています。


③ソロ中気分で発振させる


アナログディレイの隠し武器、発振です。


Aqua Puss、発振音も結構クリアです。DM-2がフォンフォンフォンフォンという音だとすると、Aqua Pussはキュオンキュオンキュオンヒンヒンヒンヒンという感じでハイが上がりです。しかもわりと暴れる。


ソロ後半これで暴走するのが楽しいですが、うまくコントロール出来ると一瞬の装飾音として使えることがあるので、操り慣れていきたいところです。リバーブのキルドライ音のように通常のギターの音じゃないので、ソロやループプレイのときに気分変えられてよいですよね。

 

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※ボードの中央に鎮座するAqua Puss


 Way Hugeは、Jeorge Trippsが1993~1999年の6年間で展開していたハンドメイドエフェクターブランドを、本人がJim Dunlopへの入社後に同社で再興する形で展開しているものです。


このAqua Pussも初代のリイシューというこので、Mk2の名が冠されております。


その後、タップテンポやら付点の設定やらが出来るSuper Pussや、モジュレーションもかけられるEcho Pussや、小型化されたMk3(通称Small)など、人気商品らしく一気に仕様が増えているようです。Super Pussは知ってましたがいつのまにかこんなに…。


私は基本ショートディレイと発振がメインで、筐体の大きさも程々で気に入ってるので、今のところMk2一本で来ていますが、Smallはサブで一個買っても楽しそうだなと思っています。


追記として、電池の入れ替えが非常に楽でドライバーが不要な点、スイッチの踏み心地が異様に良いという点がプラスの評価ポイントです。スイッチのあの適度な抵抗感はくせになります。手で押しても足で踏んでも心地いいという。世のエフェクター、BOSS以外全部このスイッチになってくれないかな…。

呑み屋紹介『串吟 秋葉原店』

串吟 秋葉原店。

 

私の人生史上最強、全幅の信頼を勝手に寄せている、秋葉原の立ち飲み屋です。何食ってもうまいです。

 

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JR秋葉原駅、中央改札口を出て右手に進み、交差点を渡ってすぐのところに鎮座しています。

 

看板が煌々と照らされ、日が落ちてからは軒下のボックス席がガヤガヤと賑わってるので近づけばすぐにわかります。結構混んでるので、複数人で行くと入れないこともしばしばのようです。事前に電話すると入れるかどうか教えてくれます。


店員さんは気合の入ったおにーさん、気合の入ったおねーさんのいずれかです。席に着くとまず「アニキ何飲みやしょう!!!」と声がかかるところからご想像いただければ大体合ってます。おねーさん方に美人が多いのも特徴で、店員さんとの丁々発止なやりとりを楽しみに来ている人も多い印象ですが、淡々と飲みたい人には合わせてくれるので居心地に困ることは多分ありません。


「オギくーーーーーーーん!!!!」


単独犯で通い詰めるといつのまにかあだ名をつけられます。おそらくオペレーション上その方が客の判別がついて楽なのでしょう。オギというのは私に名付けられたあだ名ですが、多分メガネだからだと思います。はりいも同様で、あの時代はメガネをかけている奴なら誰もがハリーと呼ばれた時代でした。


脱線しましたが味の話です。


繰り返しになりますが、何食っても美味いです。最強です。


まず飲み物。

 

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普通、メガ、ギガでジョッキがでかくなります。画像はギガ。デカイ。超炭酸ハイボールがオススメとのことですが、私はレモンサワーがグイグイいけて好きなのでいつもギガレモンサワーです。計算したことはありませんがコスパ的にはメガが一番いいようです。

 

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名物レバー。一本100円。ごま油が振ってある。にんにくが合います。

 

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魚。日替わりです。真鯛、カンパチ、ブリ、たまにマグロ。すぐ出るのでこれから始めると吉です。最強。アキバでうまい刺身が食えるわけがわからない。

 

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酢モツ。あったけえ…。モツ煮派だった私を離反させた逸品です。

 

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揚げ物。全部うまいです。アジフライ、ハムカツ、唐揚げ、カキフライ。フライドポテトが美味かったときは感動のあまり泣きそうになりました。なんでフライドポテトが美味いんだ。


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卵かけご飯。これか焼きおにぎりが締めのオススメです。じっくり行きたいときは焼き、さっと食べたいときはTKGです。ごまとネギが嬉しい。画像は大当たりを引いたときのもの。双子卵初めて見た…。


