コペンローブ、夏タイヤへ戻る。
冬タイヤから夏タイヤへの換装、最初こそオートバックスに3,000円ちょっと払って都度お願いしていましたが、作業予約が取れないことに業を煮やしてそのうち自分でやるようになりました。
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コペンをはじめとする軽スポーツの利点は、「大抵の作業は自分でやろうと思えば何とかなるサイズ感」だと思います。
職場の残業中、当時の上司アウトランダー課長との雑談で出た話題として、車体のデカさのデメリットがありました。
「梁井くん、次はデカイの乗りたいって言ってたじゃない」
「です」
「なんで?」
「小さくて排気量のない車だと、やっぱり長距離疲れるんですよ。こないだ九州へ帰ったときに思ったんですけど、風が強いと車体持ってかれるし、巡航時の回転数が高くなってやかましいし。トルクバンドに乗ってるので加速は楽なんですけど……」
当時30を目前に控えていたこともあり、もう少しアダルティーな車を、という気持ちがふつふつと湧いておりまして、サファリサファリと呟く新山さんの影響もあってか、次買うならデカイやつがいいと以前漏らした覚えがあります。
「それね、すごい分かるんだけどさ。おれくらいの年になると、ちょっとずつ『小さいやつもいいなあ』とか思い始めるんだよね」
「と言いますと」
「3Fにさ、宗谷さんいらっしゃるじゃない」
「役員さんの?」
「役員さんの」
「たしか、執務室にドイツメーカーのカレンダー張ってましたっけ。やっぱりドデカセダンとか乗ってるんですかね」
「こないだ話したら、愛車Bセグメントのハッチバックだって」
「……ちょっと意外ですね」
「でしょ。ご本人曰く、『最近もう小さいのがいい。上まで回せるし、洗車もタイヤ交換も楽だし』だって」
「あの人自分でやってるんですか」
「それは分からないけど。その話したときすげー頷いちゃってさ。おれのアウトランダー(初代前期型2,400cc)、言うて大した大きさじゃないけど(4,640×1,800×1,680。ちょっと小さいアウトバックという感じ)、それでも洗車面倒でスタンドに預けちゃってんだよね。タイヤも18インチで、昔の車に比べりゃデカイしさ。昔は手入れ全部自分でやってたけど、冬タイヤに替えるのも、今は全部オートバックスですよ」
目から鱗でした。曰く、
「その点コペンの車体なら、洗車も楽だし、ホイールも大きくないから自分でなんやかんや作業するときも楽でしょ?」
という話です。
なんたってサイズが3,395×1,475×1,280です。シルビアより1m短い全長にこの背の低さ。そりゃあ洗いやすいわけだ。
上記のような話をきっかけに、そうか、自分でやりゃあいいのかと思い始めたところで、オートバックスでのホイール交換の予約が全くもって取れなかったのをきっかけに決意。さっそく自分で交換作業を試してみることにしました。
◇
夏タイヤを履いた純正ホイールは家にビニールを被せて保管してあるので、あと必要なものはクロスレンチ、トルクレンチ、ジャッキの3つです。
ジャッキは車載セットにあるので今回は購入見送り。レンチ類だけオートバックスで買うことにします。
(なおこのときついでに受付を確認したところ、ホイール付け替え作業は即日可とのことでした。マジかよ!と思ったものの、いちいち自宅に戻ってタイヤを積んで戻ってくる気力がなかったので、予定通り自分でやることにします)
クロスレンチは大橋産業のNo.1408クロスレンチ。
トルクレンチは大橋産業のNo.2059トルクレンチ6pcセット。
適当に買ったんですが、今調べたらどちらもメーカーが同じだという…。どちらも値段がそこそこ安かったので決めました。というのも、こいつで締めるべきホイールナットのサイズに確信がなかったからです。
作業に先立って一応車載のマニュアルを引っ張り出し、ネットでも手順を確認してみました。大まかに下記の流れです。
①レンチでホイールナットを緩める
②ジャッキアップしてホイールを外す
③新しいホイールを付けてホイールナットを仮締めする
④ジャッキを下ろす
⑤トルクレンチを使い指定トルクで締め付ける
※走る前にタイヤの空気圧を確認し補充する
ということは、ホイールナットに適合するサイズのレンチがあり、指定トルクの数値が分かれば後はなんとかなるということです。
締め付けトルクはマニュアルを確認したところ、103N・mと分かったのですが、ホイールナットのサイズは、調べた限りどこにも載っていませんでした。測りゃいいだけなのですが、目測の限り20mmちょいだったので多分21mmだろうと当たりをつけてオートバックスに突撃。大体19または21mmのソケットが多かったので、上記のセットを買っておけば全部が外れることはないだろうとタカをくくって購入。帰宅し、早速作業に取り掛かります。
結果として、ナットのサイズは21mmでした。よかった…。
トルクレンチの締め付けトルクを設定します。面倒なので端数を切り上げて110N・mとしました。ネットで見る限り結構なコペンユーザーが110で締めてましたが、料理と工業は数値を軽視するとバチが当たると聞きますのであまりよろしくはないんだと思います。
ナットを外します。
ナット。若干角がすり減ってますが、ツイッターの友人曰く「交換するほどでもない」とのこと。
ジャッキアップしてホイール外した状態。結構錆びてるもんですね…。
ホイールの裏側。
この状態から夏タイヤを嵌め込み、仮締めの後にジャッキダウン。地面に設置した状態でトルクレンチで締め付けます。余談ですがトルクレンチのカチカチ音には謎の快感がありますね。工具系ASMRとかやったら流行るんじゃないでしょうか。
ついでに洗車まで済ませて作業完了です。
複雑な工程はないので簡単ではありますが、結構腰に来る作業なので、予約がスムーズに取れるならお店に頼んだ方がいいような気がします。ホイールがデカイ車なら尚更です。
些細なことではありますが、元々工具類を使った作業全般に苦手意識のあった私が、これを機に「なるべく自分でやってみよう」精神が芽生え始め、ハンダ買ってピックアップの交換くらいまでは手を出すようになりました。
「せっかくだし車関係、何か自分でやってみようかな」という方には、まずはホイール交換がオススメです。道具さえ揃えばすぐ出来ます。腰にだけはどうか気をつけてください。
※追記として、夏タイヤに履き替えた後のドライブはやっぱりキビキビ動いて気持ちが良かったです。散髪した後のような気分