気持ちをぶち上げたいので、先にファンキー枠を挙げていきます。
買えるとか買えないとかでなく、ロマンと憧れとギリギリの現実感で選んでいます。この辺のどれかを私が買った場合、「ああ、こいつこの車と心中するつもりなんだ」と思ってください。
◯ファンキー枠
シボレー・コルベット(C7型 7MT)
ボディサイズ:全長 4,510 × 全幅 1,880 × 全高 1,230 mm
ホイールベース:2,710 mm
トレッド:前/後 1,600/1,570mm
タイヤサイズ:(前)245/35R19/(後)285/30R20
車重:1,540kg
最高出力:466ps(343kW)/6,000rpm
最大トルク:64.2kg-m(630N・m)/4,600rpm
変速比:(1~7/後退)2.966/2.066/1.426/1.000/0.709/0.567/0.478/2.900
最終減速比:3.420
のっけからコルベットです。アメリカンV8。ロマンと憧れの極致。これに関しては現実感もクソもありません。
最新型は2020年の年始に予約を受け付け始めたC8型ですが、自分にとっては車にハマり始めた時期に発売されたC7型のインパクトが大きく、もし手に入るならC7が良いです。最後のFRコルベットになりそうですし。
開発当初は『ヨーロッパのライトウェイトスポーツをベンチマークにしたオープンが楽しめる車』として考えられていたものの、V8エンジンの勃興から、いつの間にか『アメリカ最強ハイパワー2シーター』に変貌していた、という珍妙なエピソードがあります。他のアメ車に比べて、私が妙にコルベットに惹かれる理由はここにあります。何やかんや、ライトウェイト出自のオープンカーが好きなんですね…。
そんな出自でありながら、0-100km/hは3.8秒。ドライサンプ化されスーパーチャージャーを追加されたZ06モデルでは、MTで3.2秒。8ATなら3.0秒を切ります。
メーカーチューンド最強モデルのZR1に至っては、もはやスペック数値を見ているだけで3分くらい笑えます。755hpに98.8kgm。トルクがほぼ100。これは単純計算で排気量10,000ccに相当するということです。メーカーが出していい数字ではない。
「アイドリングで加速する」
「900rpmで坂道を登る」
など、スペックの素っ頓狂さならいくらでも挙げられる、『主要諸元で笑いが取れる車』がコルベットだと思います。そもそも、家を出て自分の駐車場にコルベットが停まっていたら笑えませんか?
見ているだけで細かいことがどうでもよくなる。そんな車だと思います。こんなのに乗ったら俗世を離れた仙人になりそうです。
◇
続いて、ファンキーというよりちょい古ロマン枠に入ります。
◯ポルシェ・911(997カレラ後期型 6MT)
エンジン:水冷 F6 DOHC 3,596cc
ボディサイズ:全長 4,435 × 全幅 1,810 × 全高 1,310 mm
ホイールベース:2,350mm
トレッド:前/後 1,485/1,535 mm
タイヤサイズ:(前)235/40/R18(後)265/40/R18
車重:1,460kg
最高出力:345ps(254kW)/6,500rpm
最大トルク:39.8kg・m(390N・m)/4,400rpm
変速比:(1~6/後退)3.909/2.315/1.607/1.281/1.081/0.883/3.594
最終減速比:3.444
この世で最も有名で最も異端なスポーツカー、911。21世紀初頭に世に出た水冷エンジン世代の2代目。997型です。
911がどういう車かは湾岸ミッドナイトを読んでもらうのが一番として、ロマン枠として私が997型を挙げる理由は3つあります。
単純にデザインが好きなこと、探せばギリギリ手が届く値段で出玉があること、ホイールベースが2,300mm代である最後の911であることです。
911の特徴は、RRによる後輪荷重のトラクションと、ショートホイールベースによる旋回性と言われます。
元々の開発出発点が、2座でミッドシップの356。そこから4シーターに切り替える為にエンジンを後ろに持っていったことが、911のスタートです。
その出自によるレイアウトの問題なのか、後輪に荷重がかかる特性を活かす為に兎にも角にも立ち上がり前の旋回力を上げようとしたのか、911は昔から、ホイールベースがやったらめったら短く、『ぐいっと曲がってすっ飛んでいく』独特の乗り味を維持してきました。