 

ほぼ週一で通っています。ここのおかげでサラリーマン生活かろうじて息をしているといっても過言ではありません。今後ともよろしくお願いします。

 

立ち呑み 串吟 https://r.gnavi.co.jp/2j3w7kbc0000/?sc_cid=amp_t_scl_sbtn_tw #gnavi

 

録音後記『The Light (Cover) / 3020 SOULS』

ライナーノーツ的な何かです。

 


2019年6月の録音。マイク録り。CommonのThe Lightのカバーですが、カバーにしてはメンバーの色が濃く出た演奏だと思います。


マイクはFocusrite Scarlett CM25、インターフェースはFocusrite Scarlett 2i2、アンプはFender Super Champ X2、ギターは、サビだけストラトのフロント、それ以外は全部レスポールのフロントです。


ギター録音の段階ですでにビート、ピアノ、rucaさんのボーカルが入っていて、この時点ですでに形が出来ていた上にやたらとグルーヴィーだったので、「これにどう混ざれってんだ」と頭を抱えた記憶があります。


悩んだ結果、コードに色を付け足すような感覚で、バースは単音カッティング、サビは和音とアルペジオもどきを弾きました。最初は全部ストラトで弾いていたんですが、曲調がマリーナ・ショウのFeel Like Makin’ Loveみたいだったので「もうちょっとソウルっぽく音を濁した方が馴染むんじゃないか」と思い、レスポールのフロントをSweet Honey Overdriveでちょっとだけ持ち上げ、ギター側のボリュームで調整して弾きました。程よく引いてくれたんじゃないかと思っています。


思いのほか苦戦したのはバースの単音カッティングのノリ方です。


いざ録ってみると走る走る。聴き直しては「もう少し後ろ」と試行錯誤しながら弾いていました。聴き返すとギターのノリだけちょっと浮いてしまっている気もしますが、兎にも角にも、単音カッティングの難しさを痛感した良い経験でありました。


アウトロソロは、こういうのもなんですが自分としては会心の出来です。


リズムが一部よれてるんですが、好みのフレーズが弾けました。この時点ではLanc3さんのラップは未録音でしたが、原曲のリリックがリリックだったので気持ちをそっちに寄せて弾きました。追想と感謝と怒りと怨念がこもっております。


サビのアレンジはrucaさんによるもので、毎度カバーをやるときのアレンジセンスがさすがだなと思います。jamjamaさんのハイハットの寄り添うようなリズムと、デリック・ホッジみたいな音のベース、Lanc3さんのリアリズム溢れる優しいリリックが魅力です。


アレンジで嬉しかったのは大サビの繰り返し前、3:07辺りのデヴィッド・T・ウォーカーパクリフレーズにJamjamaさんがディレイを後がけしてくれたこと。あそこ気に入ってるので多謝であります。


 

事の始まりは今でもよく覚えていて、ツイッターでギター入れの誘いをもらったことがきっかけです。

 

2019年5月。新宿で一仕事を終え、どっかで一杯引っ掛けて帰るかーなどと考えながらビルを出てツイッターを開いたところ、相互フォローであったjamjamaさんからDMが届いていました。

 

この方、ジャミロクワイのベース演奏動画を見てフォローさせてもらったのですが、メインの活動分野はヒップホップのビートメイクだったようで、その辺りを全く通っていなかった私にとってはサウンドクラウドに上がる新曲が毎度新鮮であり、聴いては「こういうのも楽しそうだな」などと思っていました。

 

向こうは向こうで、ルーパーを使ったクリーントーンの動画をよく上げていた私と肌感覚が合うと感じてもらえたのか、声をかけるタイミングを伺ってくれていたようです。曰く、「サンプリングではなく楽器演奏を主体にしたビートをやりたいのでギターで参加してみないか」とのこと。

 

本格的にエレキギターに移行してから2年程。そろそろ何かやりたいなあと、バンドのギター募集に応募したり録音機材を買いそろえたりと、あれこれしていた時期だったので、二つ返事で了承。呑みにいく予定を返上して即帰宅し、久しぶりにインターフェースとDAWソフトを起動して録音準備を開始しました。

 

一週間ほど経った休日、再びDMが届き、確認したところjamjamaさんからで、バッキングトラックが完成した旨と曲構成が書かれていました。出先だったので「帰宅後確認する」旨を返信、帰路につきましたが、ふと一文に違和感を感じて再度スマホをオン、よくよく文面を読み返してみました。

 

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……6小節?

