ー ORDINARY ー

※ 登場人物はすべてフィクションです。車と楽器とフィクションに塗れたとある会社員の日常を、のんべんだらりと書き綴っています。

Martin 000-18 Standard.

Martin 000-18 Standard.


2018年製のマーチン、000-18のレギュラーモデルです。

 

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歌のバックでガンガンに使えるギターを探しており、行き着いたところがこいつでした。サクサクしたアタック感のあるギターです。

 


トップ材はスプルース。サイドバックとネック材はマホガニー。指板材はエボニー。ボディーサイズがドレッドノートよりやや小さい点が特徴です。


ボディーサイズは、クラプトンがMTVアンプラグドで使った000-42や、ジョンメイヤーのシグネチャーモデルの基であるOM-28と同じ、000タイプです。000とOMの違いはネックスケールで、OMはドレッドノートと同じ645mm、000はそれより13mm短い632.4mm。一般に、000の方がテンションも音も柔らかめで、どちらかというとソロギター向きと言われています。なお、Martinのボディーサイズは1、0、00、000及びOM、Dの順で大きくなります。わかりやすいようなそうでもないような。


木材は、アコースティックにおいてはスプルース・マホガニー、スプルース・ローズウッドのいずれかが主流ですが、Martinでは18モデルが前者、28モデル以上が後者です(15というオールマホガニーモデルもあり)。一般にマホガニーの方が中域に寄り、ローズウッドの方がレンジが広いと言われます。が、これは弾き手のタッチに寄る気もしています。


歌のバックならD-28やGibson J-45やJ-50のイメージが強いですが、ドレッドノートが自分にとってデカ過ぎたこと、もう一本持っているギターのサイドバックがローズウッドだったことから、最終的に000-18を選択しました。OMではなく000を選択したのは、テンションが柔らかい方が好みだったことと、後で書く通りJulian Lageへの憧れです。言うて、少々の音の傾向の違いは弾き方でコントロール出来るだろうという考えもありました。


ボディーも小振りで取り回しも良く、伴奏でアコギを弾くときには、アルペジオでもストロークでも、とりあえずこいつを使っています。


一番気に入っている点は、アタック感と音程感の程よいバランスです。


先に「もう一本持っているギター」という話をしましたが、000-18を買う前年、紆余曲折あってLowden F-32Cを購入しました。これがまた倍音が響きまくるピアノみたいな音でして、とにかく響いて鬼のようにサステインがあるという、バカ排気量のくせに上まで回るNAエンジンみたいなギターです。


ストラトや000-18みたいに「ピッキングで鳴らす」感覚ではなく、「弾けばびんびん響く」ギターであります。


ギター単体で考えれば超絶結構な話で、響きのきれいなソロギターなんて弾こうものならそれだけで日々のストレスが消えていくレベルなのですが、歌の伴奏に使うとなると、倍音なのか共振なのかがグワングワン響く印象でして、自分の中でコントロールし切れないこともあり、


「もうちょっとアタック感が先に来るアコギらしいアコギもほしい」


とはずっと考えていました。贅沢な話です。 


※伴奏でローデンを鬼のように操ってるギター弾きは結構おり、弾き手が上手く扱えれば基本どんなギターでもどうとでもなるものだとは思っています。どちらかというとイメージとロマンと物欲の問題です。


思うにアコースティックギターというのは、「響き重視のギター」と「アタック重視のギター」にタイプが分かれる気がするんですよね。前者がヨーロッパ系、後者がアメリカ系。後者の代表格がギブソンだと思っています。ザクザクと鳴る。


マーチンはこの辺りのバランス感が好きで、アタック寄りだけどイントネーションが綺麗というか、高域のキラキラが強過ぎないというか、イメージする「ちょうどよいアコギの音」が鳴ってくれます。特にマホガニーボディーの18モデルは。


なお高域のキラキラを突き詰めたギターがTaylorだと思っていますが、……このままだと話がどんどんズレるので本題に戻ります。000-18の話です。



歌の伴奏だ何だと言いながら、000-18を知ったきっかけは実のところJulian Lageです。

 


Julian Lage - "40's" | Fretboard Journal


ちょうどWorld’s Fairという、1938年製の000-18一本で弾き切ったソロアルバムを出した辺りで知ったので、私にとってジュリアンといえばリンダマンザーよりテレキャスターより000-18の人です。操り切っている…。