空冷時代終盤のホイールベースは2,270mm。コペンが2,230mmなので、ほとんど軽自動車レベルです。それが、水冷化に伴いシャーシかガラリと見直され、100mmちょっと延長されました。それでもまだ2,350mm。全長が4mに満たないロードスターやエリーゼと同程度です。ヒラヒラしそう…。
そんな癖のあるスペックも、997型の次モデルである991型から、ホイールベースは2,450mmへ。さらに100mm延長され、直進安定性が一気に増し、乗り味が大分変わったと言われます。
991型以降は現代の車らしく電子装備も増え、内外装も質感が増して「アストンマーティンみたいになった」ともっぱらの評判ですが、そういう意味では、『911に乗ってみたい』という思いを現実的に叶えてくれそうなのは、今のところ997型が一番な気がしています。
なお、997型は2007年にマイナーチェンジがされていますが、後期型はエンジンがポート噴射から直噴へ変更。圧縮比が上がり馬力もアップ。直噴されたガソリンの気化熱によってシリンダー内の温度が下がり、冷却効率も上がって、一部ラジエターも撤去されるなど部品工数も減って信頼性も増しているようです。基本的にストラトやらジャズマスターやらのトレモロユニット付きのギターより、テレキャスターの方が調整楽ですよね。一定以上の中古を買うならなるべくシンプルな構造の車が良いと思ってます。
最後に、インターミディエイトシャフト云々はイマイチ理解しきれていません…。
◯アルピナ・B3 3.0/1(E36型 5MT)
エンジン:3.0L 直6DOHC
ボディサイズ:全長 4,435 × 全幅 1,695 × 全高 1,380mm
ホイールベース:2,700mm
トレッド:前/後 1,410/1,420mm
タイヤサイズ:(前)235/40/R17(後)265/35/R17
車重:1,330kg?
最高出力:256ps/5,700rpm
最大トルク:32.6kg・m/4,400rpm
変速比:(1~5/後退)4,198/2.493/1.665/1.240/1.000/?
最終減速比:3.153
なんでかはわかりませんが、小さな頃にやたらとBMWが好きだったようでして、自分が物心ついた当時のBMWといえば3シリーズのE36型でした。
四角いセダン。小さな頃に頭に叩き込まれた『車の形』が私にとっては完全にコレです。
『古い車を徹底的にメンテしながら乗る』タイプの車好きが周りに数人おりまして、VWカルマンギア乗りのあまとう氏、ボルボ240エステート乗りの職場の変人山下さん、ライト層でいえば乗り換えたがっているもののS15との縁が切れない新山も該当するかもしれません。
側から見ていると沼も沼ですが、愛着を持ちながら自分が飛び込むとしたら何だろうと考えたとき、最初に浮かんだのはこのシェイプでした。E36型を見ると、
「景気が良いときの車は四角くデザインされる傾向にあるらしいよ。君が好きなのってこの車? 良い時代だったんだろうね」
と話していた、もう会うこともない人をふと思い出します。
ともあれBMWの3です。どうせ古いのに乗るなら長距離の楽な大排気量NAセダンがいいと思っているのですが、1990年初頭から2,700mmのホイールベースを誇っていた3シリーズならドンピシャです。
アルピナを挙げた理由として深い意味は特にないのですが、ノーマルよりも排気量が高く、かつUnderstatement(控えめ)をモットーとするアルピナならM3程カリカリなチューニングもしておらず、耐久性もあるだろうという考えです。マニュアルの直列6気筒の出物があるなら正直ノーマルでも良いです。
強いて言えば、2016年の北海道旅行のルートを決めようとネットをふらついていたとき、wataさんという方の下記のブログを見たのがきっかけです。E46型のB3ですが、気持ちいい車なんだろうなあと思いながら読んでいました。現在はボクスターに乗り換えられているようです。
<Life, BMW ALPINA B3>
https://alpina-b3.blog.ss-blog.jp
◇
今後人生を道楽に振り切ることになったらこの辺を、という車3台でした。この辺を買ったらある意味長生きできそうな気がします。
最後に安楽枠を挙げて終わります。