 

帰って音源を聴いてみたところ、果たして曲構成は書いてある通りで、「いやーマジかー」と天井を仰ぐはめになりました。

 

サビの6小節アレンジ、フックが聴いてて激烈にかっこいいです。かっこいいんですが、それに混ざるのは他でもない自分です。どう合わせればいいのかさっぱりわかりません。

 

仕方がないので、一先ずコードだけ取ってからバースの単音カッティングを録り、そのままの勢いでサビに突入したところ、何とかあの謎アルペジオが出てきてくれました。実のところデータ提出後、「サビはもう何パターンかほしい」と言われたのですが、「これ以上思いつきません勘弁してください」と泣きついた思い出があります。引き出しを広げたい。

 

ソロは、思いつくままに適当に弾いた仮録音を車の中で聴き直し、翌日本チャンを録る形で完成しました。恐る恐るリーダーに投げ返したところ、OKの返事。初録音だったので死ぬほど不安だったこともあり、冗談抜きで膝から崩れ落ちました。

 

 

何とかこいつが形になったおかげで、正式に『3020 SOULS』という、曲によって参加メンバーを流動的に変化する録音集団が立ち上がり、以降メンバーがそれぞれ声を掛け合っていろんな曲を作ったりカバーしたりするようになりました。

 

リーダーのjamjamaさんとしては「ソウルクエリアンズみたいにしたい」との考えがあったようで、私もこれをきっかけに、90〜00年代のネオソウルを聴き漁るようになりました。この年になって聴くものの幅が広がったのがありがたい…。

 

各メンバー、それぞれ散発的にユニットを組んで曲を作っている状態で、まだ大人数参加曲がこれしかないので、近々みんなでやる曲を増やそうとネタをこねくり回している今日この頃です。皆さん今後ともよろしくお願いします。当面、2月の飲み会が楽しみであります。

Sweet Honey Overdrive / Mad Professor

Mad Professor Sweet Honey Overdrive.

 

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スウェーデン出身のビルダー、ビヨン・ユールが設計を担当するフィンランドのメーカー、Mad Professor社製のオーバードライブです。

 


Mad Professor Sweet Honey Overdrive.


ローゲイン、ナチュラル系の歪みペダルです。


ビヨン・ユールが奥さんと経営していたハンドメイドメーカー、BJFEブランドのHoney Bee Overdriveを元に、大量生産向けに作り直したのがこのモデルだそうで、元ネタのHoney Beeは「自分達が昔パンクバンドで使っていた『強くピッキングしないと歪まない小型アンプ』をイメージして作った」とThe Effector Book Vol.32のインタビューに載っています。


どうもその小型アンプというのがスプロらしく、実際こいつがスプロっぽいかどうかは分かりませんが、「小型アンプのボリュームをパンパンに上げたような音がする」ペダルという意味ではたしかだと思います。



発売は(調べた限り)2009年頃。以来売れに売れて、一時期人様のボードを見ればこれが置いてあるような状況でした。


大分遅れて手を出した私ですが、今や一番のお気に入りです。オーバードライブは、BD-2、ケンタ系のVoyager、TS2発、アンプ直とあれこれ試しましたが、結局これに落ち着いて、以来3年程使い続けています。手放せません。


常時オン、プリアンプ的に使ってます。


DRIVEはマックスまで上げてもあんまり歪みませんが、コンセプト通りアンプがパンパンになったような状態になるので、ピッキングで歪ませる感じが楽しいです。クリーンにするときはギター側のボリュームを絞り、元気を出したいときはボリュームアップ。こうするとちょっとだけ粘り気のある、アンプを爆音で鳴らしたようなクリーンが出せます。ガッツリ歪ませたいときはTSを踏んでブースト。いい感じのクランチになります。使い勝手が良いです。


FOCUSというツマミが特徴で、所謂トーン的に効くことは効くのですが、イコライザーというより「歪みがどの帯域によく効くか」が変化する印象です。Effector Book Vol.32でのビヨン・ユール曰く、「これを弄るときは激しい音楽を演奏してください」とのこと。おそらく上げるとハイがギャンギャン言い始めるので強めの音に合うぞということでしょう。私は12時を基準に、トーンのつもりで上げたり下げたりしています。