ジュリアンの化け物じみたコントロール力に依っているとは思いますが、一聴して感じた000-18の印象は先に述べたバランスの良さで、ソロを弾いていたにも関わらず「歌に合いそう」と思ったのをよく覚えています。実際クリス・エルドリッジとのデュオで使ってますし…。


その後、Collingsからジュリアンの愛機を基にしたシグネチャOM-1 JLが発売され、000-18モデルが再度注目を集め始めた辺りで私の物欲が爆発。具体的な出物を求めて物色を開始いたしました。



買うとなると、選択肢は大まかに下記の5つです。


①現行品の新品を買う

②近年モデルの中古を買う

③ビンテージを買う

④Collingsやプリウォーギター等のコピーモデルを買う

⑤000-18以外を買う


結論から述べると①を選んだわけですが、わりと早々に①か⑤までは絞り込みました。


まずビンテージは最初に選外へ。予算オーバーな上に、エレキでもマイナートラブルが出やすいビンテージを、ましては諸々繊細なアコギで手を出す勇気がありませんでした。電装系ならともかく木部にトラブルが出ると自分じゃ手が施せません。


続いて除外したのがハイエンドコピーモデル。Pre-War guitars、Collings共に000-18モデルを試奏させてもらい、どちらも印象は良かったんですが、同時に抱いた感想は「これが果たして必要なのか」ということでして。


今回の目的が「歌のバックでガンガンに使えるギター」であり、変に値段が高過ぎると使うときに遠慮が出るし、あまりに鳴り過ぎると主張が強過ぎて邪魔になるんじゃないかと思うに至ります。また、Pre-WarやCollingsは、強く弾いたときの反応がやたらと良いですが、弱く弾いたときの印象は現行品とほぼ同じという、閾値の広い、「最初から鳴る新品ギター」という印象でした。大体においてこの辺りの閾値は弾き込んでいくと広がっていく印象があるので、方向性が同じなら値段も安いレギュラーモデル買って弾きまくった方が楽しいんじゃないかと。


同様の理由で中古も除外。加えて、Martin本家の000-18が2014年からのモデルチェンジしたことが決め手でありました。


音がどうなのかは不明ですが、見た目でいうと、


・塗装が飴色のグロスフィニッシュに

・ピックガードが鼈甲柄に

・ペグがオープンバックのバタービーン


と、要するにビンテージスペックに変更された為、ジュリアンの1938年製を見て000-18に憧れた人にとっては嬉しい変更だと思います。


以上を踏まえた上で、クロサワ楽器御茶ノ水駅前店にてトップの杢目が比較的好みだった000-18を発見。試奏してみると、マホガニーのイメージ通り、レンジが独特で強めのピッキングが合う、ストロークが気持ちいいギターでした。ドレッドノートと比べて特に音量不足も感じず、Pre-WarやCollingsに比べるとパワー不足は感じましたがイメージは当然ながら近いものがあり、単純に印象も良かったので、試奏の勢いそのままに購入を決意しました。


まさか買う気とは思われていなかったのか、店員さんも「何本か取り寄せて弾き比べも出来ますが」と言ってくれましたが、球数がない時期だったこともあり辞退。十分にこれで良い旨を伝えてそのままお持ち帰りとなりました。



買って一年程使い倒しましたが、ネックも反らず特に不具合もなく、元気にガンガン鳴ってくれています。


強いて言うなれば、伴奏をやりまくっていた時期に「自分の好きな、歌と合わせたアコースティックギターの弾き手って、みんなギブソン弾いてたな」とふと思い出し、ギブソンに興味を持った時期がありまして(ex:James Taylor奥田民生佐橋佳幸、堀越信泰)。アホ程弾き込まれたJ-45の中古を弾いてみたところ、「強いピッキング」に対する反応が鬼のようによく、少し心がグラつきましたが、冷静になって帰宅後、000-18を同じように強めに弾いてみたところ、ほぼ同じ音がしました。音程感よりアタックが先に来るイメージ。


ので、000-18、J-45の音をイメージして弾くとJ-45っぽい音になるギターだと思います。振り幅が広い。

 


最後に。購入後、マーチンクラブとやらに登録をしたところ、マグカップが届きました。地味に嬉しいですよねこういうの。

 

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会社で愛用してます。