ちなみに複数バージョンがあって、①ハンドワイアード版、②プリント基板版、③BASSとTREBLEツマミが加わってゲインが上がったDeluxe版の3つが出ていますが、私のはおそらく一番一般的であろう②のプリント基板版です。好きなペダルなので、機会があったら①と③も入手したいと思っています。



エレキギターを始めてしばらく、歪みペダルを物色し始めた頃、しばらく借りて使ったことがあります。


漠然と印象はよかったのですが、数ヶ月使っての感想は「あんま歪まないなこれ」という身も蓋もないもので、そのうちゲイン幅の広いBD-2に移行するに至りました。思い返すと当時、「せっかく金払って買ったんだからゲイン低いのは損だよな」などと考えていた記憶があります。比較的クリーン派な私でしたが、それでもギター初心者小僧にはゲイン量は正義のようです。


が、しばらく経って、BD-2のゲインを上げたときのザラザラ感が気になってきて、もう少し透明度の高い歪みがいいなと思い始め、所謂『トランスペアレント系』に目を向け始めたところで思い出したのが、以前使っていたSweet Honey Overdriveナチュラルさでした。


一度だけFenderの15Wアンプのボリュームをマックスにして弾いたことがあるのですが、そのときの歪み方に似てたなあれ、と。


ゲインの低さは相変わらずですが、ボードを組み終えた後だったので、ゲインを上げたいときはTSでブースト、ディストーション的な音を出したいときはSL Driveを使えばよいと思い、池袋のイケベGET STOMPで新品特価品を発見、購入。以来延々とこいつを使い続けています。最近はファズを使うとき以外、ほぼオフにすることがありません。

 

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購入時についてきた謎の御守り。



とりたて好きなギタリストが使っているということはありませんでしたが、自分の求める音に合うペダルを自分で見つけて長く使っているということで、結構なお気に入りです。


…などと書いたところで、小原莉子のボードにFOCUSツマミマックスで入っていたことを思い出しました。おそらくブースター的に使ってるのではないかと思います(最近は2時くらいで落ち着いているようです)。

Martin 000-18 Standard.

Martin 000-18 Standard.


2018年製のマーチン、000-18のレギュラーモデルです。

 

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歌のバックでガンガンに使えるギターを探しており、行き着いたところがこいつでした。サクサクしたアタック感のあるギターです。

 


トップ材はスプルース。サイドバックとネック材はマホガニー。指板材はエボニー。ボディーサイズがドレッドノートよりやや小さい点が特徴です。


ボディーサイズは、クラプトンがMTVアンプラグドで使った000-42や、ジョンメイヤーのシグネチャーモデルの基であるOM-28と同じ、000タイプです。000とOMの違いはネックスケールで、OMはドレッドノートと同じ645mm、000はそれより13mm短い632.4mm。一般に、000の方がテンションも音も柔らかめで、どちらかというとソロギター向きと言われています。なお、Martinのボディーサイズは1、0、00、000及びOM、Dの順で大きくなります。わかりやすいようなそうでもないような。ちなみにナット幅は44.5mm。


木材は、アコースティックにおいてはスプルース・マホガニー、スプルース・ローズウッドのいずれかが主流ですが、Martinでは18モデルが前者、28モデル以上が後者です(15というオールマホガニーモデルもあり)。一般にマホガニーの方が中域に寄り、ローズウッドの方がレンジが広いと言われます。が、これは弾き手のタッチに寄る気もしています。


歌のバックならD-28やGibson J-45やJ-50のイメージが強いですが、ドレッドノートが自分にとってデカ過ぎたこと、もう一本持っているギターのサイドバックがローズウッドだったことから、最終的に000-18を選択しました。OMではなく000を選択したのは、テンションが柔らかい方が好みだったことと、後で書く通りJulian Lageへの憧れです。言うて、少々の音の傾向の違いは弾き方でコントロール出来るだろうという考えもありました。


ボディーも小振りで取り回しも良く、伴奏でアコギを弾くときには、アルペジオでもストロークでも、とりあえずこいつを使っています。


一番気に入っている点は、アタック感と音程感の程よいバランスです。


先に「もう一本持っているギター」という話をしましたが、000-18を買う前年、紆余曲折あってLowden F-32Cを購入しました。これがまた倍音が響きまくるピアノみたいな音でして、とにかく響いて鬼のようにサステインがあるという、バカ排気量のくせに上まで回るNAエンジンみたいなギターです。


ストラトや000-18みたいに「ピッキングで鳴らす」感覚ではなく、「弾けばびんびん響く」ギターであります。


ギター単体で考えれば超絶結構な話で、響きのきれいなソロギターなんて弾こうものならそれだけで日々のストレスが消えていくレベルなのですが、歌の伴奏に使うとなると、倍音なのか共振なのかがグワングワン響く印象でして、自分の中でコントロールし切れないこともあり、


「もうちょっとアタック感が先に来るアコギらしいアコギもほしい」


とはずっと考えていました。贅沢な話です。 


※伴奏でローデンを鬼のように操ってるギター弾きは結構おり、弾き手が上手く扱えれば基本どんなギターでもどうとでもなるものだとは思っています。どちらかというとイメージとロマンと物欲の問題です。


思うにアコースティックギターというのは、「響き重視のギター」と「アタック重視のギター」にタイプが分かれる気がするんですよね。前者がヨーロッパ系、後者がアメリカ系。後者の代表格がギブソンだと思っています。ザクザクと鳴る。


マーチンはこの辺りのバランス感が好きで、アタック寄りだけどイントネーションが綺麗というか、高域のキラキラが強過ぎないというか、イメージする「ちょうどよいアコギの音」が鳴ってくれます。特にマホガニーボディーの18モデルは。


なお高域のキラキラを突き詰めたギターがTaylorだと思っていますが、……このままだと話がどんどんズレるので本題に戻ります。000-18の話です。



歌の伴奏だ何だと言いながら、000-18を知ったきっかけは実のところJulian Lageです。

 


Julian Lage - "40's" | Fretboard Journal


ちょうどWorld’s Fairという、1938年製の000-18一本で弾き切ったソロアルバムを出した辺りで知ったので、私にとってジュリアンといえばリンダマンザーよりテレキャスターより000-18の人です。操り切っている…。


ジュリアンの化け物じみたコントロール力に依っているとは思いますが、一聴して感じた000-18の印象は先に述べたバランスの良さで、ソロを弾いていたにも関わらず「歌に合いそう」と思ったのをよく覚えています。実際クリス・エルドリッジとのデュオで使ってますし…。


その後、Collingsからジュリアンの愛機を基にしたシグネチャOM-1 JLが発売され、000-18モデルが再度注目を集め始めた辺りで私の物欲が爆発。具体的な出物を求めて物色を開始いたしました。



買うとなると、選択肢は大まかに下記の5つです。


①現行品の新品を買う

②近年モデルの中古を買う

③ビンテージを買う

④Collingsやプリウォーギター等のコピーモデルを買う

⑤000-18以外を買う


結論から述べると①を選んだわけですが、わりと早々に①か⑤までは絞り込みました。


まずビンテージは最初に選外へ。予算オーバーな上に、エレキでもマイナートラブルが出やすいビンテージを、ましては諸々繊細なアコギで手を出す勇気がありませんでした。電装系ならともかく木部にトラブルが出ると自分じゃ手が施せません。


続いて除外したのがハイエンドコピーモデル。Pre-War guitars、Collings共に000-18モデルを試奏させてもらい、どちらも印象は良かったんですが、同時に抱いた感想は「これが果たして必要なのか」ということでして。


今回の目的が「歌のバックでガンガンに使えるギター」であり、変に値段が高過ぎると使うときに遠慮が出るし、あまりに鳴り過ぎると主張が強過ぎて邪魔になるんじゃないかと思うに至ります。また、Pre-WarやCollingsは、強く弾いたときの反応がやたらと良いですが、弱く弾いたときの印象は現行品とほぼ同じという、閾値の広い、「最初から鳴る新品ギター」という印象でした。大体においてこの辺りの閾値は弾き込んでいくと広がっていく印象があるので、方向性が同じなら値段も安いレギュラーモデル買って弾きまくった方が楽しいんじゃないかと。


同様の理由で中古も除外。加えて、Martin本家の000-18が2014年からのモデルチェンジしたことが決め手でありました。


音がどうなのかは不明ですが、見た目でいうと、


・塗装が飴色のグロスフィニッシュに

・ピックガードが鼈甲柄に

・ペグがオープンバックのバタービーン


と、要するにビンテージスペックに変更された為、ジュリアンの1938年製を見て000-18に憧れた人にとっては嬉しい変更だと思います。


以上を踏まえた上で、クロサワ楽器御茶ノ水駅前店にてトップの杢目が比較的好みだった000-18を発見。試奏してみると、マホガニーのイメージ通り、レンジが独特で強めのピッキングが合う、ストロークが気持ちいいギターでした。ドレッドノートと比べて特に音量不足も感じず、Pre-WarやCollingsに比べるとパワー不足は感じましたがイメージは当然ながら近いものがあり、単純に印象も良かったので、試奏の勢いそのままに購入を決意しました。


まさか買う気とは思われていなかったのか、店員さんも「何本か取り寄せて弾き比べも出来ますが」と言ってくれましたが、球数がない時期だったこともあり辞退。十分にこれで良い旨を伝えてそのままお持ち帰りとなりました。



買って一年程使い倒しましたが、ネックも反らず特に不具合もなく、元気にガンガン鳴ってくれています。


強いて言うなれば、伴奏をやりまくっていた時期に「自分の好きな、歌と合わせたアコースティックギターの弾き手って、みんなギブソン弾いてたな」とふと思い出し、ギブソンに興味を持った時期がありまして(ex:James Taylor奥田民生佐橋佳幸、堀越信泰)。アホ程弾き込まれたJ-45の中古を弾いてみたところ、「強いピッキング」に対する反応が鬼のようによく、少し心がグラつきましたが、冷静になって帰宅後、000-18を同じように強めに弾いてみたところ、ほぼ同じ音がしました。音程感よりアタックが先に来るイメージ。


ので、000-18、J-45の音をイメージして弾くとJ-45っぽい音になるギターだと思います。振り幅が広い。

 


最後に。購入後、マーチンクラブとやらに登録をしたところ、マグカップが届きました。地味に嬉しいですよねこういうの。

 

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会社で愛用してます。

Focusrite Scarlett 2i2 Studio.

2019年の年始、思い付きでマイクとオーディオインターフェースを購入しました。

 

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◯Focusrite Scarlett 2i2 Studio

オーディオインターフェースScarlett 2i2

コンデンサマイク…CM25

・ケーブル…XLRマイクケーブル(3m)

・ヘッドホン…HP60

DAWソフト…Pro Tools・Live

 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/263473/


インターフェース、マイク、ケーブル、ヘッドホンがセットになった、フォーカスライトのパッケージ商品。DAWソフトもバンドル版が付いてきます。あとはこれにマイクスタンドを追加で買えば、即録音編集が可能という便利な代物です。


ツイッターにて、毎週毎週ギターを弾いては上げ続けることを続けて2年。大分エレキにも慣れてきたのでそろそろちゃんとした録音を、と思い立ち、年始セールの続くイケベ楽器リボレ秋葉原店にふらりと出向いて購入。丸一日の悪戦苦闘を経てセットアップを終え、とりあえず音が録れることを確認してからしばらく放逐していたのですが……、これのおかげで、ギター入れのお誘いをもらったとき二つ返事で請け負うことができました。

 

3020 SOULS - The Light by ロンリーポップ.records on #SoundCloud

 

 


初録音となったThe Light (cover) / 3020 SOULS。ビートとピアノと歌のデモ音源の時点ですでにソウルフルであり「これに混ざるのか……」と戦慄したことを思い出します。なんやかんやアウトロのソロは会心の出来です。


これをきっかけに録音軍団・3020 SOULSにギター弾きとして参画させてもらい、録音環境が整ったおかげで狙っていたバンドにも入らせてもらうことにもなりました。思い付きでも何でも買ってみるもんです。



まずもって普段あまり行くことのないイケベのリボレ秋葉原に買いに行ったのは、楽器屋の中で知る限りあそこが一番マイク・インターフェースの品揃えが良かったからです。


宮地楽器神田店もDTM機材は強いと聞きますが、あそこはプロ御用達のようなので、「ダ、ダダDAWソフト…? ってやつが、ほ、ほほ、ほしいんですけどど」みたいな感じで行こうものなら取って食われるんじゃないかという恐怖もあり(当然にそんなことはないと思われる)、手頃な価格帯の機材が多かったように思えるリボレに行くことにしました。


結果的にこれが正解で、DTMコーナーにいた店員さんに尋ねたところ懇切丁寧に教えていただけました。


最初はコンデンサマイクオーディオテクニカのAT2020を、インターフェースにSteinbergのUR22mkIIと、とりあえず鉄板どころを買おうと思っていたところ、「0から揃えるならこっちのがいい」と店員さんが勧めてくれたのがフォーカスライトの入門セット。


「あ、でも僕ヘッドホンは持ってるんですよね」

「何持ってます?」

オーディオテクニカのATH-M50です」

「なるほど。それ、音はいいですけど、ずっと付けてると耳痛くなりません?」

「……言われてみれば」

「密閉型ですからね。これについてくるやつは開放型なので、付け続けてもかなり楽だと思いますよ。音も悪くないですし。録音時にこちら、リスニング時にオーディオテクニカ、と使い分けも出来るんじゃないかと」


これは本当に言われた通りでした。録音編集時は半日付けっぱもザラですが、全く痛くなりません。


「ただバンドルのソフトがちょっと。SteinbergCubaseで、FocusriteはPro ToolsかLiveですよね」

「です」

Cubaseは前にちょっとだけ弄ったことがあるので、出来ればCubaseの方が……」

「触ったことあるんですか?  それならお客さんの言う通り、経験あるソフトの方が始めやすいと思いますね。音が出なくて挫折した、なんて人の声も聞きますし。Cubaseは情報も多いから詰まる事も少ないですし。ーーまあ、私は好きですけどねフォーカスライト」

「何故ですか?」

「お客さんファイブスター物語って知ってます?」

 

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脳裏をよぎるコマ。


「やっぱりフォーカスライトにします」

「マイクプリを買うことがあればニーヴ系をオススメしますよ。それじゃレジまで」


なんか聞き覚えがあるなこのメーカー、と思ってたんだ。永野護、こんなところからと名前取ってたんですね……。


もちろん決め手はこれだけではなく、友人のエレクトロニカ好きがライブ時にAbleton Liveでループを操りながらギターを弾いている、と話していたことを思い出したからです。


エレキに移行してからひたすらルーパーと付き合ってきた人間からすると、Liveは合うんじゃないかと思うに至ります。たしかねごとの沙田瑞紀女史も使っていたような。


 

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Ableton Live Liteは、デモ版らしくオーディオトラック数こそ8までと制限があるものの、インターフェースが性に合っていたのか操作に迷うこともなく、カーソルを合わせると左下にオートでヘルプメッセージが出る、右側にデフォルト表示されているヘルプメニューが分かりやすいと、想像以上に使いやすかったです。


立ち上げて最初に表示されるのが、アレンジメントビューではなく、Liveの特色であるセッションビューなので、この画面から何をどうすれば普通のDAWソフトっぽい画面に行くのか、というところさえ突破できればあとは直感で行けると思います。ちなみにビューモードの切り替えは右上の三本線のボタンです。

 

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周りがギター弾きよりビートメーカーの方だらけになって来たので、今後何とかセッションビューをうまく使っていきたいと思います。

 

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マイクは、アンプのやや右端寄りを20cm程度離して狙っています。


柔らかめのクリーントーンを録ることが多いのでこの位置に落ち着きましたが、今後歪みが増してきたり音抜けを狙うときには、買い足したダイナミックマイクのSM57をアンプ真ん前で試してみようと思います。

 

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アコギ、ガットを録るときに、適切なスタンドがないので、JC-22を移動させてスタンド代わりに使っています。狙いはサウンドホールの距離30cmくらい。こちらも「12フレットあたりを狙うと低音がダブ付かず抜けが良い」と聞きましたが、ボサノバの伴奏だったり歌とギターだけになる部分だったりを録ることが多いので、今のところ空気感が録れるサウンドホール狙いを多用してます。

 

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あまり機会はないですが声を入れるときはこんな感じです。フレキシブルなスタンドを机の端に固定し、風防をクリップで付けてます。

 

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最後に。フォーカスライトのセットに合わせ、MIDIキーボードとしてKORGのMICROKEY-25を購入し即席のDTM環境を整えたはいいものの、Live Light内蔵のソフトシンセとドラム音源が鳴らせることを確認し、1分程度の何とも適当なデモを録って「すげーすげー」と感動してからはろくすっぽ使っていません。マイクとインターフェースとDAWソフトのみの、完全なギター録り道具になっています。今後はもう少しDTMツールとして使っていきたいところです。